司会「本日紹介する商品はこちら」 ゆきぽ「ぽえ?」

司会「そう、今巷で大人気のペット!ぷちどるでーーす!」

ゆきぽ?「ぽえ…」ガクブル

ちひゃー?「くっ?」キョロキョロ

やよ?「うっうー!!」トテトテトテトテ

司会「見てくださいこの毛並み!つやつやでしょう?」サラサラ

ちひゃー?「くぅー」テレテレ

司会「それに簡単な言葉なら理解するので、お世話も簡単!お茶くみなんて朝飯前!」

ゆきぽ?「ぽ…ぽえ~」テレテレ

司会「どのペットショップでも売り切れ御免!再入荷日未定のこの商品を!なんとジャ○ネット961は30セットづつ用意させていただきました!」

やよ?「うー?」トテトテトテトテ

司会「この3匹を30匹ずつ!合計90匹です!」

テレビの前の皆さん「おおー!」



司会「そしてお値段のほうですが、ジャ○ネット961頑張りました!」

テレビの前の皆さん「」ドキドキ

司会「今年最後の御奉仕ということで!なんと!一匹39800円!」ドドーン

テレビの前の皆さん「な、なんだってー」

司会「これだけでは終わりません!今回は特別にぷちどるの餌二ヶ月分をお付けします!」

司会「さらに!番組終了後20分以内にお電話いただいた方には!ぷちどるの餌をさらに二ヶ月分と!ぷちどる育成DVDをお付けします!」

テレビの前の皆さん「もしもし?ジャ○ネット961ですか?」

司会「お子様へのプレゼントや一人暮らしの方!いかがでしょうか?それではお電話のほうお待ちしています!」

その後一分もたたないうちに3種類のぷちどるは全て売り切れた

こうなったきっかけは少し前にさかのぼる



半年前

P「失礼します。なんですか大事な話って?」

社長「うむ…これを見たまえ…」

P「これって事務所の帳簿ですよね?これがなにか?」

社長「先月と一年前のものを見比べてくれないか」

去年は余裕のあった事務所の経営が、先月一千万円の赤字になっていた

クビか…そうPは思った

P「いままでお世話になりました」

社長「!?!?何を言ってるんだ、君」

P「えっ?解雇の話では?」

P「君のような敏腕Pを解雇するはずないだろうjk。赤字の項目を見てくれないか?」




P「えーっと…電気ガス水道代、事務所の修理費、……ってなんですかこの食費って?」

光熱費は倍、修理費は毎月改装できるレベルの額、さらに謎の食費という項目も出来ていた

P「もしかして接待とかいうやつですか?」

竜宮小町の活躍のおかげで、最近ではテレビ局のお偉いさんとの付き合いも始まっていた

社長「いや、それは別枠でとってある」

P「なら一体…」

社長「アレだよ」

そういって社長が指差す先には

小さな生物が出入りできるサイズの穴が開いていた

P「ぷち…ですか」



事務所に住んでいる以上光熱費がかかる

さらに毎日のように事務所を破壊し

食事も全て事務所で用意していた

社長「君のおかげで我が765プロも軌道に乗ってきた、しかし収支でみればマイナスだ」

P「それは…14匹もいますからね…」

社長「このままではアイドルたちへの給料すら払えなくなる」

P「ぷちをアイドルたちに引き取ってもらうというのはどうでしょう?」

社長「アイドルたちはいいかもしれん。しかしあの生物を引き取りたがる大人がどこにいる?」

P「他の方法があるんですよね?その意見を聞くために俺を呼んだんですよね?」

社長「そうだ。覚えているか?黒井のやつがぷちどるを欲しがっていたのを…」

P「増殖したゆきぽを引き取っていきましたね」

社長「今回は一匹五百万で貸してくれといってきた」




P「!?」

社長「君には正直に言うが、私は二匹ほど貸そうと思っている」

P「そんな…どう考えても怪しすぎますよ」

