ぷちどる駆除士・P(その4)

※今回のストーリーは、ゴルゴ13の「害虫戦争」を参考にしています


大量発生したぷちどるの猛威を食い止めるため、駆除士は今日も戦う……。

――ビデオ再生中

P「えー、このように特に利用目的のないぷちどる達は、缶詰工場に送られます」

やよ『うっう~?』ζ*゚0゚)ζ ζ*゚3゚)ζ ζ*=o-)ζ zzzz

P「ぷちの一番大きな部位は頭ですが、髪や骨など食べられない部分が多いので、
首から上は丸ごと切り落としてしまいます。この作業は機械が行ないます」

スパーン、スパーン…… .::;:.., ;:. ζ*゚;p。)ζ.::;:.., ;:. ζli゚'p`)ζ ブシュー

やよ『うっうー!?』ζli゚0゚) ζ ζ*T0゚)ζ ζli゚p゚)ζ

P「ぷちはコンベアに固定されていて、逃げ出せません。すべてライン化されています」

やよ『う゛ぅぅぅぅ!!』.::;:.., ;:.ζ*Tp。)ζ.::;:.., ;:.ζ*゙;0゙)ζ スパーン、スパーン

P「その後、衣服を剥ぎ取られた首のない胴体は、一ヶ所に集められます」

ゴウン、ゴウン……

P「シャワーで汚れを洗い落とし、蒸し庫で加熱殺菌します」

プシャアアアア!!

P「大型冷蔵庫に置いて身を締まらせた後、解体作業に移ります。
ここで骨と内臓を取り除くんですね。こればかりは、手作業になります」

スパーン、ズルズル

P「切り分けられた肉はまとめてコンベアでミキサーに送られ、挽肉にされます。
そこから缶へと一つ一つ絞り出し、調味液と油を注入。フタをしっかり閉め、真空状態を保ちます」

ブチュブチュ…… ;∴;.; ;∴;.;

P「こうして、ぷち肉の缶詰が完成するのです。もっぱら、同じぷち用のエサとして使われています」

ジャジャーン

P「ところで、取り除かれた内臓、そして頭部ですが、これらはまた別の工場へ送られます」

やよ『』ζ*゚q;゙)ζ ζli。'p`)ζ ζ*゚;p。)ζ

P「肥料工場ですね。ここでより大きなミキサーで肉も骨も粉々にし、糞と混ぜ合わせるのです。
骨も髪の毛も目玉も、肥料になります」

ブチュブチュ…… ζ*゙p;,;,;,;,

ゆきぽ『ぽぎゃあああああああああ!! ぴぃぎぃやぁああああ!!』ブチュブチュ

ちひゃー『ぐぅひぃぎぃぃぃぃぃぃぃ!! ぐぅぅゃぁぁぁああ!!』ブチュブチュ

P「時折、生きたままのぷちも送られてきますが、構わずそのままミキサーに投入しています。
残酷だと思う方は『ひよこのオス』で検索してください」

ポギャー!! グウウー!!

P「……とまあ、このように捕獲された『害獣』や『無能』指定のぷち達は、挽肉や肥料にされるんですね。
他の用途については、また次の機会に説明します。今日の講義はここまで。解散」

キーンコーン


律子「お疲れ様です」

P「……もう一仕事、残っている雰囲気ですね」

律子「あの件についてですが、やはり凶暴化したゆきぽ達の仕業のようです。
自治体では手に負えないにも関わらず、市や警察関係者はまず駆除士を頼れの一点張りだそうです」

P「とりあえず現地偵察といきますか。詳細を確認しながら」


ブロロロ……(移動中)

P「場所はG県N市の山中。種子開発会社の研究所が、そのまま本部として置かれていた所ですか」

律子「会社はすでに無くなっています。経営陣は海外に逃亡、主だった研究者も行方知れず。
空の施設だけが、そこに残されています」

P「そうなった原因は……ゆきぽ、と」

律子「しばらく前に、敷地にある試験用の畑が潰され、大型の簡易倉庫が造られたそうです。
その中で大量のゆきぽが飼われていたと、警備を務めていた人が証言しています。
実情こそ知らされていなかったものの、鳴き声の多さからそれを察知したようです」

