大忙しの日765プロ 事務所編

765プロ事務所…

PLLLL!!PLLLL!!

P「はい、こちら765プロです!!はい、はい。その件は…」

小鳥「ああ!!も~これをこうして、あれをあ~して!!響ちゃん、これお願い!!」

響「ぴよ子。自分、何時もはカンペキだけど今は手がいっぱいで無理だぞ~!!うがーー!!誰か助けて~」

本日、765プロ事務所は朝から大混乱。朝から引っ切り無し掛かってくる電話にパソコン片手に対応するPに、書類作成や会計を一手に処理している音無さん。少し前から事務仕事を手伝ってくれる765プロのまだまともなアイドル、我那覇響。

この3人が朝からバタバタと事務仕事をしています。因みに律子はPの分も纏めて一生懸命、外で営業活動中。本日はどうしてこの様に朝からバタバタする事態になっているのかと言いますと…

ちっちゃん「も゛~…も゛~…」ハアハア

ぴよぴよ「ぴぃ~…ぴよ~…」ハアハア

傍若無人で厚顔無恥、食って寝て遊べが基本のぷちどるの中に於いての絶対的良心。765プロを裏から支えるちっちゃんとぴよぴよが熱を出して休んでいる為です。2匹は現在、Pと音無さんの手により事務所内のソファに寝かされています。

その2匹が居ないだけで事務所内は大混乱。そもそも事務仕事をぷちどるにやらせている時点で会社としてはどうかと思いますが、零細企業の765プロに人を雇うだけの資金はありません。

いえ、正確には人を雇う資金はありました。ですがこの2匹以外(みうらさんは除く)のぷちどるが事務所や備品を破壊する度に修理したり物を買い直したり…また周辺や取引先とのトラブル等々による賠償などで蓄えは底をついている状態。よくこの事務所は生き残っているものです。

そんな状況の中…

こあみ「とかー」

こまみ「ちー」

こあみまみです。この2匹は双子のぷちどるで悪戯が大好き。ですが1匹では何も出来ず2匹でようやく1匹分の屑で無能なぷちどるです。2匹で1匹分とは言いつつも、食事は2匹分要りますし鬱陶しさは数匹分です。あずささんが何処か拾ってきて現在は貴音に飼われています。

その貴音はと言いますと朝一番からフェアリーの仕事の為に事務所にぷちどるを預けて仕事に向かいました。現在、ぷちどるを現場に持ち込むのは事務所内で堅く禁止にしています。以前アイドルが現場に持ち込み興奮したぷちどるが大暴れし撮影を無茶苦茶にした事がありました。

その為、仕事に使うぷちどる以外を現場に持ち込んだ際は如何なる理由を持っても厳重に罰する…との社長直々の命令が下りました。そして命令が発表されてから次の日、早速処罰対象第1号が出ました。処罰対象者はぷちどるの1匹を飼っている菊地真。理由は『まこちーが可愛かったから連れて行った。』との事。バカですか?バカですね。

最初、彼女への処分内容として1ヶ月程の自宅謹慎が下る予定でした。が、彼女は『可愛いのに連れて行って何が悪い!!』と自分勝手な事を言いたい放題、更にはPに喰って掛る始末。頭の中身はぷちどると一緒ですね。

その為、彼女には事務所出禁及び無期限アイドル活動停止処分が社長から下りました。厳しい処分となりましたが本人はまこちーとずっと一緒に居られるから幸せでしょう…おそらく。

そうして、彼女の処分を期に他のアイドル達は現場にぷちどるを連れて行く事は無くなりました。ですが、その分アイドル達はぷちどるを事務所に預ける様になりました。その所為で事務所は毎日ぷちどるがワラワラと…アイドル達は事務所を託児所か何かと思っているのでしょうか?

