とある公園の無邪気な子供達「散歩」
今日も獲物を探す子供達。のんきに暮らす公園のぷち達でしたが、今日はよそ者がいたようです。
あふぅ「ナノー♪」
街の方から流れてきたあふぅです。
(ピョコピョコ)
あふぅの髪の毛に必死にしがみついている子あふぅ達
子あふぅ「ナー >_<」(シッカリ)
母あふぅは子供を気にしていませんが、子あふぅ達は母親から離れたくないので全力でつかまっています。
子供「おい!あれにしようぜ」
子供「あふぅ親子か・・・よし、散歩だな」
子供「子あふぅはどうする?」
子供「的当てだろ。」
作戦が決まったようです。
まずは獲物を捕まえる必要があるのですが、あふぅの場合は簡単です
子供「ほーら、おにぎりだぞー」
あふぅ「Σナッ!」オニギリ!
(ダダダダ)全力で駆けつけてくるあふぅ。子あふぅは必死に髪の毛を掴んで振り落とされないようにピョコピョコぶら下がっています。
あふぅ「ナノッ!」(ピョーン)
子供の手からオニギリを奪うとすぐさまめっしめっしと頬張ります
あふぅ「ナノ♪ナノ~♪」^_^
大好きなオニギリを食べて幸せ一杯のあふぅ。満面の笑みです。
・・・その後ろに迫り来る影に気づかずに・・・
忍び寄った子供の1人が手にした鎖付きの首輪を手早くあふぅにつけました。素晴らしき早業です。
子供「確保~♪」
あふぅ「Σナッ!」ナンダ!
幸せなオニギリタイムを邪魔した上に不快な首輪までつけられてあふぅは怒り心頭です。
あふぅ「ナノッ!ナノーッ!」ナンダコレ!ハズセ!
(ジタバタ)
なんとか首輪を外そうともがきますが、そう簡単には外れません。
(ガジガジ)
今度は鎖を噛みちぎろうとしますが、文字通り歯が立ちません。
あふぅ「ビエーッ!ビエーッ!」
(チラッチラッ)
あふぅは嘘泣きして子供達の反応をチラ見します。
(ほら、あふぅ可哀想でしょ?こんな事していいの?早く外して。そしてもっとオニギリちょうだい!)
都合の良いアピールをしていますがぷち虐めのプロ(?)である子供達には全く通用しません。
子供「さて、まずは子あふぅをひっぺがしますか」
子供の1人が嘘泣きしているあふぅに近づき、子あふぅ達をチェックします。皆、泣いている親を見て不安になっているのかプルプル震えています。
子あふぅ「ナー ; ; 」コワイ
子あふぅ「ナノ ; ; 」オカアサン
子あふぅ「~ >_<」(プルプル)
皆怯え切っています。その一匹一匹に順番にデコピン・・・というよりおでこをチョイとつついてやります。
子あふぅ「ナッ!」(コロン)
子あふぅ「ニャ!」(コロン)
子あふぅ「ノ~ ; ; 」(コロン)
コロコロと転がされて母あふぅから離されてナーナー泣いています・・・さあ、まずは散歩のはじまりです。
まず1人の子供かあふぅの鎖を持ってズルズル引きずりながら走り出します。
子供「オラッ!行くぞ!」
あふぅ「Σナッ!」
当然、鎖で繋がれているあふぅも走らざるをえません。
子あふぅ「ナッ!ナノー ; ; 」オカアサ~ン
子あふぅ「ニャノー ; ; 」オイテカナイデ
子あふぅ「ナーッ! ; ; 」マッテー
子あふぅ達も必死に母あふぅについて行こうと走り出します
しかし・・・
あふぅ「ナノー」(ダダダ)
走る速さはあふぅの方が速い。子供よりかなり早く走っています・・・さすがの無駄な機動力ですね。
(グイッ)
あふぅ「Σケフッ」グェッ
当然鎖で繋がれているのですから、いくら早くても子供から離れる事はできません。目に見える広場を一周する頃には子供の息があがりかけています
子供「はぁはぁ・・・流石にはやいなぁ」(棒)
そう、単純に走るだけならあふぅにかなわない事はわかっているのです
あふぅ「ハンッ」