P「種子開発会社が、ゆきぽを飼育。そこまでなら、わからんこともないですが」

律子「農作物を荒らすゆきぽに対抗するため、ゆきぽに食べられない種の野菜を開発。
だから研究用に飼育を始めた。周りにはそう説明していたみたいです」

P「しかし、そのためだけにしては、飼っていた数が多過ぎた――」

律子「ここから先は推測の域を出ませんが、駆除士協会では見解が一致しています。
会社が開発していたのは、新種の野菜ではなく、新種のゆきぽであった、と。
それも、より凶暴性と雑食性を増したゆきぽを」

P「理由は、考えただけでも恐ろしいですね」

律子「日本の農業を、壊滅させるためです。いや、そこまで大げさでなくとも、
解き放たれた新種のゆきぽ達が各地にのさばれば、国産の作物は大きな打撃を受けます。
そこで見計らったように市場に流れてくるのは、外国産の作物です」

P「経営者連中が高飛びしてることから、会社が海外と繋がりがあったのは間違いない、か」

律子「おそらく、会社は某国産業と結託していたか、あるいは傘下にあったのでしょう。
まず、ゆきぽを利用して日本産の作物の生産を減らす。次いで、某国からの輸入を増やす」

P「それをするためには大量の、そして凶暴なゆきぽが必要だった――」

律子「けれど、この計画はずさんなものでした。ただでさえゆきぽは、穴を掘る、
壁をぶち抜くなど、凶悪性を秘めているぷちです。それをさらに攻撃的にするというなら、
飼育施設は頑丈なものでなければなりません。また、厳重な管理も必要になります」

P「結果、凶暴化したゆきぽの脱走が相次ぎ、街に下りてきて問題を起こした。
会社の良くない噂が立った上に、残りのゆきぽ達も制御し切れなくなった。
これ以上、事が表面化する前に、海外逃亡となったわけか」

律子「真っ当な目的でゆきぽを飼っていただけなら、そんなことまでする必要はないはずです。
逃げたのは後ろめたい理由があったからとしか考えられません」

P「さすがに海外までは追えんわな。しかも外国企業が関わっているとなると」

律子「研究自体は成功していたと考えると、日本の農業にとっては危機一髪だったかもしれません。
といっても、周辺住民の方々は危機に直面している最中ですが」

P「子供を産んで個体数が増える前に、なんとかしなくては」


――現地到着。

律子「……自治体の方によれば、ゆきぽ達は廃墟になった研究所を根城にしているようです。
食糧はやはり山に自生する果物等では足りず、頻繁にふもとに下りてきては悪さを働くとか」

