あふぅの介護日誌

小鳥「じゃあプロデューサーさん、今日もお先に失礼します」

P「あ、お疲れ様です、気を付けて」

ふう。
今日も俺一人で残業デーだな。

765プロに勤め始めて早や5年。竜宮小町をはじめうちのアイドルたちの知名度もグングン上昇し、テレビに映画に雑誌にCDに、ひっきりなしに仕事が舞い込む。
すでに連続四日目の残業だ。
会社に泊まり込むことも今や珍しくもない。
それでもアイドルたちが俺を信じてついてきてくれるから、何とかやっていける。

あふぅ「はにぃ!」

P「あ、お前か、どうかしたか?」

そしてそう、こいつとも。

このあふぅも、俺が入社したときに亜美が拾ってきたぷちどるだ。
最初、ちょっとしたことですぐ怒り出しては暴れまわったり他のぷちどるをいじめたりするので手を焼いたが、それでも根気よく接していくうちに懐いてくれた。
性格的にもかなり大人しくなったし、暴れたりいじめたりするようなことはなくなった。
それでも時々ちょっとわがままを言ったりはするけれど。

あふぅ「はにぃ」

P「え?春香からもらったクッキーの缶がないって?
お前、あそこの机の引き出しに入れてたじゃないか」

あふぅ「はにぃ?」

どうやら覚えてないらしい。
変なヤツ、食い物の在処を忘れるなんて珍しいな。

P「ほら、これだろ?」ガララッ

あふぅ「はにぃ!はにぃ~♪」

俺がクッキー缶を手渡すと、喜んでクッキーを取り出し食べ始めるあふぅ。
一件落着。

P「やれやれ、食い過ぎるんじゃないぞ?」

あふぅ「はにぃ!」

さて、俺は応接室のソファで寝るとするか。
風呂はまた朝に銭湯に行かなきゃな・・・。



あふぅ「zzz・・・は・・・に・・・」

深夜、あふぅは突然目覚めた。
プロデューサーも他のぷちどるもとっくに寝ている。

あふぅ「・・・はにぃ?」キョロキョロ

あふぅは寝床のソファから体を起こすと、突然キョロキョロし始める。

あふぅ「はにぃ?!はにぃぃぃぃ!!」

ここはどこ?!
なんで私ここにいるの?!

あふぅ「・・・はに」ホッ

しかし、しばらくすると思い出したらしい。
何だ、いつもの事務所じゃない。

あふぅ「あ・・・ふぅ・・・zzz」

そしてまた眠りに就いた。


翌日

P「ハイ、ハイ、ありがとうございます・・・。
ではそういうことで、ハイ、よろしくお願いいたします・・・失礼します」ガチャ

律子「あ、プロデューサー、どうでした?」

P「ああ、雪歩のグラビア撮影、今回も際どいのはなしだ」

雪歩「ありがとうございます~、良かったです」

P「ああ、だからしっかりやれよ?」

雪歩「ハイっ!」

雪歩はどうしても異性の前で際どい衣装や水着を着て撮影をするのに抵抗がある。
とはいえ、雪歩のファンの間でもその手の路線を求めてきているのも事実。
哀しいが、やはり芸能界の熾烈なアイドル戦国時代を生き残るには、こういった仕事もしなければいけない。
そろそろ雪歩にもオトナになってもらわないといけないな。
勿論俺も、仕事だから仕方なくやってもらうのであって、雪歩には本当は歌などまっとうな路線で頑張ってほしいのが本音だ。

P「そろそろ昼だな、ぷちに飯をやらんと」

今ぷちどるたちは、仕事中のちっちゃんとぴよぴよを除き、応接室と給湯室にいる。
仕事の邪魔にならないよう、ちっちゃんがそうさせているのだ。
俺はおにぎりとパンなどを持って、ぷちにご飯をあげようとする。