ただでさえ事務所には屑を全身で体現したぷちどる『あふぅ』に『ゆきぽ』が居るのに…それにプラスして穀潰しがワラワラと…事務所に預けられたぷちどる達は毎日毎日元気いっぱい大はしゃぎ。一方、裏方のメンバーは世話やその後始末などで頭を抱える日々を送っています。

あれ?そう言えば貴音は本日、フェアリーの仕事…響もフェアリーのメンバーのハズ。何故、響は事務所に居るのでしょう?あまり深く考えない様にしましょう。

こあみまみ「「にーちゃ、にーーちゃ!!」」グイグイ

P「あ゛?今日は忙しいんだ!!お前等2人で静かに遊んでろ!!」

こあみ「とかー!!」グイグイ

こまみ「ちー?ちー!!」グイグイ

P「五月蠅い!!あっち行ってろ!!」

こあみ「と、とか…」

こまみ「ち、ちぃ…」

朝から大混乱の事務員の事などお構いなし、こあみとこまみは玩具のバットとボールを持ってPのズボンの裾を引っ張り遊びの催促をしています。勿論Pは忙しいのでそれどころはありません。

普段ならPも多少なりと相手をしますが今日は気が立っているのか少々怒鳴り口調で双子を叱りました。最初は反骨精神たっぷりの双子でしたがPが本気で怒っているのをスッカラカンの頭で感じ取ったのか、渋々ながら事務所の奥に引っ込んで行きました。

こあみ「とか、とかとか~」つ○

こまみ「ちぃ?ち~ち~」ブンブン

それでもボールで遊びたい様子のこあみ。ボールを持ってこまみに遊ぼうと提案します。ですが、こまみは先程Pに叱られたのが効いているのか大人しくしていようと提案。珍しく意見が分かれました。やはり双海姉妹と同様にこまみの方がお姉さん何でしょうか?こあみよりは少しは分別を弁えている様です。

こあみ「とか!?とかっ!!」プンプン

こまみ「ち~………ちぃ?」

自身の提案を却下されご立腹のこあみ。頬を膨らませ両腕を挙げてこまみに抗議しています。その両頬を引き千切ってやりたいですね。それを見たこまみはやれやれと少々呆れ気味の様です。その時、丁度こまみの視界にソファが目に入りました。そこには…

ちっちゃん「めぇ…めぇぇ…」ハアハア

ぴよぴよ「ぴぃ……」ハアハア

こまみ「ちぃ?ち~ち~」

こあみ「とか?とかとか…」

風邪を引いたちっちゃんとぴよぴよが寝込んでいました。それを見たこまみはこあみに声をかけ2匹でソファに登って行きました。こまみは寝込んでいるちっちゃんとぴよぴよを見ると、大人しくして居ようとこあみに話しかけました。こあみもこれには納得した様です。

そして一旦ソファから降りると双子はぷちどる用にとアイドル達が持って来た絵本を一冊ずつ持って反対側のソファに登り座り直しました。そして大人しく絵本を読む事に。ですが…

こあみ「…………とか~…とかか!!」ブンッ

こまみ「ちぃ!?ちー!!ちー!!」

所詮はぷちどる、こあみは直ぐに読むのに飽きて絵本を投げ捨てました。何時もはアイドル達が読み聞かせてくれていましたが、こあみだけでは字を読む事も理解する事も出来ません。絵を見るだけでは物語はつまらないモノです。一方、こまみはこあみよりは我慢強い様で、絵本を投げ捨てた事に対してこあみを叱ろうとしました。ですが…

こあみ「とっか~」ベロベロベ~

こまみ「ちっ!?」プルプル

こあみは自身の頬を目一杯引っ張り舌を出していわゆる『アッカンベー!!』の顔をしてこまみをバカにしました。これに対しこまみは驚き顔を伏せて全身を震わせています。バカにされて悔しいのでしょうか?怒りに震えているのでしょうか?