社長「今見てもらったとおり、ここで原因を取り除かないと事務所は倒産だ」

P「…」

社長「だがぷちどるを処分すれば、アイドルたちの活動に支障が出るかもしれん」

P「…」

社長「君の意見を聞きたい。むろん決めるのは私だ、君にはなんの責任もない」

P「俺は…」

社長「」

P「」




それから数ヶ月後・P宅

PPPPPPP

P「はいもしもし?なんだ響か、どうした?」

響「一体どういうつもりだ変態プロデューサー!?ぷちを売るなんて!」

P「何を言ってるんだ?」

響「知らばっくれるな!今目の前にちひゃーが売られてるぞ!!」

P「なん…だと…」

響「見損なったぞ!こんなことする人じゃないと思ってたのに!」

P「ちょっと待て!今どこにいるんだ?」

響「いつものペットショップだけど?」

P「今すぐそこへ行く。住所をメールで送ってくれ」

響「まぁいいけどさ」プツッ





事務所

PPPPPPPP

ぴよぴよ「ぴっ?」ガチャ

P「ぴよぴよか?そこにちひゃーがいたら代わってくれないか?」

ぴよぴよ「ぴっ!」パタパタパタ

少しの間が空き

ちひゃー「くっ?」ドシタ

P「ちひゃーか?そこにいるんだな?」

ちひゃー「くー」コクン

P「いいか、俺が行くまでそこを動くなよ!」

ちひゃー「くっ!」




ペットショップ

P「響!お前の言ってたちひゃーは?」

響「これだぞ…」

そういって響が指差す先には

ちひゃー?「くぅー」ボンヤリ

ちひゃーそっくりの生物が檻に入れられていた

P「そんなばかな…」

響「今更そんな白々しい態度とっても無駄さ!ちひゃーは自分が引き取って育てるって決めたんだ!」

P「まて響!これを見ろ!」

そう言ってカバンから取り出したのは

ちひゃー「くっ?」キョロキョロ



響「えっ!?」

P「ちひゃーはずっと事務所にいたんだ」

響「じゃあこれは…」

ちひゃー「くっ!?くっ!?」ビックリ

ちひゃー?「くぅー」チラッ

ちひゃーも驚いたようでちひゃー?を見つめ続けている

P「すいません、このペットいつ入手したんですか?」

店員「あぁそれね!今日入荷したばっかりなんです!珍しいでしょ…ってもう飼ってたんですか…」

P「どこから仕入れたんですか?」

店員「すいませんがそれは企業秘密で…」

P「買います!!!これ下さい!!!」

店員「あ、ありがとうございます…」



アリガトウゴザイマシター

響「どういうことなんだよ!これ?」

P「わからない」

実は心当たりがあった

ちひゃー「くっ?」ペシペシ

ちひゃー?「くぅぅ」イヤイヤ

P「響、この件はしばらく765プロの皆には黙っててくれないか?」

響「なんでだよ?」

P「こんなものを見せられて、混乱してステージが上手くいかなくなるなんてシャレになんないからな」

響「そう…だな。うん!わかったぞ!」

P「ありがとうな、響」

響「その代わり何か分かったら自分には教えてくれよ!」


次の日・社長宅

ちひゃー「く♪く♪く♪くぅぅぅ♪」

ちひゃー?「く♪く♪く♪くぅぅぅ♪」

二匹のちひゃーは演歌を歌っていた

P「どう思いますか?」

社長「私の…責任だろうな…」

P「やはり黒井社長が…?」

社長「おそらくな。このぷちどるを貸して数ヵ月後にこれだ…タイミングが良過ぎる…」

P「アイドルたちにはなんて説明しますか?」

社長「しばらくは様子見だな。もし気づかれたら私に教えてくれ…全てを話そう…」

P「わかりました、それじゃちひゃー?は俺が自宅で預かってます」

社長「すまないね」

P「さ、お前達帰るぞ」


P宅

ちひゃー「くっ!くー!」ピョンピョン

ちひゃー?「くぅぅー!」ピョイピョイ