P「おーい、みんなご飯だぞー」

はるかさん「ヴぁーい」

やよ「うっうー」

たかにゃ『感謝』シジョ

ちひゃー「くぅぅ♪」

P「はいはい、ちゃんといただきますするんだぞ?」

さて、給湯室組だな。

P「おーい、お前らー・・・ん?!!」

いお「・・・も、もっ!」

こあみこまみ「とかぁ、ちぃぃ!」

ゆきぽ「ぽええっ!><」

ちびき「だぞぉ!」

俺がそこで見たのは、あふぅを取り囲んで何やら騒いでいるぷち達。


そして、髪の毛が白くなっているあふぅだった。

あふぅ「はにぃ?」

髪型は、あの発情期のハート型のアホ毛。
しかし茶髪ではなく、確実に白髪だった。
そして本人は全く気付いてない。

P「おい・・・いったいどうしちまったんだ・・・?」

あふぅ「はにぃ?」

P「ほら、鏡見てみな」

あふぅ「Σはにぃ?!」

本人もびっくりしている。
そりゃそうだ、一夜にして、いや数時間でこんな髪が変化するなんて。

P「もしかして、お前にも『老い』ってものがあるのかな」

あふぅ「はにぃ?」

P「・・・まあ分からないよな」

おまけに、よく顔を近づけてみると、顔には小じわみたいなものまである。

しかし、何とも意外だった。
犬は十歳を超えれば人間の六十歳代の老人と同等だというし、ぷちどるもそんなものなのかもしれない。
ましてやあふぅは最古参だからな。

P「でも・・・だとするとゆきぽだって・・・」

ゆきぽ「ぽえっ?」

ちなみにゆきぽは二番目に長く住んでいるぷちどる。今年で四年になる。
しかし、こっちはそんな肉体の変化は見られない。

だが、考えてみれば、こいつらはもともと野生で暮らしていたのだ。
産まれた年齢の違いとかもあるかもしれないな。
俺はそう勝手に解釈した。

P「ま、いいや、とりあえず飯食え」

あふぅ「はにぃ!」

いお「・・・も」

ゆきぽ「・・・ぽえ」

こあみこまみ「・・・とか、ち」

ちびき「・・・だぞ」

・・・みんなあふぅを気味悪がっている。
ムリもないか・・・。


翌日 夕方

P「ただいま戻りました」

小鳥「・・・あ、プロデューサーさん。
ちょっといいですか?」

P「はい?」

音無さんが、何やら困惑顔で帰ったばかりの俺を呼ぶ。
まさかまたあふぅのことか?
老化現象のことは既に皆に説明してあった。まだ何か・・・?

小鳥「・・・その、あふぅちゃんがおかしいんです」

P「へ?」


話はこうだ。
今日は朝から俺が出張で出かけていたので、事務所には音無さん、そしてぷちどるが留守番していた。
お昼近くなって、突然あふぅが買い物に行きたいと言い出した。

小鳥(じゃあ、一緒に行きましょうか)

あふぅ(はにぃ?ナノナノナノ!!)

小鳥(・・・え?何度も行ったことあるスーパーだから、ひとりで大丈夫?
でも危ないわよ、せめてちっちゃんかぴよぴよを・・・)

あふぅ(はにぃ!!)

小鳥(・・・わ、分かったわ、じゃあお金あげるから気を付けて・・・)

あふぅ(はにぃ)


しかし、音無さんの不安は的中した。
徒歩十分のスーパーなのだが、四時間しても帰ってこない。
さすがに心配して、音無さんはやよやみうらさんと探しに行ったらしい。

そして、捜索開始から一時間後。

みうらさん(あら!あら!)

小鳥(あ!あふぅちゃん・・・)


あふぅ(はにぃ;;)

なんとあふぅは、徒歩で一時間近くかかるショッピングモールで発見された。
決して行けない距離ではないにせよ、一体どう道を間違えたらここに行き着くのか分からない、と音無さんは言った。

P「・・・」

小鳥「・・・あふぅちゃんも、何度も近所のスーパーにはお使いに行ってますから・・・。
流石に迷わないだろうって、油断しちゃって・・・」

P「いえ、音無さんのせいじゃないですよ。
今度から、出かけるときは絶対ちっちゃんとぴよぴよを同行させないと・・・」


・・・いよいよヤバいことになってきた。
そういえばこの前も、自分で隠した(俺は見てたけど)お菓子の在処を完全に忘れていたりしたな。
まだあふぅが大分やんちゃだったとき、悪さをしたことを問い詰めたら、本人は「忘れた」って言ったが、あれとはもう別次元だ。
「フリ」ではなく、本当に思い出せていないのだ。

認知症。

あふぅは確実にそうなっている。

P(このままいけば・・・あふぅは・・・)

