はるかさんで遊ぼう!2

「ヴぁ~いヴぁ~いヴぁ~い」

両足を縛られて天井から逆さ吊りにされたはるかさんが泣いている。
その身体の至る所に画鋲が突き刺さっていた。

「次はどこを狙うか…」

そんなはるかさんから少し離れた場所から、はるかさんと向き合う形でPがケースから画鋲を取り出した。
その画鋲を人差し指に乗せて、はるかさんに向けて振り投げる。

ザク
「がっ!かぁぁ!」

指から離れた画鋲は、はるかさんへ向かって飛んで行き右目に突き刺さった。

「よし、狙い通り!」

Pはガッツポーズをして喜んだ。

「ヴぁ~いヴぁ~い」

余りの痛さに身体を飛び跳ねるはるかさん。しかし、逆さ吊りにされている為、虚しく宙に揺れるだけだった。
その後、何度かはるかさんに画鋲を投げ付けていると、数回ビクンビクンと身体を痙攣させた後、全く動かなくなってしまった。
「もう終わりか」と、溜め息を吐いたPは、水の入った湯呑みを持って歩き出した。

「……」

その先には、檻に入れられた一匹のはるかさんがいた。
つい先程まで、画鋲を投げて遊んでいたあのはるかさんは、水を掛けて分裂させた個体であった。
そして、この檻の中にいるはるかさんこそ、オリジナルの『本体のはるかさん』であった。

「……」
「かっかー」

本体はるかさんに水を掛けて分裂させる。
その分裂体の頭を撫でながら抱き抱える。

「……」

本体はるかさんはその様子を死んだ魚の様な目で見詰めていた。

はるかさんを檻に閉じ込め、分裂体で遊ぶ様になってから一ヶ月は経っていた。
最初の頃は、Pが近付いて水を浴びせ掛け様とする度に、Pが分裂体で遊んでいる様子を檻の中から見る度に、身体を震わせて怯えていたはるかさん。

「……」

しかし、今はそんな事もなくなり、Pが分裂体と遊んでいる光景を死んだ魚の様な光を失った目で見詰めるだけであった。
餌を与えても、水を掛けても無反応だった。

「よ~しよ~し」ナデナデ

「~♪」モニュモニュ

一方分裂体の方は、Pに頭を撫でられながらPの腕に甘噛みをしていた。

ドゴッ!
「ヴぁ!?」

そんな分裂体を床に降ろしたPは、後頭部を足で踏み付けて俯せの状態で床に押さえ付ける。
そのまま床にしゃがんだPは、分裂体の両足を掴む。

「はるかさんは身体が柔らかそうだから、どこまで曲がるか実験だ」

両足を掴む腕に力を込めて上に引っ張り上げる。
引っ張り上げた両足をPの方へ引き寄せる。
その結果、分裂体はるかさんの身体は所謂『鯱』の状態となる。

「かっ……かっ…」

苦しそうに呻き声を上げる分裂体。
Pによって、身体が益々反り返っていくとついに、

ポキッ
「かっ……」

背骨の折れる音がして、分裂体の瞳から光が失われた。

「簡単に折れる物なんだなあ……背骨って…」

死体となった分裂体をゴミ袋に入れる。

バシャ

檻の本体はるかさんに水を掛ける。

「……」
「ヴぁ~い」
「ヴぁ~い」

二匹に分裂させる。

ガツンガツン
「がっっ!!!」

その内の一匹の両目を五寸釘で打ち付ける。

ザク
「がっかぁぁ!!!」

もう一匹の方のお腹を包丁で縦に切り裂く。

「」ビクンビクン

切り裂かれて痙攣する分裂体を掴み、本体はるかさんの頭上に掲げる。
滴り落ちた血が本体はるかさんに降り注ぐ。

「さあ、どうなる…!」

『水』で分裂するはるかさんは『血』でも分裂するのか?
Pはそれを確かめる実験をしているのだ。

「……」

血で赤く染まった本体はるかさんは、分裂する気配を見せなかった。

「……血では分裂しないのか……なるほど」

「……」

実験結果に満足しているPを、本体はるかさんは無言で見詰めていた。光のない虚ろな瞳で。
檻から出して欲しいのか、Pを憎んでいるのか。
どんな理由でPを見詰めているのかは分からない。
自身の分裂体の血で赤く汚れたその顔と瞳には、一切の感情は宿っていなかった。
お腹を切り裂かれた分裂体の首を捻って絶命させたPは、それをゴミ袋に投げ入れた。

「ヴぁ~いヴぁ~いヴぁ~い」

両目を五寸釘で打ち抜かれたもう一匹の分裂体はるかさんの泣き声が、静かな事務所に響いていた。


『はるかさんで遊ぼう!2』おわり

  • 最終更新:2014-02-20 15:08:58

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