二匹のちひゃーが部屋の中で遊びまわっている

なんとなくだがちひゃー?のことが分かってきた

歌と牛乳と犬が好きでどたぷーんが苦手

さらにブラッシングをねだる時に頭に飛び乗ってくる習性まで同じだ

俺や社長を見て驚くなど、記憶がないのが異なるが…

P「これからしばらくよろしくな、ちひゃー?」

ちひゃー?「くっ!」ピヨーイ

ちひゃー?「くっくっくっ」ペシペシペシ

P「ブラッシングか…残業代でないよなぁ…」

ちひゃー「くっくー!」



真「春香・千早・プロデューサー!大変だよ!テレビテレビ!」

春香「どうしたの?」

真「この通販番組見てよ!どうなってるの!?」

千早「通販?どうせくだらない物しか…」

真「いいから早く!」

春香「どれどれ?」

千早「なによ?」

春香・千早「え…なに…これ…」

P「なんだ?どうした二人とも」

そして最初に至る




春香「これ…どういうこと?」

千早「ぷちどるってたくさんいたの…?」

真「ってゆうかなんで売り物になってるの?」

P「…」

驚いている三人を事務所内に残し廊下に出る

ポパピプペ

社長「おお、君か。どうしたんだい?」

P「社長…今放送していたジャ○ネット961を見ましたか?」

社長「いや?一体どうしたというのだね?」

P「ぷちどるが…売りに出されてました」

社長「そうか………今夜事務所に全員集めてくれないか?説明する必要があるだろう」

P「わかりました」




その夜・事務所

春香「大事な話ってなんだろうね、雪歩」

雪歩「たぶんお昼のアレのことじゃ…」

伊織「それしかないじゃない、このタイミングなら」

既にアイドルたちの間ではぷちどる販売が話題になっていた

ガチャ

社長「全員そろっているな」

響「自分も呼ばれた気がしたぞ!」

貴音「私もです」


社長「実はだな…」

社長はぷちのせいで事務所の運営が傾いていること、その補填のためにちひゃーとやよを黒井社長に貸したことを話した

雪歩「待ってください。なんで貸してないゆきぽまでいたんですか?」

P「覚えてるだろ…前回増殖したゆきぽを黒井社長に引き取ってもらったことを」

雪歩「あっ!」

社長「すまなかった。だがこうするしかなかったんだ」

千早「別にちひゃーに害があったわけではないのでそんなに謝らなくても…」

やよい「そうです。やよはこんなに元気です!」

やよ「う?」

律子「黙って貸したのも悪いですけど、借りたものを勝手に増やして売り物にするとか…」

千早「一体なにを考えているんでしょうか?」



数週間後

ぷちどるの人気は絶頂にあった

黒井社長の売り方の上手さもあるが…

媚びた外見のため若い女性を中心に好評なぷちどる

ゆきぽにいたっては、あいさつ回りをしているとお茶だし係として見かけることも多くなった

気がつけばぷちどるを連れて散歩している人も珍しくない

企業はぷちどる向けの服や食品を商品化し、テレビでは毎日のように特集が組まれた

悪質なペット販売業者の中にはちひゃーが好きな犬とセットで販売するところや、三匹買うと特典をつけるような店まで現れていた

町にぷちどるが溢れていた

しかし、ブームというものはいつか過ぎ去る

それはぷちどるも例外ではない



数ヵ月後。事務所

亜真美「兄ちゃん!兄ちゃん!ゆきぽひろったー!飼ってもいい?」

そういってダンボールいっぱいのゆきぽを見せる

P「ダメです。社長が言ってただろ?ぷちが増えると事務所は倒産だって…」

むろん増えなくても経営難なことに変わりはない

亜美「兄ちゃんのけち!」

真美「ほっといたらゆきぽ死んじゃうよ!」

P「大丈夫だ、人気あるからすぐ拾ってもらえるさ」

亜美「兄ちゃん…それマジで言ってんの?」

P「あぁそうだが」

