あふぅとダメプロデューサー

事務所で何時ものように昼食をとろうとおにぎりを手にとる
その瞬間、「ナノー!」という耳障りな鳴き声と共に俺からおにぎりを奪いとるあふぅ
お前の分は別に用意してあっただろうが…。
軽く注意してみる。「ナノッ(`ε´)」 と露骨に不機嫌な声をあげさっさと別の部屋に行くあふぅ
ただでさえ少ない給料をお前たちの飯のためにいくら払ってると思っているんだ…
情けは人のためならず、これは説教が必要だ
あふぅを探して見る。

いた…。あふぅはあろうことかゆきぽの昼食のたくあんも奪おうとしていた。

「ぽええ~!ぽ~!」大好きなたくあんが盗られそうなゆきぽは必死であふぅを止めようとしている。しかし
「ナ~ノ!(`ε´)」ペシペシ
ゆきぽのお願いも効果は今ひとつのようだ、止めようとするゆきぽの頭を叩き、なんとか奪いとろうとする。
しかしゆきぽもたくあんを守ろうと必死になって腕に抱え込んでいる。 「ナノッ」チッ
流石のあふぅも諦めたのか、ゆきぽを叩くのを止め、ゆきぽから離れていく。

「ぽえ~」ホッ ゆきぽもあふぅが諦めたと思ったのだろう、ホッとした表情を浮かべ
「ぽええ~」イタダキマス
ニコニコとしながらたくあんをほおばろうとした瞬間、
「ナノ~!!」クラエ
あふぅはやかんに入っていた熱湯をおもいきりゆきぽに浴びせた

「ぽええ~~!?」アツイアツイ 頭から熱湯を浴びたゆきぽは身をよじらせながら悶えている。
「ナァ~ハッハッハ!!」 その様子を見てあふぅは可笑しくて仕方がないという様子でゆきぽを指を指して大笑いしている。
「ぽえ~!?ぽぉえ~!!」 よほど熱い湯をかけられたのかゆきぽは全身を真っ赤にして苦しんでいる。
ひとしきり大笑いした後、「ナノッ」ドカッ ゆきぽを蹴飛ばしたくあんを奪い取るあふぅ、そして
「ナ~ノッ♪」パクッ とびきりの笑顔でたくあんをまとめて一口

しかし、「ナノ…」 口に合わなかったのか、食べた途端に微妙な表情になるあふぅ
そして、「ナノッ」フンッ 再び不機嫌な顔になり、「しめじ」と書かれたダンボールに入り「ナァノ~」アフゥ
寝息をたてはじめた
残されたゆきぽは「ぷぃ~…」と一鳴きし涙目になっている。
驚異的な生命力を持つふちどるである、痛みは引いてきたのだろうが、大好きなたくあんを盗られたことか、そのたくあんを食べながらもあんな嫌な顔をされたことに傷付いたのか、次第に
「ぷぃ~ぷぃ~」床に顔を伏せて泣きはじめた。

完全に頭にきた
普段からないがしろにされつづけてきたPだったが、こういった卑劣なやり方を許すほど間抜けではない
「あふぅ!!!!」
事務所の外にまで聞こえるかのような大声で怒鳴りつける。
流石のあふぅも目が覚めたようだ、「ナァノ~?」寝ぼけ眼で何事か?といった顔でPの方を見る
Pは怒りに声を震わせながら
「お前、自分が何をしたか分かっているのか…!」とあふぅに語りかける

しかしあふぅは、
「…ナノ?」と何のこと?知らないよ?と言わんばかりの顔である。
Pは叫ぶかのような口調で、
「ゆきぽを見ろ!! あんなに悲しそうに泣いているだろ!ただ沢庵を盗られたことじゃない、同じ事務所の仲間だと思っていたお前にあんな目にあわされたことが悲しくて泣いているんだ!」
Pはありったけの怒りを言葉に込めた、ただあふぅに仲間を平気で傷つける奴になって欲しくないと

そんなPの親心もむなしく、
「ナ~ノッ ナノナノ」ハイハイ
効果は今ひとつのようだ、この態度を見てPは完全にキレていた
「このっ…!」バシッ 思わずあふぅを引っ張たいてしまった、口で言って分からないなら殴ってでもしつける、それが親の役目だ
そんなに強く殴ったわけではない、それでも人間がぷちどるを殴ればその衝撃はなかなかのものだ
「ナ…ノ?」 殴られた直後、あふぅは自分が何をされたのか分からなかった いつもアイドル達からは馬鹿にされ、自分も完全に見下していた人間が私を殴った…?