速さが大した事無いと油断したあふぅふぅは子供の足元に近づきゲシゲシと足を蹴り始めました。早く解放しろと調子に乗ってるようです
子供「イテッ!このクズがぁ」
(ドガッ)
あふぅ「ニャノー ; ; 」
足元のあふぅを蹴り飛ばしました。
勢い良く転んで擦りむいて痛みますが、鎖で繋がれているため、また足元に戻ってくるしかないあふぅ・・・泣きながら走っています
あふぅ「ナー ; ; 」イタイ
子供「余計な事すんじゃねえよこのクズ!」
その頃、かなり遅れて子あふぅ達が必死にチョコチョコ後を追っていますが、離される一方です。
子あふぅ「ナー ; ; 」
しばらく走った後、子供とあふぅが元いた場所に戻って来ました。
あふぅは一緒に走っている子供が自分より走るのが遅いと理解し、なめ始めていました。
子供「はあはあ・・・あふぅ、お前余裕だな?」
声をかけられたあふぅは半眼でチラ見して鼻で嗤いました
あふぅ「ハンッ」
子供「そうかそうか、俺なんかじゃ相手にならないってか・・・そんじゃ選手交代と行こうか。あふぅ・・・ゆっくりとたっぷりと散歩して来な・・・自転車となっ!」
あふぅ「Σナッ!」
元いた場所には別の子供が自転車に乗って待ち構えていました。走っていた子供はその自転車の子供に鎖を渡すと、自転車は全力で走り始めました・・・あふぅを連れて。
あふぅ「ナッ!ニャノー ; ; 」
今までと数倍のスピードで走らされるあふぅ。流石について行けません。
(ズルッ)
手足がもつれて転んでしまいました。
(ズルズル)
しかし自転車はスピードを緩めません。あふぅを引きずったまま走り続けます。
あふぅに許されているのは、一緒に走っている子供と同じぐらいの速さで走り続けること・・・ただそれだけです。
早く走れば首がしまり、遅ければ引きずられる・・・
(ザリザリ)
あふぅ「ニャノー!ニャノー ; ; 」
擦りむいて血が出ている所を、さらに引きずられて傷口が広がり、態勢を変えるたびに別の所が傷になる・・・地獄です
再び元いた場所に戻って来た時、あふぅは全身傷だらけの血まみれで泣いていました
あふぅ「ビエーッ!ビエーッ ; ; 」
子供「お帰り」
子供「ただいま」
子供「おや?どうしたあふぅ?さっきまでの余裕が無くなってるなぁ?」
あふぅ「ナノ、ナノー ; ; 」タスケテ
必死に助けをもとめますが、当然誰も聞いてません。
子供「そういやさっきは随分と見下してくれてたなぁ・・・今度はまた俺と散歩しようか・・・モチ、自転車でな」(ニヤァ)
あふぅ「ナ~ ; ; 」
そのまま散歩二週目に突入したあふぅ。最初こそ必死について来ていましたが、痛みとスタミナ切れですぐに引きずられました。
子供「オラオラッ!どうしたもう終わりかぁ?」
あふぅ「~ ; ; 」
もはや泣く事も出来なくなったあふぅはされるがままに引きまわされます。
元いた場所に戻った時にはグッタリとしてか細く息をしているだけの毛玉になっていました。
さて、これにて散歩はおしまい。続いて的当てに入りましょう
子あふぅ「ナー( ; ; )」
子あふぅ「ナノー( ; ; )」
子あふぅ「ニャノー( ; ; )」
口々に母を呼ぶ子あふぅ。助けを求めてか、母親の安否が心配なのか、必死で泣いて叫んでいます。
子供「よし、子あふぅ達。母親を助けて欲しいか?」
(ピタッ)
鳴き声が止みました。子あふぅ達が不思議そうにこちらを見ています
子供「今からお前達にかけっこをしてもらう。あの木まで全員でかけっこをしてまた戻って来るんだ、一番になった者のお願いを聞いてやろう。そのかわり、最後の子あふぅは母親と同じ散歩をしてもらう。どうだ?やるか?」
子あふぅ「「ナノッ」」ヤル!
