ぷちどる駆除士・P(番外編)
大量発生したぷちどるの猛威を食い止めるため、駆除士は今日も戦う……。
――会議室
P「えー、このたび、『ぷちぷち生物図鑑』(アニメ参照)の何度目かの改訂が決定しました。
それに伴い、駆除士用のマニュアルもまた一新されます」
「今度、追記されるのは?」
P「ゆきぽの変異種についての注意点などが加わりますが……大きく仕様が変わるのは、やよの扱いです」
「やよ? てっきり、ゆきぽかあふぅかと」
P「これまでは捕獲か駆除かあるいは放置かで、対処の区分が定まらなかったやよですが、
あふぅに次ぐ害獣指定を受けたことで、正式な駆除・処分の対象となりました。
飼育する場合は、当該やよの出生を証明するなどした上で、役所の許可を得なければなりません」
ぷちどる害獣度数(駆除対象ランキング)
A ゆきぽ
B あふぅ
C ちひゃー、やよ、こあみ、こまみ
D はるかさん、いお、ちびき
P「↑だったのが、改訂して↓になります」
A ゆきぽ
B あふぅ、やよ
C ちひゃー、こあみ、こまみ
D はるかさん、いお、ちびき
※はるかさん、いお、ちびきは捕獲推奨
P「有害性がより大きく認められた結果、こうなりました」
「第三の害獣は、ちひゃーだと見てたんですが、やよが繰り上がるとは」
P「ちひゃーや、こあみこまみは確かにウザいですが、無能なので大した脅威にはなりません。
性質が悪いのは、ゆきぽもそうであるように、能力を持ったぷちなのです」
「まあ、やよは嗅覚と聴覚が鋭敏な上、運動能力も高いですからね。だからこそ、
それを悪さに使われると厄介だ、と」
P「そういうわけです。ちひゃーよか、よっぽど始末に負えないです」カチャカチャ
――ビデオ再生開始
やよ『うっうー!』ζ*゚ヮ゚)ζ
P「さて、やよといえばネコババ。小銭への執着心から起こすトラブルが後を絶ちません。
しかしこの映像は、また違ったやよの問題点を挙げています」
やよ『うっう、うっう~!』ζo^O^)ζo从゚゚ バシャバシャ
P「野良やよが川岸で、魚を獲っているところです。手で魚を打ち上げてしまうのですから、
その動体視力や瞬発力は、ぷちの中でも一、二を争うかもしれません」
やよ『うっうっう~♪』゚゚从oζ(^O^oζ バシャバシャ
P「で、見過ごせない点はまさにここなのです。このやよが獲っている魚、アユなんです。
そしてこの映像は、五月に撮られたものです。天然アユの解禁は、大抵は六月以降です。
やよは禁漁の時期に、魚を獲ってしまっています。もちろん、そんなこと知らないのでしょうが」
やよ『うっう~♪』ζ*^3^)ζ オモチカエリ
P「アユに限らず、年間を通してやよは河川を荒らす恐れがあります。
漁に携わる人からの駆除要請が、最近急増しているのです」
「そういえば、やよは食い意地がひと際張っていることも、わかってきましたね」
P「そう。あのあふぅさえも凌いでいるという報告もあります。特に野良は、盗み食いの常習犯です。
こうした調査や情報解析が進んだいま、やよの処置見直しに至ったのです」
「人間の都合を押し付けるようですが、害獣に好き放題させておくわけにもいきませんよね」
P「いかにも。我々は、野良やよに対してこれまで以上に厳しく対処しなければなりません。
ちなみに、この映像のやよはこの後、漁場の係員に殴り殺されました」
ゴスゴス!!
やよ『う゛ぅぅ~~!!』≡つ:)゙p゙)ζ,';,:'
P「……やよはしばしば、金銭収集を目的とした犯罪に用いられます。
最近の様子を見るに、悪徳業者による密漁などにも使われているかもしれません。
やよは比較的、分別のあるぷちだと言われてましたが、習性を利用されてしまうのです」
「けれど、保護するほどのぷちではない、という方針ですね」
P「その通り。やよはこれからひたすら駆除、駆除、駆除です」
――後日
P「『ぷちぷち生物図鑑』のやよの項目に、やよの処理法を追加することになりました。
単に殺すだけでなく、その場での有効な活用法も載せたりします。
自分が担当するのは、アウトドアでのやよの簡単調理という項目です……」
やよ「うっうー!?」ζ*T0゚)ζ
P「野良やよを捕獲してきました。子供もまとめてゲットです」
ベビやよ「「「「ウッウー!?」」」」
P「本来、肉は臭みを抜いて熟成させた方がいいのですが……都度調理だと、
そんな暇はありません。さっくりいきたいと思います」
ザクッ!!