P「警察や消防団が出てもいいレベルだと思うんですけど」

律子「専門職があるなら、厄介事はまずそっちに任せるってスタンスなんですよ」

P「まあしゃーないか。暗くなる前に、その研究所施設に向かってみましょう」

ブロロロ……

――山道途中。

律子「車で近づくと、強く警戒されるかもしれません。ここからは歩きですね」

P「そうしますか。私と律子で行くので、班員二名はここで待機」

ガチャ、バタン

律子「スタンロッド、催涙スプレー。装備は最低限のものです。交戦になったら、逃げた方がいいですよ」

P「あくまで偵察ですから。今日のところは」

テクテク

律子「ん……道の真ん中に穴が……マンホールにあらず、ゆきぽが掘った穴ですね。
どうもこの先、所々にあるっぽいですよ」

P「車は置いてきて正解でしたね。タイヤが嵌ったら厄介だった。
それにしても、こんな有様じゃロクに利用できませんが」

律子「この道は、研究所までしか繋がっていませんから。一般の市民は使わないんです」

P「じゃあ、もう誰も補修するわけがないな。さて……そろそろ奴らの王国か」

ボエー、バウー、ブイー

律子「ゆきぽの遠吠え、ですね。でもあんな声してましたっけ?」

P「単なる野生化の影響だけではなさそうです。新種のゆきぽで、ほぼ確定ではないかと。ん……?」

やよ「」ζ*;゚'pζ

P「ぬお。これは……野良やよの死骸か」

律子「食べられた、みたいですね」

P「胴体は、骨を除けばほとんど食い尽くされてる。頭部も残っているのは顔半分だけか」

律子「ふらりと、紛れ込んだぷちだったんでしょうね。ゆきぽの仕業だとすると、容赦がない」

P「ぷちを食べることに抵抗がないのか。同種のゆきぽと、共食いも経験していると考えた方がいい」

律子「のこのこ群れに近づくのは、危険ですよ」

P「裏側から回りましょう。林を抜けて」

ガサガサ

P「……木がいっぱい倒れてて、通りづらいな」

律子「全部、ゆきぽが倒したものですか? スコップで根っこをぶっち切って」

P「コンクリをぶち抜くゆきぽには朝飯前でしょう。しかし穴掘りの習性が見境なくなってるな。
木の実を取るためだけに、木を倒したとも考えられますけど」

律子「ノブに手が届かないからドアをぶっ壊すという、短絡的思考の持ち主ですからね。
遺伝子操作でさらに理性が吹っ飛んだとすれば、そのぐらいはやってのけますね」

ボエー、ボオエー、バウウー

律子「……段々近づいてきましたよ」

P「あの三階建ての建物が研究所、隣にあるのがゆきぽを飼っていた倉庫、ですか」

律子「やはりどちらも、あちこちに穴が空いてますね。あんな脆弱そうな壁では脱走し放題でしょう」

P「でもゆきぽ達があそこに棲んでいるとなると、あれ以上自分の家を壊すような真似はしないはず」

律子「それはそうです。ゆきぽは寒さに弱いですから」

ボエボエ、ブイ、バウバウ、ボオー

律子「ぞろぞろ出てきましたね」

P「確かに鳴き声がおかしい。あの目も、濁っているように見えます」

ボエ! バウ!?

律子「……喧嘩を始めた個体もいます。血の気が多いんですかね」

P「普通のゆきぽのように、黙っていじめられる雰囲気がありません。みんな、ふてぶてしそうにしている」

律子「本性が現れた感じですか。新種のゆきぽと断定するには、もう一つ証拠が欲しいですが、
敷地に入るのは危険ですね。それに研究所にも資料なんかは残ってないでしょうし」

P「それでも危険で、駆除が必要なことに変わりはないです。もう少し近づいてみましょう」

ボエエエエ!! ボオオオオ!!