あふぅ「はにぃ?」

既に迷子になったことなどケロリと忘れ、ソファで寝そべっているあふぅ。


しかし、まだまだ序の口。
認知症の恐ろしさは、こんなもので済むわけないということだ。


翌日

亜美「今日ヒマだねー、トランプでもする?」

真美「だねー、ババ抜きやろっか」

今日は双子はレッスンのみで終わり。
しかし家に帰ってもやることがないので事務所に居ついている。

亜美「ねーあふぅ!トランプしようよー」

あふぅ「・・・はにぃ?」

ソファでゴロゴロしていたあふぅ。
寝ていたわけではないらしい。昼におにぎりを食べたあと、ずっとこの調子だ。

亜美「ほーら、寝てばっかりだと牛になっちゃうぞー」グイッ

あふぅ「Σはにぃ?!はにはにはにっ!!#」ジタバタ

亜美「あはは、どうしたのさー」

亜美は嫌がるあふぅを無視し、そのままテーブルに座らせる。

真美「んじゃ、あふぅからやりなよ」

真美がトランプをあふぅに取らせようとする。
しかし、

あふぅ「はにぃ?はにぃ?」パラパラ

あふぅはトランプの束をめくっているだけで、自分の分を取ろうとしない。
そもそもトランプがなんなのか、分かっていないようだ。

亜美「どったのー?早く取りなよ」

あふぅ「・・・はにぃ!」ポイッ

パラパラパラ

真美「あっあふぅ!何するのさ!!トランプ床に全部落ちちゃったじゃん!!!」

あふぅ「はにぃ!」ピョーーン

あふぅは真美を無視してジャンプ、ゆきぽの寝床のダンボール箱へ。

ゆきぽ「Σぽえっ!?」

昼寝中だったゆきぽは仰天した。

あふぅ「Σはにっ!?!ナァーーーー!!!#」

しかし、それはあふぅも同じだったようで、アンタ誰?!出てってよ!!と言わんばかりにゆきぽを威嚇する。

ゆきぽ「ぽぇーーーーん!;;」

ゆきぽは慌てて段ボールから逃げ出した。

亜美「コーラー、あふぅゆきぽをいじめちゃダメじゃ・・・」

あふぅ「zzz」

亜美は慌てて叱りつけようとする。
だが当のあふぅは、とっくに寝てしまっていた。

亜美真美「・・・・」

二人は茫然とするほかなかった。


数時間後

P「・・・そうか・・・」

亜美「ヘンだよー、今までフツーにババ抜きやってたのに!」

俺はまた外回りで留守にしていたが、今二人から事情を聴いていた。

物忘れの次は、鬱に、他人に攻撃的になり。
どんどん病状が悪くなっている。

P「かといって、医者に診せるなんてできるわけも・・・」チラッ

俺はふと、あふぅに目をやる。

あふぅ「・・・・」ゴロゴロ

すでに段ボール箱から出てソファでゴロゴロしていたが、どこか目が虚ろだ。
口もだらしなく開いたまま。
寝たきり老人のそれに近くなっている。

真美「・・・それで兄ちゃん、あふぅどうすんの?」

P「・・・今はそっとしといてやれ」

亜美真美「・・・」

ホントに何をしでかすかわからない。
これでは事務所へやってきたときに逆戻りだ。

P「・・・しばらくは、泊まって様子を見るしかないな」



あふぅ「zzz・・・はにぃ?」

プロデューサーもぷちも皆が寝静まった夜、またあふぅは一人目覚めた。

あふぅ「はにぃ?!!!!はにぃ?!!?!!!」キョロキョロ

また、自分がどこにいるのか、すっかり忘れてしまっているらしい。

ここはどこ?!
なんでここにいるの!!?!

そしてあふぅはキョロキョロしているうちに、周りを小さな生き物に囲まれていると気づいた。

ちっちゃん「zzz」

ぴよぴよ「zzz」

まこちー「zzz」

みうらさん「zzz」

はるかさん「zzz」


あふぅ「はにぃぃぃぃぃ?!!!!!!!!!!」

これはプロデューサーが、万が一あふぅが夜中に騒ぎ出したら、取り押さえて諌めさせるために、ぷちどるであふぅを囲ったのだ。
しかし、あふぅは最早お仲間を覚えておらず。


・・・きっと私を、こいつらでみんな食う気なんだ!!