真美「ついてきて」

いつもと違う真面目な口調の二人に違和感を感じながらもとりあえずついて行く

そこには




とある公園

ゆきぽ?「ぽえ~」

ちひゃー?「くっくっ」

やよ?「うっう~」

大量にぷちどるが捨てられていた

ぷちの幼稚園かなにかのようだった

ぷちども「!」ワラワラ

こちらに気づいたぷちが一斉に寄ってくる

そして

ゆきぽ?「ぷぃ~」ペコペコ

ちひゃー?「くっくぅー」ペコペコ

やよ?「うっうー!」トテトテトテト



正直驚きはなかった

もともと事務所の経営を傾かせるようなやつらが、どこに行った所で上手くいくはずがない

見た目に騙されて買ってしまった被害者が大勢いるのだろう

P「お前らの言いたいことはわかった。だがな、俺はこいつらよりお前達が大切だ!だからこいつらは飼えない」

亜美「そんなぁ…」

真美「真美たちが世話するからさぁ」

P「わかったよ。ならゆきぽの掘った床代はお前らに請求するぞ」

亜美「ちなみにいくらくらい?」

P「だいたい一回五十万だ」

真美「一回五十万!?」

P「三匹が穴掘ったら百五十万請求することになるがいいんだな?」

亜真美「……」



亜美「じゃあちひゃーとやよならいいっしょ?」

真美「穴掘らないよ?」

P「冬毛ブラッシングもやるんだな?」

亜美「たまには…」

P「それで機嫌悪くなって何か壊したらお前らの責任だぞ?」

真美「そんなことない…と思うけど…」

P「ちなみに律子には手伝わないように言っておく。トレーニングのノルマも減らさない」

亜真美「…」

P「それでいいなら何匹でも連れてきてくれ。だが俺は二時間ブラッシングするなら、その時間をトレーニングや休憩にまわして欲しい」

ゆきぽ?「ぽえ!ぽえ!」ピョンピョン

ちひゃー?「くっくっ!」ピョイピョイ

やよ?「うっうー」トテテテテテテ

その間もぷちどもは何かを懇願するかのように奇声をあげ続けていた





亜真美「ごめんね…」

ぷちにそういって二人は事務所へと戻っていく

二人が公園を出て行った直後、入れ替わるように一台の大型車が入ってきた

公務員A「すいません。今から一斉駆除を行うので公園から出ていてもらえませんか?」

P「駆除?」

公務員B「区のほうに苦情が凄いんですよ。ここの公園にペットが大量に捨てられててどうにかして欲しいって」

P「そうなんですか、ご苦労様です」

ぷちども「!」ワラワラ

ぷちが公務員達に群がる

公務員C「本当に凄い数だな」

公務員A「さっさと終わらせて帰ろうぜ」

公務員B「しかし言葉が通じるらしいが…本当なのか?」


公務員A「お前ら!この車に乗ればいい所に行けるぞ!」

ぷちども「!」ワラワラ

公務員C「自分達から飛び乗ってくるとはな」

公園にいた十匹近いぷちどもは、全て車の荷台に収まった

ゆきぽ?「ぽえ~♪」

ちひゃー?「くっくー♪」

やよ?「う?」トテトテトテ

新しい飼い主が現れたとほっとしているようだ

公務員B「それじゃご協力ありがとうございいました」

そういってぷちを満載した車は出て行った

残されているのはぷちが住んでいたとおぼしきダンボールの山だ

その日は事務所に戻っても亜美真美の姿を見ることはなかった




実際、行政が動くぐらいに捨てぷちどるが増えていた

手伝いをするペットとして買ったはずのゆきぽ?は、家の破壊を繰り返すためすぐに捨てられ

犬や猫みたいなのを期待して買われたやよはそのバカさ加減に呆れられ、ブームの終焉とともに捨てられた

ちひゃー?も人の頭を叩く、二時間かかるブラッシングをねだる、演歌を歌うといった行動が主な購買層である若い女性に受けずブームの終焉とともに捨てられた