律子「待ってください。喧嘩が、殺し合いにまで発展しましたよ」

P「野性的で済ますには、凶暴過ぎる。ほぼクロですね」

ボエ、ボエ!! ムシャムシャ

P「……仲間の死体を食い始めた」

律子「会社が潰れるのもわかります。あんなのがまとめて反抗したら、たまりません。
バイオハザードを起こそうとして失敗した、なんて周りに説明できるはずもないですし」

P「バイオハザードは4が最高傑作だと思ってます。リヘナラドールとかマジでキテたぜ」

律子「冗談はともかく。奴らが各地にばら撒かれていたかもしれないと思うと、ぞっとします」

P「でも群れを形成してはいるものの、破綻しかけてもいる。凶悪過ぎるからだ。
どの道、人間の計画通りにはいかなかったかも」

律子「だからといって、放ってはおけませんよ」

P「それはもちろん。自滅するのを待ってる余裕はないです」

――ガサッ。 ゆきぽ「ぼぇ!」ブンッ

P「! 後ろっ!」 律子「きゃ!?」

ゆきぽ「ぼぇぇっ!!」ブンブン

律子「いきなり襲いかかってきた!?」

P「偵察はここまでだ。退くぞ!」

ダダダダ……

律子「……ジャケットが、スコップで切り裂かれてます。もう少し気づくのが遅かったら、危なかったですね」

P「いや、まだ現在進行形で危ないかも」

ゆきぽ「「「「「ぼぇー!!」」」」」ドドドド

律子「っ、追いかけてくる!?」

P「威嚇じゃない。完全に〝狩ろうと〟してる……!」

ゆきぽ「「「「「ばぅー!!」」」」」ドドドド

律子「速い……! すんなり逃がしてくれそうにないですよ!」

P「元々、ゆきぽは運動能力に秀でているぷちですからね。おまけに、この辺りは連中の庭だ」

律子「車までもう少しかかりますよっ!?」

P「数を減らしましょう。エサ缶を開けて、奴らに投げつけろ!」パカ

ポーイ『ぷち肉の缶詰』

ゆきぽ「ぼぇえ!?」「ばぅ! ばぅー!」「ぼおおお!」ドタバタ

律子「足止めできましたね。エサに群がってますよ」

P「食欲優先みたいですね。って……」

ゆきぽ「「「ぼおええええええ!!」」」ドドドド

律子「新手がっ!?」

P「困ったな。もう手もとにエサ缶がない。とにかく車へ戻らないと!」

ゆきぽ「「「ぼええー!!」」」

ダダダダ……

班員「Pさん! 律子さん!」

P「おお、こっちは無事だったか」

律子「すぐに出して! 追われてるの!」

班員「ゆきぽですかっ!?」

律子「早くっ! あいつら車も壊しかねないっ!」

ブロロロ……

ゆきぽ「「「ぶぅぃいいいいい!!」」」ドドドド

P「律子、あいつらにありったけのエサ缶をくれてやれ」パカ、ポーイ

律子「全部使っちゃうんですか?」

P「気の立っている連中をそのままにしておけば、街まで下りてきて事件を起こすかもしれない。
満腹になってもらえば、今日のところは行動も起こさないでしょう」パカ、ポーイ

律子「なるほど」パカ、ポーイ

ボエ! ボオオ! バウバウ! ムシャムシャ

P「……もう追ってこないな。しっかし、ヒヤッとしました」

律子「野生でも、ぷちはあそこまで凶暴にはなりません。間違いなく新種ですね。
まあそんなのは、この際どうでもいいですが」

P「駆除しなければならない。言えることはそれだけです。東京に戻ったら、作戦会議をしましょう。
動けるメンバーを、集めておいてください」

律子「忙しい一日ですね」


――会議室。

P「……と、あのゆきぽ達は、異常なほど攻撃的でした。一刻も早い排除が必要です。
立ち入り禁止の処置はしてあるものの、子供達が覗きに入ってしまう可能性もあります」

駆除士「我々だけで討伐するのですか?」

P「市からの直接的な協力は得られませんでした。その代わり、多少派手に動いてもいいとのことです。
場所が場所だけに、今回の駆除は山狩りのような大規模なものになると思います」

律子「作戦は、昼間に行なわなければなりません。地中でも暮らせるゆきぽは、夜目が利きますから。
周囲が暗いと、討ち漏らす恐れもあります」

P「夜にやかましくされるよりはマシかと。計画が決まったら、周辺住民の方々にも連絡します」

駆除士「それで、具体的な作戦は?」

P「あのゆきぽの群れとまともに戦うのは、リスクが大き過ぎます。冗談でもなく、
油断すれば命を落としかねません。教則通り、搦め手を攻めていきます」

律子「でも遺伝子改良されたゆきぽであるなら、耐性が強化されているかもしれないです。
ぷちどる用の毒が、通用しないことも考えられます」

P「あっさり殺せるようなら、会社も証拠隠滅し切れたでしょうしね」

駆除士「生息域が広く、数も多いとなると、従来のやり方が有効かはわかりませんね。
子供を拉致する方法も、連中で試すのは危険過ぎますか」

P「それでも、ひたすら弱点を攻めるのが最善です。連中の知能の程度は量れませんでしたが、
通常のゆきぽと同じかまたはそれ以下かと。好物をそこに置けば、警戒せずに飛びつきます」