あふぅ「はにぃぃっ!!!!」ピョーーーン

ぷち達「!!!!」パチッ

あふぅがジャンプしてテーブルから床へ。
途端、周りのぷちも気づいた。

はるかさん「かっかー!!><」

ちっちゃん「めっ!めっ!!」

まこちー「まーきょ!」

慌ててあふぅを取り押さえようとする面々。
しかしあふぅは既に事務所の入り口へと駆け出していた。

P「・・・何があった!?!」

プロデューサーも目覚め、ぷち達の元へ駆けつける。

あふぅ「はにっはにぃ!」ガリガリガリ

あふぅは事務所のドアへと着く。
当然ながら開け方が分からず、手の爪で引っかいていた。

ちっちゃん「めっ!」

ちっちゃんが駆け寄る。
何してるの、早く戻ってきなさい!

しかし。

あふぅ「・・・はにぃぃぃいぃ!?!!!!」

この時、ちっちゃんが万が一のためにと手にしていたハリセンに、あふぅが気づいた。


・・・やっぱり・・・。

こいつら、私を殺す気だ!!!

あふぅ「はにぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!#」ダッ

ちっちゃん「めっ?!!!」

あふぅは突然、顔を真っ赤にしてちっちゃんへと飛び掛かる。
流石のちっちゃんも身の危険を感じたのか、

ちっちゃん「めっ!><」バシィッ

あふぅ「んばに゛ぃ?!」

顔をそむけると同時に、うっかりハリセンを大きく振り。
それが偶然あふぅに命中してしまった。

P(・・・マズい!)

しかし、

あふぅ「ばに゛っ!?!!」ゴッチン

吹っ飛んだあふぅは、思い切り壁に激突。

あふぅ「・・・」

それきり気絶してしまった。

P「ああ・・・」

ちっちゃん「めっ・・・」

ちっちゃんが申し訳なさそうにする。
仕方ないことだが・・・翌日は大変なことになるかもしれない。

P(・・・・)


翌朝

P「・・・みんな、おはよう」

ぷち達「・・・・」

・・・マズいな。
俺はぷち達、特にちっちゃんが不安そうにしているのを感じ取った。

あふぅは昨日、自分がどうしてここにいるのかも、周りのぷちのこともすっかり忘れてしまった。
とうとう事務所から脱走しようとまでした。
その際、取り押さえようとしたちっちゃんに襲い掛かり、ちっちゃんが慌ててハリセンで吹っ飛ばしてしまった。

本当にマズい。
これであふぅは俺たちを完全に敵と認識しただろう。
間違いなくちっちゃんにはあふぅの怒りの矛先が向けられるに違いない。
ボケる前こそ大人しくなっていたものの、それこそ事務所に来たばかりのころはふとしたことで暴れまわったりしていたのだ。
どんな被害に遭うかは容易に想像できる。

P「・・・やむを得ないな」

監禁。
鉄格子のペット用檻に、そっとあふぅを入れる。
檻は鎖で壁につなぎ、粘着テープで床に固定しておいた。

あふぅ「・・・はぁ・・・に・・・?」

目覚めたか・・・。さあ、どうくるか。

あふぅ「Σはにっ!!?!!?!!!?!!!!!!」キョロキョロ

やっぱり辺りをキョロキョロ見回す。
檻に入れられていることもすぐ気づいた。

そして、その檻の周りで、暗い表情を浮かべている俺たちの存在にも。

あふぅ「はにっ!!?!!
はにぃぃ~~~~~ぃ!!!!!!!!!!!!;;」


・・・泣き叫んでいる。
暴れるのではなく。

もう檻にまで入れられてしまっては、助からないとでも思ったのだろうか。
このまま殺されるとでも。

あふぅ「はにぃ!!!!!!;;はにぃ~~~~~!!!!!!!!!!!!!;;」

泣き叫び続けるあふぅ。
よく見ると、どんどん頭から白髪が抜け落ちている。
顔のシワも増え、深くなっている。

P「・・・みんな、一旦離れよう。
ここはしばらく立ち入り禁止だ」

ぷち達「・・・」コクリ

俺たちはとりあえず、檻の放置してある応接室を出た。


数時間後 正午

P「はあ、そうですか・・・引き取れないと・・・。
分かりました、ありがとうございます・・・」ガチャ

律子「・・・ダメ、ですか」

P「ああ・・・。
そんな得体の知れない生き物、無理だってさ」

勿論電話先は保健所。
ああなってしまっては、もう生かしておくのだってあふぅには苦痛だろう。
楽に逝かせるしかないのが唯一の選択肢なのだが、保健所からは門前払いだった。

