スリムになるの
「ナ"ノ"」ゲプ
最近あふぅが太った。以前まではこんな太い声ではなかったし体型もスマートだった。しかし今では恐らく以前の倍くらい体重はあるだろう。事務所に来てからは、贅沢三昧の日々、こうなるは当たり前だ。
「ナ"ノ"~」ドタドタ
歩くだけでも足音が響く、この間は律子の頭にこいつが飛びかかり危うく怪我をするところだった。
こいつは野生時代どういう生活を送っていたのだろうか?
こうなってしまったのも全部俺たちが原因だろう。
そこで俺はあふぅのダイエットをさせることを決意した。
そして昼になり飯の時間になった。
「お前たちご飯だぞー」
「ナ"ノ"ー!!」
やはりあふぅが1番最初に来た。これは予想どうりだった。
「ナ"ノ"ッ!」
あふぅは俺から手に持っていたおにぎりを奪うと一目散に平らげた。
「あふぅのご飯はそれでいいんだな?」
「ナ"ノ"!」ゲプ
よし、ここまで想定内だ。
「今日はお前たちに高級なおにぎりやパンを用意したぞー!」
なんて白々しく言った。
「ほら、ちひゃーお前の好きなパンだぞ!」
「くっー!!」
ちひゃーはとても喜んでいた。ちひゃー以外にも他のぷちにも自分が好物で高級なものを食べさせた。あふぅはそれを見ると
「ナ" ノ" ッー!!!」プンプン
どうやら怒っているらしい。態度が露骨に表れていた。
「お前はさっきコンビニの安いおにぎりを食べただろう?しかも俺から奪って」
「ナノナノ!!」プンプン
知らなかった、自分にもうまい飯よこせ!と言ってみたいだ。
「ダメだぞあふぅ。よしたまには散歩でも行くか」
「ナ"ノ"?」
あふぅはいつもご飯を食べるとすぐに寝てしまう。それが太る原因だと俺は考えた。なら適度な運動をすることですぐ痩せるのではないかと仮説を立てた。
「ナ"ノ"!」ダッ
こいつ散歩と聞いた瞬間に逃げやがった。運動したくないみたいだな。しかしこいつは今では以前の素早さはなく、ただのデブなので簡単に捕まえられた。そして大型犬用の首輪をつけて事務所の外に出た。
「ヤ"ー!ヤ"ー!」ドスドス
あふぅは抵抗していたが、リードを着けているため逃げられなかった。そして俺は事務所の自転車に乗った。
「これが終わったらお前にもうまいおにぎり食わせてやるからな」
「ナ"ノ"!?ナ"ノー!!」
ちひゃーたちに高級な物を食わせたのはこのためだ。走れば自分もおいしいおにぎりが食べれる。これがダイエットのきっかけになればと思ったが。
もちろんおにぎりをあげるというのは嘘だが、こうでも言わないとこいつは走らないだろう。そして自転車に乗り走りだして5分も経たないうちに
「ナ"ッー!ナ"ッー!」ゼイゼイ
どうやらもうばてたらしい。しかし俺は気にせずに自転車を5kmほど漕ぎ続けた。首輪が着いてるので逃げられはしない。甘やかしてはならない。
「ナ"ノ"!、ナ"ノ"! ニ"ャノ"ノ"ノ"ノ" ビエーーー!!!」ズルルルル
事務所に帰って来て後ろにいたあふぅを見るとボロボロの雑巾みたいになっていた。
どうやら走らず引きずられていたらしい。
「あふぅ、走らなかったからおにぎりは無しだぞ」
「ナ"ノ"....」ボロボロ
俺はこいつに運動させるのをやめさせた。ということで食べさせないダイエットに切り替えた。やはり食べなければ痩せる。
「あふぅこっちにこいよ、おにぎりあげるから」
「ナノー!!」
こいつはおにぎり一つで自由自在だ。
「ナノッ!」
少し走ったせいか多少は痩せたか?まあいい、あふぅを社長室におびき寄せた。そしておにぎりを与えているうちに手足を鎖で固定する。ついでに首も固定しとくか。
「ナノ!?ナノナノ~!」ジタバタ
あふぅは暴れているが俺は気にしなかった。とりあえず水だけ置いといて様子を見るか。
「じゃあなあふぅ」バタン
「ナノー!!」
大声で呼ぶ声が聞こえたが無視した。これから多少はうるさくなるがそのうち力尽きて静かになるだらう。声を出すことも結構エネルギー使うしな。
そしてあふぅを閉じ込めてから2日ほど経過したので様子を見に行った。
「あふぅ、生きてるかー?」ガチャ
「..ナ..ノ...」ゲッソリ
おおどうやら生きているらしい。だいぶやつれているが大丈夫そうだな。
「あふぅ、頑張ったなご飯持ってきたぞ」
頑張ったご褒美として約束した高級なおにぎりを持ってきた。
「.....はにぃ!!!」
発情期でもないのに「はにぃ」
とか呼ばれた。こんなこともあるんだな。
「よし、ちひゃーご飯だぞー!」
「くっー!!」ヤッター!
「......ナノ!?」
俺は一緒に連れてきたちひゃーにおにぎりをあげた。どうやらちひゃーはこの間おにぎりをあげたせいかすっかりおにぎりにはまったらしい。
「やっぱり美味しいな!このおにぎりは!」パクパク
「くっく~♪♪」ゴクゴク
「ナノナノ!!」ジタバタ
そのおにぎりはわたしのなの、みたいな感じで暴れているあふぅ。
二日間食べていないので空腹感は最高状態であった。その状態で目の前で食事されたらこうなるのはわかりきっていた。
しばらくすると
「......ナノ」ガクッ
段々と衰弱して意識を失ったらしい。ブクブク太っていた身体も今では骨と皮しかなかった。このまま放置すれば間違いなく栄養失調で死ぬだろう。
「くっー!!」デプ
どうやらちひゃーのご飯を食べ終えたらしい。
「お前も中々太ったな」
「くっー?」
俺はちひゃーにそういうと、捕まえてあふぅの隣に鎖で固定した。
「次はお前の番だよ、ちひゃーあふぅと仲良くやれよ」
ちひゃーは隣でピクリともしないあふぅを見て
「くっー!!くぅぅぅー!!」イヤイヤ
俺は固定されて動けなくなったちひゃーを無視して部屋を後にした。あふぅも無事にダイエットできたことだし満足だ。
おしまい
- 最終更新:2014-02-21 06:19:54