駆除士「毒入りたくあんの出番ですか?」

P「それも好物ですがお茶の方が、大量かつ確実に摂取させられるでしょう」

駆除士「お茶。毒入りのお茶ということですか」

P「野生であるゆきぽにとって、お茶は滅多に得られない好物です。茶畑が近くにあったとしても、
自分達で加工などできるはずもないですし。遺伝子操作でも、本能までは取り除かれていません。
お茶を見れば、奴らは絶対に群がってきます」

駆除士「そうか。それにお茶はたくあんと違って、すぐに飲まなければいけない――」

P「そう。煎りたてのお茶は、日持ちしない飲み物ですからね。奴らが知ってるかはわかりませんが」

律子「軽トラックに、お茶を入れたポリタンクを積む予定です。毒を入れるわけですから、
さすがに給水車はレンタルできません」

駆除士「ゆきぽには、そこからセルフで汲み取ってもらう計算ですね」

P「思う存分飲んでもらいましょう。耐性がついていたとしても、多量に摂取させれば効果はあるはずです」

律子「すべてのゆきぽに毒が行き届くかはわからないですが、弱ったところに総攻撃をかけます。
けど、ここでも慎重に始めます。まずガスでいぶしてから、連中を叩きます」

駆除士「バルサンですか? かなりの広範囲に渡って使うことになりますよ?」

P「惜しんではいられません。ただ、近づき過ぎるのも危険なので、設置型ではなく投擲型のガス弾を使います。
山火事のような煙が上がるでしょうが、その点も市民にはあらかじめ説明しておきます」

駆除士「毒入り茶、毒ガス、そして突撃。三段攻撃ですね」

P「大規模な駆除活動です。本当ならすぐにでも出動したいのですが――」

律子「明日までには無理です。装備品を整えるのに時間をください」

P「失敗しては元も子もないですからね。でもお急ぎでお願いします」



――決行日。

ブロロロ……

駆除士「今、お茶を積んだトラックが出発しました」

P「我々も後を追います。他の方々は、配置につくのはもうしばらく経ってからにしてください。
毒は遅効性のものですので、あまり早く攻撃するのは意味が無いです」

ザッザッ

律子「……大丈夫ですかね?」

P「運転手には、途中で車を降りたらすぐに戻ってくるよう指示してあります」

ザッザッ

駆除士「Pさん!」タタタタ

P「! 首尾の方は?」

駆除士「成功です。最初、警戒していたようですが、夢中でお茶に飛びついています」

P「近づいて見てみましょう」

ザッザッ

ゆきぽ「ぼぇ~♪」「ばぅー♪」「ぼぇ! ぼぇ!」「ぶぃ~♪」ゴキュゴキュ、クピクピ

P「飲んでる飲んでる。まるで砂糖にたかる蟻ですね」

律子「ほっこりする習性は残ってるみたいですね。なんか不気味ですが」

ゆきぽ「ぼぇ!」「ばぅばぅ!」ガヤガヤ

律子「カップやバケツに、お茶を移し入れてます。研究所に持ち帰る気でしょうか」

P「いいぞ。家族みんなで、お茶を飲み回せ」

ボエー、ブイー、バウー

P「一旦、我々も戻ります。時が来たら……行動します」


――二時間後。

P「装備品よし。出発」

ザッザッ

律子「……トラックの周りには、もう一匹もいませんね」

P「お茶の方は?」

駆除士「タンクはどれも空っぽです。飲み尽くしたか、すべて持ち帰ったようです」

P「頃合いです。施設一帯を囲ってください」

タタタタ

ゆきぽ「ぼ、ぼぉお!?」フラフラ

律子「! ゆきぽが!」

P「焦点が定まってないな。毒が効いてるぞ!」ブンッ

ゆきぽ「びぎぃ!?」ゴンッ

P「数匹のみ、サンプルとして生け捕りに。後はすべて始末だ!」

タタタタ

駆除士「――総員、配置につきました!」

P「駆除開始! ガス弾投擲!」

ポーン、ポーン……

ブシュウゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!