怒りと驚きと痛みが湧き上がってくる、殴った?自分を?こんなダメな大人が?
あふぅには反省なんて感情は微塵もなかった、盗られる方が悪い、弱いのが悪い、騙されるのが悪い、ふちどるは人間とは違う、野生動物としての思考がどうしても根元に存在しているのである。
あふぅは完全に頭にきていた、この人間、許さない…

「ただいま帰りました~…あれ?誰かいないの?」
玄関から律子の声が聞こえた。
そうだいいことを思いついた… あふぅはニヤリといたずらっ子の様な笑みを浮かべた後
「びゃー!!びぇー!!」オオナキ 大きな声で泣き始めた、嘘泣きならお手のものだ
「なになに?どうかしたの?」と律子が こちらに向かってきた、しめしめ…

「びえ~ん!!」 部屋に入ってきた律子の胸に飛び込む、今の自分はあくまで弱い生き物でなければならない
「ちょっ、ちょっとあふぅどうしたの?…ってあれ?」 あふぅの頬が赤くなっていることに気づく。
「今、あふぅは俺と話しているんだ、律子は出て行ってくれ…!」 興奮醒めやらぬPを見て律子は確信した
「まさか…あんたあふぅに手を出したんじゃないでしょうね!」
「びえ~ん!! びえ~!!」オオナキ

「こいつはゆきぽを傷つけた!一度痛い思いをしないと分からないんだよこいつは!」 大声でまくし立てるP
「…それはほんとなの?あふぅ」律子はあふぅを見るが
「びゃ~ん!!」ブンブン 涙を撒き散らしながら首を横にふるあふぅ
「…違うって言ってるようですけど?」
律子はPを冷たく見返す、あふぅは律子の胸の中で笑いをこらえることに必死だった、ここまで信用されてないなんて…

「だったらゆきぽに聞いてみればいい! 体中真っ赤にして泣いているんだ!」
騒ぎを聞きつけたのか、ゆきぽが部屋に入ってくる。熱湯のせいでまだ体は赤くなっている。
「ゆ、ゆきぽ!?それほんとにあふぅにやられちゃったの!?」
律子は信じられないといった様子でゆきぽを見ている
「ぽ、ぽぇ…」 優しく臆病なゆきぽはどう答えてよいのか分からず、もじもじとしている。そこにすかさず
「ナノッ…」ギロリ ゆきぽに睨みをきかせる、喋ったらただじゃおかないぞ、と

「ぽっぽいぃっ!」ゾクッ その睨みでゆきぽは凍りつく、こんな時の為に普段から自分の怖さはたっぷりと教えてある。
「ぽっ!ぽえぇ!ぽえ~!」バタバタ
手旗信号でわたわたと律子にサインを送るゆきぽ
「…これはお茶を淹れようとして転んで被ってしまった、Pはあふぅがはしゃいでうるさいといって殴っていた…と言っていますが、これはどういうことですか?」
…100点だよゆきぽ…これからはちょっとはいい思いもさせてあげる…
あふぅは相変わらず泣きじゃくりながら あまりにも思い通りの状況に優越感を感じていた

「ゆ、ゆきぽ何を言って…」 一転して劣勢に立たされたP、しかし彼の頭の中は自分が最も嫌う卑劣な行為をあろうことか仲間であるゆきぽ から受けたことに対する失望でいっぱいだった、なんで伝わらないんだよ…、あふぅはまだしもゆきぽにまで…
落胆してるPをよそに
「とにかく、この事は社長にも伝えておきます。ぷちとはいえうちの家族に手をあげるなんて…」
失望しているのは律子も同じだった、頼りなくても心優しい誠実な人だと思っていたのに…

数週間後、Pは事務所を去った 社長からは厳重注意で済んだものの、あふぅへの暴力行為はあっという間に事務所を広まり、ぷちたちはおろかアイドルたちも誰ともPと関わろうとしなかった
Pはこの一件で事務所での信頼と立場を無くしてしまっていたのだ
そして今日は新しいプロデューサーがやってくる日だ
「今日から働かせていただくことになった新Pというものです!よろしくお願いします!」
簡単な自己紹介の後、初日ということで事務所で歓迎会が開かれることになった
「そういえば気になってたんですけど、この小さい子たちはペットですか?珍しいですね」 Pが不思議そうにぷちたちを眺める
「ああ、この子たちはぷちどるって言うんです。かわいいでしょ?ほら、あんたたち挨拶しなさい」
「ポェー」「ナノッ」「クッ」「ウッウー」「ダゾッ」「ヤー」「モッ」


今日も765プロは平和な一日になりそうです




  • 最終更新:2014-02-20 17:02:40

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