たかにゃの大食いイリュージョン
※某サーカス団の公演にて
たかにゃ「しじょじょじょじょ!」ズルズルズル
P(司会)「ご覧ください、20人分のラーメンが胃袋に消えてゆきます!」
ワーワー、スゲー、ピューピュー
P「お次は巨大お好み焼き! 換算して30人前にはなります!」
たかにゃ「しじょー!」ガツガツガツ
トンカツ30マイ! コロッケ30コ! ギョーザ30ニンマエ! シジョー!!
このサーカス団では、ぷちどるを扱う曲芸で人気を呼んでいます。
ぷちにもそれぞれに役割があり、たかにゃは大食いショー担当です……。
――終演後
律子「お疲れさまでしたー」
たかにゃ「『腹六分』」
真「まだ食べられるみたいですよ。量を増やしてあげましょうか?」
P「しかし、ただ食べるだけじゃ芸がないよな。いつか飽きられる」
食費だってバカになりません。たかにゃ用の飯は、期限切れ間近の値下がり品や、
み〇りフーズから横流ししてもらった廃棄食品がほとんどですが。
律子「ゲテモノ料理を食べてみる、ってのはどうでしょう?」
P「見世物にするなら相当インパクトがないとな。ウジ虫まみれのチーズ、
タコ(丸ごと)の踊り食い、やよの活け造り。どれを試したい?」
たかにゃ「しじょっ!? 『無理』」ブンブン
真「あんまりエグいと、お客さんも引いちゃいますよ」
P「じゃあ、臭い食べ物を平らげてみせるとか」シュールストレミング
たかにゃ「しじょ~! 『拒否』」イヤイヤ
真「客席にまで被害が及びそうな……」
P「おいおい、あれも嫌これも嫌じゃ、おまえの仕事なくなっちまうぞ?
うちには悪食のはるかさんもいるんだからな。代わりになる」
はるかさん「かっか?」
律子「ダメですよ。はるかさんには別の仕事があるんですから。働かせ過ぎです」
P「なら……激辛料理はどうだ? 辛い食べ物に挑戦する」
たかにゃ「しじょ! 『承諾』」
それならできそうです。たかにゃも仕事を失いたくありません。
用済みのぷちは、いつ虐待用に回されるかわからないのです。
P「明日から特訓するぞ。ちゃんと辛い物への耐性をつけなきゃな」
次の日
P「まずは小手調べ……暴君ハバネロからだ」
たかにゃ「しじょしじょ! 『余裕』」パリポリ
P「おまえの好きなラーメンだぞ。中本の北極ラーメン辛さ2倍」
たかにゃ「しじょじょじょ……『我慢』」ズルズル
P「次は辛さ10倍……」
たかにゃ「し、しじょぉぉお……『悪寒』」ブルブル
P「おっと、水飲むのは禁止な。これ飲め、沖縄のコーレーグース」
たかにゃ「し、ビャ~~~~~っ!!」
P「泣きが入るのが早いんだよ! ほら次、四川の地獄麻婆豆腐」
たかにゃ「ビャ~~~! ビャ~~~っ!! 『激辛(げきつら)』
サッサトクエ! ビャーッ!!
こうして、味覚破壊という名の訓練は繰り返されてゆきました。
それからサーカス団は、次の公演日を迎えます。
ワイワイ、ガヤガヤ
P「よし、出番だ。特訓の成果を見せる時だぞ」
たかにゃ「しじょっ! 『万全』」
新しくなった、たかにゃの大食いイリュージョンです。
たかにゃだけではなく、PもPで舞台用の演出を練っていました。
本番時。
たかにゃ「しじょじょじょじょ!」バクバクバク
P(司会)「アンパン30個早食い! けれどもこんなのは序の口です。
甘い物の次は辛い物。30人分の激辛カレーライスを食してみせます!」
ジャジャーン
P「このままでもじゅうぶん辛いのですが、ここへさらに激辛調味料を足します!
辛さは世界屈指の『デスソース』シリーズの一つ、『メガデスソース』です!」
ドボドボドボ……
P「これを数本分、カレーに混ぜてこねくり回しておきます。
しかしいくら口で辛いといっても、お客さまには伝わりにくいでしょう。
そこで実食前に、ここにいるやよにその辛さを体験してもらいます」
やよ「うっう~?」ζ*゚0゚)ζ
P「ほーら、おいしいカレーだぞ。おまえ用に小分けしておいたからな」 つ
やよ「うっうー♪」ζ*○゚3^○)ζ パクパク
P「あーあ、そんな意地汚く頬張ったら……」
やよ「う!? うううううう゛う゛う゛!!」ζil ゚p゚)ζ
P「辛さが襲いかかってきました。いや、辛さというか苦味と痛みですね」
やよ「ぅぅううっうう゛う゛う゛!! ぅう゛ぅぅぅぅぅう!!」::ζli 。p゚)ζ::
P「口から胃にかけて激痛が走っているようですね。皆さんは絶対真似しないでください。
辛さを表す単位をスコヴィルといいますが、タバスコが約2500スコヴィルなのに対し、
メガデスソースは77万スコヴィルだとか。驚くほどの戦闘力の差です」
やよ「ぇう゛う゛う゛う゛!!」::ζ*゙Q゙)ζ::
P「さて、辛さがおわかりいただけたかと思います。いよいよ、たかにゃの挑戦です!
激辛カレーライスのメガデスソースがけ、準備はOK?」
たかにゃ「しじょっ!」ソーファー、ソーグッド・・・ソーホワット!