P「このぶんじゃ、きっと動物病院だってダメだろうな・・・。
そもそもペットの安楽死なんてやってくれるかどうか」

小鳥「・・・」

あふぅ<・・・はぁ~に~ぃぃぃぃぃぃ!!!!;;

まだ応接室からは、あふぅの泣き叫ぶ声が聞こえる。
あの後数分くらい泣き続け、疲れて眠ってしまったのだが、起きるとまたアレだ。

認知症患者をああやって拘束するのがいけないのは、俺も知っている。
ただ今のあふぅは、知性を失った獣と同じ。
解き放てば何をするか分からない。

P「・・・今日、俺が責任をもって、あふぅを処分する」

小鳥「・・・本気ですか?いったいどうやって・・・」

P「・・・仕方ありません。
夜、みんながいなくなったら・・・」


深夜

P「・・・」コツコツ

あふぅ「zzz」

事務所から皆がいなくなった。
俺は行動を開始する。

ガチャン

あふぅ「zzz」

あふぅをそっと檻から出してやった。
日中あれだけ泣き叫んでいたのだ、熟睡しているな。

あふぅはもう、完全に老婆そのものだった。
頭にはほとんど白髪が残っていない。
顔は梅干しのようにしわくちゃ、手足も然り。
だらしなく開いた口の中を見て見ると、何本か歯がない。
檻を覗くと、抜け落ちた歯があった。
ついでに、糞尿も。もう一度あふぅを見ると、スカートの尻が茶色く汚れている。
排泄もきちんとできなくなってしまった。
たった数日の間に。

応接室のソファにあふぅをそっと置く。
そして、その隣にバルサンを設置した。

P「さよなら・・・あふぅ」

そして俺は事務所を後にした。

シューーーーッ!!!

あふぅ「・・・は・・・に・・・?」

バルサンがすぐに噴射を始める。
ちなみに水を入れるタイプだった。
八分間煙を噴射するため、これならあふぅも耐えられないだろう、ということだった。

あふぅ「は゛ぁ゛に゛っ゛!?!!?!・・・ゲホっゴホエッ!!!!!」

あふぅは突如、脇に置かれた缶からの白い煙に咳き込む。
しかし、ただ恐怖で震えるだけで、逃げることはできない。

あふぅ「は゛ぁ゛に゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!!!!!!!;;
びゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!;;」

あふぅはひたすら泣き叫ぶ。
勿論、プロデューサーもぷちどるもいない事務所で、あふぅを助ける者はいない。
煙は弱くなりつつも、確実に缶から噴き出し続けていた。

そして。

あふぅ「!?!!!・・・・・・は゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!?!!?!!!!」

この時、あふぅは幻覚を見た。
いないはずのプロデューサー、アイドルたち、ぷちどるが、自分に近づいてきている。
ニタニタ笑いながら。

春香(あふぅちゃん、死神さんですよ死神さん!!^^)

P(さぁあふぅ、小便は済ませたか?
神様にお祈りは?
部屋の隅でガタガタ震える準備はオーケー?^^)

ゆきぽ(ぽえ~っ!^^)スコップデ ブンナグッテミセラア


あふぅ「・・・・・・・・・・・は゛ぁ゛に゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ピョォォォォォン

あふぅは絶叫する。
断末魔の絶叫を。

そして、最後の力を振り絞ってジャンプした。
窓へ向かって。


ガッシャーーーーーーン!!!!!!!!!

あふぅ「Σ?!!!」

その時、なんと窓ガラスが大破し、あふぅは事務所の外へと放り出された。

ヒュ~ン・・・
あふぅ「・・・・・!;;」

落下しながら、あふぅは声も発することができず。
ただ大粒の涙を流し。


・・・グチャ

あふぅ「」

思い切り、頭を地面に叩きつけ、脳漿をあたりに飛び散らせた。


翌朝

P「・・・!
・・・これは・・・」

俺は早朝出勤すると、ビルの手前に信じられないものを見た。
脳みそをあたりに撒き散らしたあふぅの死体が、歩道に野ざらしになっていたのだ。

俺は見上げると、あの応接室の窓ガラスが割れていることに気付く。
自力で脱出したはいいが、二階から頭から飛び降りたんでは助からないだろう。

P(・・・)

仕方がない。
俺はあふぅの遺体を回収すべく、慌てて事務所へ道具を取りに向かった。

あふぅの介護日誌 完

  • 最終更新:2014-02-20 22:17:50

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