こまみ「ちぃちっちっち~!!」ケラケラ

いいえ、こまみはこあみのバカげた顔を見て笑いを堪えているだけでした。ですが我慢強いといっても所詮はぷちどる。楽しい事や面白い事に対しては我慢出来ません。こまみはソファの上で大声をあげながら笑い転げました。楽しい事を見つけた双子…そうなると止まることを知りません。

こあみ「とっかとか、とっかとか!!」ピョンピョン

こまみ「ちっちちっち、ちぃちっち!!」ピョンピョン

こあみ「とかとか、とっかか!!」

こまみ「ちっちっちぃ!!」

こあみ「」プクッ

こまみ「」ンベー

こあみ「…と~かとかとかーー!!!」ケラケラ

こまみ「…ちぃちちちちーーー!!!」ケラケラ

2匹はソファの上をぴょんぴょんと跳ねながら変顔対決をし始めました。お互い顔を見合わせて大爆笑。ソファの上を転げ回っています。お互い変な顔と思っているのでしょう。ですが双子のよく似た顔、違うのは髪の括り方と鳴き声ぐらいです。自分で自分の顔みて爆笑している様なものです。そして、そんな事をした後は勿論…

ゴチンッ!!ゴチンッ!!

こあみ「と゛く゛ぁ゛!?!?」

こまみ「ち゛ぃ゛い゛!?!?」

P「静かに遊べって言ったよな!!ちっちゃんとぴよぴよが目の前で寝込んでるんだぞ。暴れるな屑が!!」

双子の頭頂部に一発ずつPの鉄拳制裁が発動しました。双子の頭は鉄拳により見事なぐらいに凹の形に歪みました。Pの鉄拳の威力が凄いのか、ぷちどるの頭が異常に柔らかいのか…おそらくぷちどるの頭の中が空っぽなのでしょう。

こあみ「と゛、とか゛…」フラフラ

こまみ「ち゛~~~」フラフラ

P「次やってみろ、事務所からほり出してやるからな!!」

Pは改めて双子に注意すると事務仕事に戻って行きました。双子は激痛の余りその場で動けずうずくまっています。どうやら脳震盪を起こしている様ですね。しかし頭があの様な形に歪んでいるのに脳震盪だけですむとは…

………
……

春香「天海春香ただいま戻りました~!!」

あふぅ「ナ~ノッ!!」

ちびき「はいさ~い!!」

P「お~春香。お帰り、遅かったな。薬は貰ってきたか?」

Pが双子に鉄拳制裁を発動してから暫く後、765プロのアイドルの1人、天海春香が事務所住まいのぷちどる屑あふぅと響の家畜ちびきを両脇に抱え事務所に入って来ました。

春香「遅くなってすいません。おばちゃんの所の材料がきれていた様で…でも貰ってきましたよ、おばちゃん印の丸薬。」

どうやら春香はPからお使いを頼まれており事務所近くの商店街の中にある『まんぜう屋』に薬を貰いに行って様ですね。大混乱中の事務仕事の邪魔にならない様にあふぅとちびきを連れて…御苦労様です春香。

P「おっこれこれ。春香、すまないが早速ちっちゃんとぴよぴよに飲ませてやってくれないか?2匹はソファで寝ているから…頼むから転ぶなよ。」

春香「転びませんよ!!」

Pが頼んでいたこの『おばちゃん印の丸薬』はおばちゃんの手によって作られた漢方薬で、以前ちびきといおが花粉症で(人間が)困っている時、おばちゃんに相談したらこの薬を貰いました。2匹に飲ませた処、翌日には花粉症が完治した万能漢方薬でおばちゃん曰く「風邪も治るよ~」との事。

その為、ちっちゃんとぴよぴよの風邪を治す為にPがおばちゃんに連絡をいれて頼んでいた様です。そしてPは忙しく事務所から出る事が出来ないので代りに春香が取りに行ってた様ですね。