飽きたら簡単に捨てる人が多かったのも問題ではあるが…

そんなこんなで町中に捨てぷちどるがあふれていた

そして食料欲しさに人を襲いだすぷちや、無人の家屋に住み着くぷちが現れだした

捨てぷち問題が表面化するのは時間の問題だった

そしてこれが事件を生んだ


数日後・事務所

PPPPPPPPP

P「もしもし?春香か、どうした?」

春香「た、大変ですプロデューサーさん…千早ちゃんが…」

声から深刻さが伝わってくる

P「何があった!?お前達今はテレビのロケの最中じゃなかったのか?」

春香「そうだったんですけど、いきなり千早ちゃんの乗った車が転倒して…」

P「わかった。千早の搬送された病院はどこだ?」

春香「○○病院です。今私もいるんですけど…」

P「今から行く、そこを動くな」

病院に着いたとき既に手術は終わっていた




病院

P「春香!千早は?」

春香「命には別状ないみたいです。今お母さんが来てお医者さんと話をしています」

P「よかった…事故だったのか?」

春香「わかりません。急に車が跳ねたので…」

P「千早には会えないのか?」

春香「2~3日は駄目だそうです」

P「現場検証が始まってるかもしれないな…春香、場所を教えてくれ」

春香「はい」

現場に着いたときには日も暮れかけていた



事故現場

P「すいません。被害者の関係者なんですが、ここで何があったんですか?」

警察A「被害者?あぁ怪我した女の子の…」

P「事故じゃないんですか?」

警察B「アレだよアレ。アレにタイヤがはまって横転したんだ」

車の残骸を片付けた道路のど真ん中に不自然な小さい穴が開いていた

見覚えのある穴だった

警察B「近所の人の話だと昨日まではなかったそうだ」

だろうな、数分もあればやつなら掘りかねない

警察A「そろそろ暗くなってきたんで、我々は一度引き上げて明日また来ます」

そういって警察は帰っていく

事故現場は幸いにも車の通りが少なかった

自動販売機に向かいお茶を買う



P「ゆーきぽ!」

穴に向かってお茶の匂いを漂わせながら呼びかける

最初は反応がなかったが、しばらくすると

ゆきぽ?「ぽえ?」ビクビク

釣れた

P「この穴はお前が掘ったのかい?」

お茶を渡しながら聞くと

ゆきぽ?「ぽえ~♪」ノソノソ

うなづきながら穴から出てきた

そうか…お前が千早を…




P「お前は捨てられたのか?」

ゆきぽ?を持ち上げながら尋ねる

ゆきぽ?「ぽえぽっぽ~」コクン

P「なら俺の家に来るか?」

ゆきぽ?「ぽ~♪」コクコク

ゆきぽ?を持って大通りへと向かう

ゆきぽ?「ぽえ~♪ぽえっぽ~♪」ゴクゴク

その間ゆきぽ?はお茶を飲みながらごきげんだった

大通りに着いたところでゆきぽ?に言う

P「お前を家に連れて行くと約束したな?」

ゆきぽ?「ぽえ」コクン



P「あれは嘘だ」

ゆきぽ?「!?」

そういってゆきぽ?の尻尾をつかみ、ダンプの前に放り投げる

ゆきぽ?「」グシャ

ダンプは少し跳ねたが問題なさそうだ

きれいに頭が潰れた

とても不快な臭いがした

ぷちどるへの殺意が増した

千早の仇は討てたがこれからもこんな事件が増えるのではという危惧も増した

そしてその通りとなった



翌日・事務所

テレビ「最近、突然現れた穴による車の転倒事故がが各地で多発しており(ry」

律子「これ、ゆきぽ?の仕業じゃ…」

P「それ以外にアスファルトをブチ抜ける生物がいてたまるか」

テレビ「次のニュースです。各地で野生化したぷちどるによる襲撃事件が多発しており、政府は今日特別(ry」

律子「これって…」

P「ちひゃー?とやよ?だろ。ゆきぽ?にそんな度胸はないからな」

律子「どうにかならないんですかね?」