やよ「う゛!? う゛ぁあああ!!」ζli。'O。)ζ
P「腹に包丁を突き入れて、そのまま開きます。それから片手を中に入れて……」
ズボッ、グリグリ!!
やよ「う゛う゛う゛う゛ぅぁあっああ!!」::ζl#。p。)ζ::
P「ノドの辺りまで引っかけたら、動脈を引き千切ります」
ブチブチブチィッ!!
やよ「う゛う゛う゛ぇあっ!!……」::ζli。;p゚)ζ::
P「皮を開いて内臓を取り出し、血抜きをします」
やよ「ぅ゛……」::ζil ゙p゙)ζ::
ベビやよ「「「「ウウーーッ!?!?」」」」::ζ*T0゚)ζ::
P「では、解体。脚の付け根に沿って包丁を入れ、関節の部分で骨と肉を切り離します。
腕についても同じ。肋骨をくぐるようにして胴体を切り分け、首を落とします。
頭部からは頬肉をこそぎ、胴体は背骨を剥がした後、肉から余分な脂を除いて一丁上がりです」ザクザク
やよ「」ζ#゙p#)ζ
P「野生のぷちですと、肉質は固くなります。外を走り回るので、身が引き締まるんですね。
成体であれば、なおさらです。よって、このまま焼いても、おいしくは食べられません。
すぐに食べるつもりなら、鍋が必要になりますが煮込み料理がいいでしょう」
グツグツ……
P「はっきり言って、ぷちの肉は臭いです。食べるにはちょっとした努力も必要になります。
鍋料理なら、ワインで煮て香草で誤魔化せば、それなりにいけます。アクの除去は忘れずに」
ベビやよ「「「「ウウウー!!」」」」タスケテー!
P「煮込んでいる間に、こっちを料理します。子ぷちの肉は柔らかいので、色々使えます……。
しかし人間が食べる際には、下処理が欠かせません。体が小さいので、これが面倒」ムンズ
ベビやよ「ウー!? ウッウー!」バタバタ
P「なので、釣りエサにしてしまうのが手軽です。髪の毛だけざっと切り取ったら、
すり鉢に入れてすりこぎ棒でゴリゴリと体を潰します」ミシミシ
ブチュブチュ……
ベビやよ「ウウビャアアアアアアッ!!」ゴリゴリ
※参考『やよ親子』
P「目玉は栄養を豊富に含んでますからね。頭ごとひき潰してかき混ぜます。残りもこれで処分」ゴリゴリ
ウウー!! ウウアアー!! ウビイイ!!
P「ベビの肉団子が完成しました。もう一度言っておきますが、魚のエサ用です」
ベビやよ「「「「」」」」ジャジャーン
P「そして、やよ鍋の方もできあがりました。味見してみましょう」
やよ「」グツグツ
P「……うん、やはりクセはありますが、食べられないことはないです。
キャンプに出かけた際にやよを捕獲したら、試してみてください。
ぷちの体型はほぼ共通しているので、他ぷちの調理にも上の手順が応用できます」
オツカレサマデシター
『ぷちぷち生物図鑑・改訂版』
ζ*゚ヮ゚)ζ ζ*^O^)ζ ζil ゚o゚)ζ ζ*゙;p゙)ζ
DATA:やよ
ツインテール、冬はもっさり。平時は二足歩行、移動時は四足歩行になる。
鳴き声は「うっうー」「うー」「えぅー」など。
硬貨に強い執着心を見せ、目でも耳でも常にそれを追いかける。
命令を理解する知能は持つが、どんな時でも欲望が優先される。
食欲も旺盛であり、あふぅを欺いて食べ物を奪った事例がある。
水泳は不得手だが水面からの魚獲りは得意で、よく野良が川や釣り堀に出没する。
春になると頭にタケノコを生やすが、これは正確には『タケノコに似た物体』である。
調理法によっては毒と化すため、このタケノコ(仮)は口にしない方がいい。
害獣ランクB。駆除対象。
終わり
※アニメ(二期)で、やよの出番が多いのはなぜでしょうね?
- 最終更新:2014-06-16 06:59:40