春香「さぁ、ちっちゃんにぴよぴよ。お薬貰ってきたからしんどいけど起き上がってね。きちんと飲んで風邪治そうね~」

ちっちゃん「めぇ…」パクリ

ぴよぴよ「ぴ…」パクリ

ちっちゃん「めぇぇぇ…」マズイ

ぴよぴよ「ぴょょょ…」マズイ

春香「あはは…我慢我慢。」

2匹は春香から手渡された『おばちゃん印の丸薬』を物怖じせずパクリと丸呑み。2匹は不味そうな顔をしていますが良薬は口に苦し。これで明日には元気になっている事でしょう。そこへ…

こあみ「と゛か…」凹

こまみ「ち゛…ぃい…」凹

春香「うひゃあ!?って、こあみにこまみ??頭へこんじゃってるけどどうしたの!?」

先程Pに鉄拳を喰らった2匹が春香の声を聴いて奥からやってきました。未だに頭がへこんでいます。その所為なのか鳴き声もくぐもった変な鳴き声のままです。元々全部が変ですが…

P「ああ…そいつ等な。このクソ忙しい時に遊べと催促するわ、ちっちゃんとぴよぴよの前で暴れるわ…で躾けの為に一発ずつ殴ってやった。」

春香「頭へこむぐらい殴らなくても。」

P「んなもん卓球のピンポン玉と同じ様に熱湯につけたら元に戻るだろ。まあ冗談だがな……全く貴音のやつ。こいつ等の躾けはどうなってやがるんだ…」ブツブツ

春香「本当ですか~?………………」ウズウズ

と言う訳で給湯室にやって来た春香とこあみまみ。寸胴鍋に水を入れて着火。暫くすると鍋が沸騰したので早速こまみの両足を掴んで逆さに持ち上げ鍋のふちへ。勿論2匹は逃げられない様にヒモで縛られ、水分を吸って重くならない様に服も脱がされ裸状態でいます。そして…

こまみ「ぢぃぃいい!?にーーぢゃ!!にーーーーーぢゃーーー!!!」オブオブ

こあみ「どかーー!!どかどかどがーー!!!!」オブオブ

春香「……いざ!!」

どたぷ~ん!!

こまみ「ち゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」

鳴き叫び助けを呼ぶこまみと姉の危機を叫ぶこあみを無視して、春香はこまみを熱湯の中へ沈めました。その直後、給湯室から断末魔にも似た絶叫が事務所内に響き渡りました。百度以上の熱湯に頭から突っ込まれたので無理もありません。熱湯につかっている場所から身体中を焼き切る様な激痛がこまみに襲い掛かっています。

P「五月蠅いぞこまみ!!って、春香何やってんだ!?」

春香「え?プロデューサーさんがへこんだなら熱湯につけたら戻るって言ったから試してみようと…」のワの

給湯室から響くこまみの絶叫に再び我慢の限界が来たP。今度は気絶するまで殴ってやると意気込んで給湯室へ行くとそこには目を疑う様な光景が。春香がこまみの両足を掴みずんどう鍋に突っ込んでいたのです。これには流石のPも驚きを隠せません。ですが状況を即座に理解したPは…

P「五月蠅いから口まで沈めろ。後、死なん程度にな。」

春香「は~い!!」

こまみ「あ゛あ゛あ゛か゛ほ゜っ゛こ゛は゛っ゛こ゛ほ゜!?!?」

こあみ「にーーーちゃ!!!にーーーーーーちゃ!!!!」

P「五月蠅い!!黙っていろ!!」

グボッ!!

こあみ「と゛は゛っ゛!!!」

五月蠅いから口まで沈めろと言っただけで助けようとはしません。それを見たこあみはPに姉を助ける様に必死に鳴き叫んでいます。ですがPはこあみに対しゴミを見る様な目で(Pヘッドの為、解りませんが)腹に一蹴り入れて事務仕事に戻って行きました。

しかし、Pの言った冗談を真に受けてあり得ない事を即実行する春香。何処か精神が病んでいるのでしょうか?それとも彼女も只のバカ?