バッ、ムシャムシャムシャ……
たかにゃ「しじょじょじょじょっ!!」ドドドド
P「止まらない止まらない! カレーが見る見るうちに減ってゆきます!」
たかにゃ「しじょっ! 『楽勝』」
ワーワー、オー、ヤッター
P「クリア! だがこれからが本当の地獄。激辛料理はまだまだ続きます。
取り出したるはブート・ジョロキア! 戦闘力100万スコヴィルのトウガラシ!
料理はこれをふんだんに使った、30人分の特製麻婆豆腐です!」
グツグツグツ……
P「さて私は、保護用のゴーグルとマスクを着けさせてもらいます。
前列のお客さまも、ご注意を。湯気だけで目に沁みる辛さです」カチャ
やよ「うぅ……」ζil ゙o゙)ζ
P「どの程度のものか、またこいつで測ってみましょう。ほら、香りを嗅いでみろ」
やよ「うう゛ぅ! ぇう゛う゛う゛う゛!!」::ζil 。p゚)ζ::
P「汗ダラダラで震えています。もう毒ガスと言っていいレベルですね。
一口放り込んでみましょう。おら、食え!」グイッ
やよ「う゛っ!? うぴぃやぁあああああああっ!!::ζil ゙Q。)ζ::
P「食べ物で苦しんでるとは思えない叫びですね。はたして、これを食せるのか。
たかにゃの第二ラウンドが始まります!」
たかにゃ「しじょっ!」バッ
ガツガツムシャムシャ……
たかにゃ「し~じょぉおおおおおおっ!!」ズドドド
P「スピードが落ちない! 極力味わわないように流し込んでも、
体内でトウガラシが爆発するのですが、たかにゃは胃袋も鋼鉄製です!」
たかにゃ「しじょっ! 『完食』」
ワーワー、イイゾー、モットヤレー
P「クリア! もうチマチマ辛さを上げていっても埒があきません。
ドカンと段階をすっ飛ばしましょう。最凶の調味料の登場です!」バーン
「ザ・ソース(THE SOURCE)」
P「辛さ710万スコヴィル! 一気にフリーザ最終形態クラス!
催涙ガスをも凌駕する、液状調味料としては世界最強の辛さを誇るソースです!」
やよ「う゛……ぅ……」::ζil。q゚)ζ:: ゼエゼエ
P「こいつに、死ぬ前にもう一働きしてもらいます。このソースはどのぐらい刺激的なのか。
スポイトで吸って、両目に注入してみましょう。プシュッとな」チュッ
やよ「う゛っ!? うっうぅあああああああああああっ!?!?」::ζ*l。p*)ζ::
P「網膜が焼けついているようです。このレベルになると、マジで失明します。
皮膚に触れただけで火傷を起こすとも言いますから、粘膜ではなお更でしょう」
やよ「うぅぅぅぅぅぅう!! ぅぁあああああっ!!」::ζ**Q`)ζ::
P「今度はケツに、ソースを塗りたくった割り箸を突っ込んでみます」
ズボッ!!
やよ「うぅう゛!? うっ、ぴゃぁあああああああああああっ!?!?」::ζli*'Q`)ζ::
P「友情出演で、ついでにゆきぽも」グイッ
ゆきぽ「ぽっ、ぽぇえ!?」
P「ソースを、こいつの尻尾にたっぷり塗りたくってみます」ヌリヌリ
ゆきぽ「ぽっ!? ……ぽぉああああああああああああっ!!」
P「いや、はっきりとした火傷はできてませんが、沁み渡るような激痛が襲っているようです」
ゆきぽ「ぽああんっ!! ぽああんっ!!」スッ
ザシュッ、ブチン!!
ゆきぽ「ぽぎぃっ!! ぽぇっ、ぽぇぇ……」ピクピク
P「スコップで、自分の尻尾を切り落としました。痛風の例えを思い出しますね。
傷口に塗ってみたら……まあ死ぬでしょうね」
ポエエ・・・ ウウウアアアアアアッ!!
P「もはや兵器とも言えるこのソース。用意しました50人分の焼きそばに、
数本分ぶち込んでとどめといきます」
ドボドボ、ドロドロ……
P「完成です、死の焼きそば! さあ食え!」
やよ「うっう゛ぅ!? うっう、ううぁああああああ!!」::ζ*゙;Q゙)ζ:: ゲー
P「すでに致死量分、ソースがかかっています。こいつの最後の晩餐ですね」
やよ「う゛う゛っ!! う゛っ! うっ! うっ……」::ζ*゙'Qll)ζ:: ビクンビクン
P「排泄物垂れ流しで痙攣を始めました。こんなの市販できませんね。
購入に手続きが必要とか、危険物とほとんど変わらない」
やよ「っ……!!」::ζil`゙pll)ζ:: ビクンッ
P「虐待ショーになってしまいましたが、主役はあくまでたかにゃです。
その胃袋は、鉄をも溶かしそうな劇物を収めることができるのか!? 挑戦です!」
たかにゃ「しじょっ!」バッ
ズルズルムシャムシャ……
たかにゃ「し、しじょ……しじょ、しじょ……」ゴホゴホ
P「苦しそうにむせています! それでも手を動かし続ける!」
たかにゃ「しじょぉおおおおおおおっ!!」ズゾゾゾ
ダンッ!
たかにゃ「しじょっ! 『辛勝』」
P「見事クリア! 完食でフィニッシュです!」
ワーワー、スゴイゾー、パチパチパチ
たかにゃ「しじょ~♪ 『腹六分』」
努力の甲斐あって、たかにゃの大食いイリュージョンは人気の催し物となったのでした。
やよ「」ζil`゙pll)ζ
終わり
- 最終更新:2017-10-09 10:58:18