ゆきぽ「ぼぎゃあああああああ!?」「ぶいいいいいいいいい!!」「ぶぎぎぎぎぎぎぎぎ!!」

律子「まだ元気な個体が、残っていたみたいですね」

P「ここは念入りに。さらにお見舞いしてやりましょう」ポーイ

ブシュウゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!

ボギャー! ビギイイイ! バウウウウ!

P「マスクとゴーグルの装備を。施設内まで踏み込みます」

ダダダダ……

P「割れ窓や空いた穴に、ガス弾を放り込んでください」ポーイ

ブシュウゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!

ゆきぽ「ぼぇぇええええ!!」「びぎぃぁあああああ!!」「ぼぉぉぉおおおお!!」

P「飛び出してきましたね。後はいつも通りに、脳天を叩き割る!」ブンッ

ゆきぽ「ぼぎゃ!!」「ぶぎゅぅえ!!」「ぴぃぎゃ!?」ゴン、ガン、グシャ

ブギイー! ビギャー! ボギー!

律子「周りも順調のようです」

P「倉庫の方は任せましょう。我々は研究所に突入します」

ダダダダ……

ゆきぽ「ぼ、ぼぇ……」「ぶぃぃ……」「ぼ……」ブルブル

律子「お茶にガスにと、毒を吸い過ぎましたね。ほとんど動けてませんよ」ブンッ

P「それでも死んでいない。やはり耐性が強化されている」ブンッ

律子「ゴキブリを思い出します」ブンッ

ゆきぽ「ぼぎぃあ!!」「ぴぎゅぅ!!」「ぶげぇぇ!!」ガン、ゴン、ベチャ

ダダダダ……

駆除士「こっちは、すべて片づけました!」

P「一匹残らず駆除してください。隈なく探すように!」

ワーワー

P「まったく、手間がかかりますね。会社が施設に自爆装置でも付けてくれてたら、一掃できたのに」

律子「ゲームとは違いますって」

妊婦ゆきぽ「ぼ、ぼひゅ……ぼひゅ……」ガクガク

P「ん、待て。こいつは貴重なサンプルです」

ボ、ボエ! ボエエ・・・

律子「……床の穴から声が聞こえます。咄嗟に避難した連中ですかね」

P「ガス弾を。トンネルを作られて逃げられたら厄介です」

ブシュウゥゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!

ゆきぽ「ぼんぎゃああああああああ!!」「ぼぎぎぎぃぃぃぃぃ!!」

ボギャー! ブギギー! ビイヤー!

律子「上手くいきましたね。このゆきぽの群れは、統制が取れてませんでした」

P「リーダーがいてもおかしくありませんが、こいつらは個々の我が強過ぎます。
共食いしてたことからわかるように、グループとして機能してなかったんですよ」

ベビゆきぽ「ボ、ボエエ!?」ブルブル

律子「……子供が隅で震えてます。やるんですか?」

P「サンプル分は捕獲済みですから。始末しなければなりません。
駆除士の使命は害をなすぷちどるを、その肉の最後の一片までも絶滅すること」ナンマイダ

ボオエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!


――駆除完了。

ゆきぽ「「「「「「「「「「」」」」」」」」」」

律子「ゆきぽの死体が、山積みですね」

P「もうここで火葬してしまいましょう」

駆除士「確認しました。捕獲したものを除けば、生きているゆきぽは残っていません」

P「お疲れ様です。まあ探していたのは、ゆきぽだけではないんですが」

律子「新種についての研究資料ですか?」

P「持ち去られてましたね。当然ではありますが」

律子「……また同じような脅威に遭うかもしれないってことですね」

P「海外から大量に侵入されたりはしないでしょうが……気は抜けません。
でもどんな事態が起きても、我々のやるべきことに変わりはないです」

律子「ええ。駆除士ですから」


終わり

※キャラ変わってますが、アイマスでは律っちゃんが一番好きです


  • 最終更新:2014-02-20 15:13:52

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