P「ったく、五月蠅くて仕方ない…おっと、そろそろ時間か。お~い響、お前そろそろ仕事の時間だぞ。準備しろ~」

響「え゛…うぎゃーー!?!?自分、今からじゃ絶対間に合わないぞ。どうするんだプロデューサー。」

事務仕事に戻ったPは響に仕事の時間だと告げました。どうやら響もフェアリーの仕事が入っていた様ですね。ですが貴音は朝から出発しているので今からでは到底間に合いそうにもありません。どうするつもりでしょう?

P「ほい、困った時のみうらさん。」テッテレー

みうらさん「あら~」

響「あ、みうらさん居たんだ。」

P「貴音と美希を先に現場にほり込んでいるから、みうらさんに連れて行ってもらえ。帰りは3人で帰ってくれば電車賃も浮いてなんくるないさ~」

響「そうだな。良し、みうらさん頼んだぞ。」

みうらさん「あらあら~」スタンバーイ

パンッ!!フュン!!

移動手段と言えばみうらさん、と言う訳で響は仕事の準備をし拍手1つ打って、みうらさんと一緒にワープして現場に向かいました。Pは響の事務仕事能力をかっているのでしょうか?これで響はアイドルを辞めても働き口は確保出来ましたね。しかし、アイドルが事務仕事をする事務所って…

春香「プロデューサーさん、見て下さい!!こまみちゃんの頭が元に戻りましたよ!!」

P「…………生きているのか、それ?」

こまみ「……ぃ…ぃ……」ピクピク

P「おっ一応生きているみたいだな…頭のへこみは戻ったけど最早虫の息だな。それに顔中火傷しまくって気色悪さ増量だな。」

響がみうらさんと共に仕事に出かけた直後、こまみを両手に抱えて満面の笑顔を浮かべ給湯室から春香が出てきました。熱湯に頭から突っ込まれたこまみは顔中重度の火傷を負って肌もピンク色どころか赤黒くなり、瞳孔も開いていますが辛うじて生きていました。ですが、ここまで酷いと放っておいても直に死ぬでしょう。

P「あれ、もう1匹はどうした?」

春香「頭を戻すの面倒臭くなったの鍋にほり込んで蓋して放置しています。」

そして、もう1匹こと妹のこあみに至っては泣き叫ぶ間も無く、鍋に頭からほり込まれた様で鍋の中で息絶えている事でしょう。死因?全身火傷及び窒息死って処でしょうか。そのおかげか今現在、事務所の中は静かなものです。

P「そうか、通りで静かな訳だ。」

春香「そうでしょそうでしょ。プロデューサーさん、これで仕事に集中出来ますね。」

P「ところがどっこい、アイツ等が居る限り落ち着いて仕事が出来ないんだ。」

あふぅ「ナノ?」

ちびき「だ~ぞ?」

Pが指差す先。そこには屑の権化あふぅと我那覇家の家畜ちびきが仲良く遊んでいました。2匹はPに呼ばれたので遊んで貰えると思ったのか、こちらにトコトコとやってくると…

あふぅ「ナノッ!!」グイグイ

ちびき「だぞだ~ぞ!!」グイグイ

Pのズボンの裾を引っ張って催促し始めました。これでは先程の双子と一緒ですね。所詮は食って寝て遊べ…

P「俺は忙しいんだ。お前達だけで遊んでいろ。」

あふぅ「ナノ?……ナァノ!……ナノーー!!!」ピョーン

ドンガラガッシャーン!!!

ちびき「ぞっ!?」

何を思ったのか何も思っていないのか…Pに自分達で遊べと言われたあふぅとちびき。突如、あふぅが事務所の中を縦横無尽に飛びまわり机の上の物を次々となぎ倒し始めました。どうやらこの屑、遊べと言われたから事務所内を遊び場にして暴れている様ですね。ちびきもこれにはビックリ。

P「おい、止めろあふぅ!!」

あふぅ「ナーーーーノーーーー!!!!」ジャンプ

Pの制止にも全く聞かん坊のあふぅ。その間にも物は破壊されて行きます。その時…

メキョ!!