P「俺はこの事務所のぷちも消したいよ、そうすりゃ経営難も解消だ…と悪いな律子、今日はもう上がらせてもらうぞ」

律子「定時で帰るとか珍しいですね」

P「ちょっと行くところがあってな」




P宅

P「さてちひゃー?散歩にでも行こうか」

ちひゃー?「くっ♪」ピョンピョン

ほとんど檻から出さなかったのでちひゃー?は嬉しそうだ

外は日が暮れだしていたが

ちひゃー「くっくー」トテテテテ

元気に走り回る

結構な距離を歩いたところで自販機が見えた

P「ちひゃー?何か飲むか?」

ちひゃー?「くっ!くっ!」コレ

牛乳を指していた

飲み物の趣味もちひゃーと同じか…




P「ほれ」

ちひゃー?「くぅーーっ!」ゴクゴク

ちひゃー?は口の周りを真っ白に汚しながら、牛乳をうまそうに飲む

そして目的地が近づいてきた

ちひゃー?に逃げられないように首根っこを掴む

ちひゃー?「くっ?」バタバタ

目的地の建物に入ると先客がいた

何か争っているようだったが捨てゼリフを吐きながら外へ出て行った

案の定受付にはやよ?が残されていた

P「すいません、連絡していた者ですけど…」

職員「こちらに必要事項をお書きください」




職員「まったく、ここは動物の処分場じゃないんですからね」

職員は酷く疲れていた

P「すいません。飼える自信があったんですけど…」

職員「生物を飼うって簡単なことじゃないんですよ!」

やよ?が別の職員によって運ばれていく

P「終わりました」

職員「ではそれを飲み終えたら」

ちひゃー?「くっくー?」ゴクゴク

飲みかけの牛乳を取り上げ

P「もういいです。お願いします」

ちひゃー?「くっ!?くー!!」

職員「…」


こうしてちひゃー?は職員によって運ばれていった

職員「まだいたんですか?」

数分後職員が戻ってきた

P「多いですか?ぷちどるを持ち込む人?」

職員「えぇ、毎週1~20人くらいいますね」

P「その程度ですか…」

職員「ほとんどの人がここに持ち込まず捨ててます」

職員は呆れながら言う

職員「ここに持ち込めば自分が殺したという罪悪感に悩まされますから、捨てるほうが気楽ですよ」

P「捨てられたぷちは生きていけるんですかね?」

職員「今日のニュースをご覧になってないのですか?ぷちどるは特定外来生物に指定されました。今日はこの辺で一斉駆除が行われているはずです」




P「外来ですか…いったいこいつらはどこから来たんですかね?」

職員「全く分かりませんね、既存の生態系から大きく逸脱していますから。もしかすると宇宙人かもしれない」

P「そんなばかな」

職員「それぐらいおかしな生物ということですよ。こちらの言葉を理解する知能を持ちながら本能には逆らえない」

P「この世界にいてはおかしい生物ってことですか」

職員「そうなりますね」

P「わかりました。もう会わないことを祈ってます」

職員「こちらも同じです」

そういって建物から出る

何も考えずに歩いていると

??「くっ!」



ちひゃー?「くっくー!」ピョコピョコ

植え込みの影から一匹のぷちどるが現れた

ちひゃー?「くー」ピョイピョイ

ここでようやく飲みかけの牛乳をまだ持っていることに気づく

P「飲むか?」

ちひゃー?「くっ♪」ゴクゴク

おそらく一斉駆除を免れた個体だろう

P「お前、行くとこないなら来るか?」

そう尋ねると

ちひゃー?「くっくー」ペシペシペシ

とても喜んで頭をたたき出した

P「じゃあ行くか」

そういって再び保健所への道を戻りだした



  • 最終更新:2014-02-21 06:16:36

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