子あふぅ達は即座にやると返答しました。あまり理解していないのかもしれませんが・・・
基本的に子ぷちは母親への依存度が高いのですが、親の方はかなり個体差があります。あふぅなどは平気で子供を見捨てて逃げるそうなので、母親から先に弱らせる必要があったのです。
目標の木までは百メートルほど。しかし往復なので実質二百メートル走である。
子供「ではよーいドン!」
子あふぅ達「ナノー!」
一斉に走り出す子あふぅ達。トコトコ・テクテク歩いてるのか走っているのかわからない速さで目的の木までは駆けつけます。
・・・その間に子供達も何か準備しています・・・
全員ほぼ同時に目的の木に到着、続いて復路に入ります。
そして子供達の準備も整いました!
的当てのはじまりです。
トコトコと帰ってくる子あふぅ達に向けて子供達が一斉に石を投げつけます。子供の手の平よりも小さい石・・・しかし子あふぅ達には致命傷となるでしょう。
(コツ)(コン)(コロコロ)
はじめはなにか飛んで来たぐらいにしか思わなかった子あふぅ達。しかし距離が半分になったあたりで石の威力がシャレにならなくなって来ました。そう、ゴールに近いほど威力も強くなり、さらに当たりやすくなるのです。
(ゴツッ)
子あふぅ「ギャッ」
石が一匹の子あふぅの顔にヒットしました。身体の弱い子あふぅの頭蓋骨が砕け、絶命しました
子あふぅ「ナァッ!」
子あふぅ「ビエーッ!」
子供「当たった!」
子供「よし、おれも!」
ビュンビュンと飛んでくる石、こんな危ない目にあうとは考えてなかった子あふぅ達・・・ゴールとは別の方向へ逃げようとします。
子供「逃がすかっ!」
(ビュン)(ゴン)
再びヒット!しかし今回は血こそ出ていますが、死んではいないようです
子あふぅ「ビエーッ!」イタイ ; ;
(ゴツ)
泣き叫ぶ子あふぅに再び石がヒットしました。悲鳴を上げる間も無く頭が潰れたようです。
残るは一匹・・・
子あふぅ「ニャノー ; ; 」タスケテ
子あふぅはパニックです。容赦無く飛んでくる石、姉妹たちの悲鳴、瀕死の母親、何が何だかわかりません
。
子あふぅ「ビエーッ!ビエーッ!」
へたり込んで泣き出した子あふぅ。それが命取りでした
子供「いまだ!必殺!メテオアターック!」
(ブワッ)
動かなくなった子あふぅの頭上に無数の石が放り投げられました。見上げる子あふぅの上にゆっくりと落ちてくる石・・・
(グシャ)
見事に子あふぅに落下した石の一つが子あふぅを潰しました。
子供「やった!」
子供「おい!それありかよ!」
子供「チクショー!一匹もやれなかった!」
これにて的当て終了です。
最後の締めに移ります・・・瀕死のあふぅです。
子供「こうなったら遊びようないよな・・・」
子供「池のヌシのエサでいいんじゃね?」
子供「だな」
早速、池の真ん中あたりにあふぅを投げ飛ばします・・・すると・・・
(バッシャーン)
ヌシが水面からジャンプして姿を現しました
子供「スゲえ!とんでる!」
子供「まじかよ!」
さらに信じられない事が・・・
(バシーン)
ヌシの尻尾があふぅをはじき飛ばしました。
あふぅ「ギャノ~;;」ヒドイ
子供達「「Σええ~~っ!」」
(グシャッ)
岩に叩きつけられてあふぅは絶命しました。
子供達はあふぅの死骸を見てもまだ信じられません。
子供「スゲえの見たな・・・」
子供「ヌシもこれは食いたく無かったのかな?」
子供「そーゆー問題かなー?」
キツネにつままれたようなきもちで、子供達は家路に着きました。
同級生達にどう話そうか考えながら・・・
- 最終更新:2014-08-02 07:13:45