あふぅ「ンバッ!?あぐぅ!!」

小鳥「…」

あふぅの顔面に音無さんの強烈な右ストレートがめり込みました。プロボクサーにも劣らない光速の一撃をモロに喰らったあふぅは避ける事も出来ず吹っ飛ばされ壁に叩き付けられました。

あふぅ「ナ…ナノォ!!ナァアアアアアア!!!!」ダッシュ

あふぅ「ナアアアアノオオオオオ!!!!!!」ジャンプ

顔面を殴られた為か鼻血を噴き出ているあふぅ。ですが無駄に頑丈なのがぷちどる。それぐらいでは参りません。あふぅは殴られた痛みを怒りに変え音無さんに反撃する為、お得意の突進&頭突きを行うべくダッシュしてジャンプ。

小鳥「ふっ!!」

グシャッ!!

あふぅ「ナ゛ア゛ーーーーーーーーーー!?!?」

ですが、ジャンプした先に待ち受けるのは鬼…もとい般若の顔をした音無さん。反撃などお見通しと言わんばかりに綺麗なおみ足で回し蹴り。あふぅの顔に今度は足がめり込みました。

小鳥「ちょっと屋上に逝きましょうか、あふぅちゃん?プロデューサーさん、春香ちゃん。私が戻るまでに『全部』元に戻しておいてクダサイ…ネ?」

P・春香「「は…はい。」」ガクブル

ちびき「あ…あが…」ガクブル

絶叫するあふぅをしり目に、音無さんはPと春香に片づける様にお願いすると激痛で悶絶しているあふぅの髪の毛を掴んで屋上へ向かって行きました。恐らくあふぅは二度と事務所に戻ってくる事は無いでしょう。

あふぅ「ナ゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ………」

グシャ

音無さんがあふぅと共に屋上に上がってから、怒号と悲鳴が聞こえていましたが暫くすると何かが砕ける音と共に路地裏に汚い一輪の真っ赤な花が地面に咲きました。

………
……

ヒュン!!

美希「たっだいま~なの♪」

貴音「だだいま戻りました。」シジョーン

響「ただいまだぞ~。」

みうらさん「あら~」

P「おう、お帰り~。」

小鳥「みんなお帰りなさい。」

夜、ようやく仕事もひと段落してPと音無さんが一休憩をしていると仕事を終えたフェアリーがみうらさんのワープにより無事事務所に帰って来ました。

響「お~い、ちびき~何処だ~?帰るぞ~」

ちびき「ぞっ?あ、あんまよ~~!!」オブオブ

響「ど、どうしたんだちびき!?」

P「ああ~…ま、色々あったんだよ。色々な…」

響「??…まぁいっか。プロデューサーにぴよ子。それじゃなー!!」タッタッタ

美希「あふぅ…美希も疲れたから今日はもう帰るの。」フラフラ

P「おう、2人共お疲れ。」

響はちびきを連れて、美希は眠たい目を擦りながらフラフラした足取りでそれぞれ帰宅の途につきました。2人共お仕事お疲れ様です。

貴音「では私もそろそろ帰りましょう。こあみ、こまみ帰りますよ~………はて?出て来ませんね。」

P「貴音。どうした?」

貴音「プロデューサー殿。いえ、私も帰ろうと思うのですがこあみとこまみが呼べども出てこないのです。何処かで寝ているのでしょうか?」

P「そうか…おっと、そう言えば春香がお前に叉焼を作っていたぞ。ラーメンにどうですか?だって。」

貴音「なんと!?そうですか、こあみとこまみの事は心配ですが…それはそれ、では早速。」ニュ

P「貴音、どっからラーメンを出した??」

貴音「細かい事はお気になされず…さぁ、早く!!!」

美希と響の2人が帰った為、貴音も帰ろうと朝事務所に預けたこあみとこまみを呼ぶ貴音。普段なら直ぐにでも喜んで登場するハズですが、一向に出てくる気配がありません。ですが偶に寝ていて出てこない事もある様で、貴音はさほど心配はしていない様子。

それよりも貴音は春香特製の叉焼があるとPから聞かされた為、其方の方に心動かされている様ですね。直ぐ様、懐から丼鉢を出しました。しかも麺とスープが入っており出来たてなのか湯気が。貴音らしいと言いますか…彼女の言葉を借りると、『面妖な…』

P「ほいほい、これだよ。」

ドスンッ!!

Pが持って来たのは大きな寸胴鍋でした。どうやらこの中に叉焼が入っている様ですね。おや?寸胴鍋と言えば……

P「適当に切ってやるよ。」

貴音「おお、これは中々美味しそうな…では、有り難く頂戴いたしましょう。」モゴモゴ

貴音「こへは…モゴモゴ、なはなは…」ゴクン

貴音「大変美味しゅうございます…しかし、この叉焼に使われている肉は食べた事の無い味…はて、この肉は一体?」

P「さぁ?俺も良く知らん。春香が給湯室に籠りっきりだったから。おお、そう言えば春香がコレも貴音に渡しておいてくれって言われてた。」

Pは寸胴鍋に入っていた肉の塊を適当な大きさに切り取って貴音に渡しました。料理上手な春香が作ったので味は抜群の様です。美味しいのは確かな様ですが、食べた事の無い肉の味に貴音は少し疑問を抱きました。そこにPは春香から預かっていた物を貴音に渡す事に。

貴音「コレは…こあみとこまみの髪留め?……まさか!?」

パカッ!!

貴音「ヒッ!?…あ…ああ……」

P「………」

貴音はPから預かり物を受け取ると、それが即座にこあみとこまみの髪留めだと気が付きました。双子はこの髪留めが大のお気に入りで、2匹の飼い主の貴音ですら中々触る事の出来ないものです。それをPから手渡された貴音、勘が鋭い彼女は気がついたのか寸胴鍋の蓋を取っ払う様に開けました。

寸胴鍋の中には多少荷崩れしていますが、見慣れた背格好の肉塊がぷかぷかと浮かんでいました。見分けはつきにくいですが恐らくこあみでしょう。どうやらこあみは鍋にほり込まれた後は一度も鍋から出る事無くこの中で生涯を終えた様ですね。まぁ最後に文字通り飼い主の血となり肉となったので良かったと思いましょう。

小鳥「貴音ちゃん、焼き叉焼もあるけど勿論食べるでしょ?」

貴音「!?!?…どう…して、この様な………」

小鳥「はい、貴音ちゃん。」

貴音「あ………ああ………」フラフラ

貴音が寸胴鍋の前で泣き崩れていると、音無さんが給湯室の中から大皿を抱えて出てきました。皿の上にはこれまた見た事のある大きさで、こんがり良い色に焼き上がった肉塊が…こちらはこまみでしょうか?それを貴音は受け取ると壊れた人形の如く、覚束ない足取りで事務所から出て行きました。

小鳥「でも良かったんですかプロデューサーさん?貴音ちゃん、恐らく明日から来ないですよ。」

P「構いませんよ。フェアリーも期限付きのユニットでしたし、なにより貴音はぷちを甘やかしますから。貴音の所為でどれだけ被害が増えたか…その点、響は動物を飼っているだけあってそこの処は分別を弁えています。最近、ちびき泣いても化物召喚しないでしょ?」

小鳥「そう言えば…」

P「徹底的に殴って調教しましたからね。響にも今度事務所を破壊するとちびきを処分するって伝えてありますし。動物好きの響にとってはこれ以上ない脅し文句ですよ。因みに、伊織にも同様の事を伝えてあります。」

小鳥「そうなんですか。」

P「さてと、そろそろ俺等も帰りますか?どうです下のたるき亭で一杯?」

小鳥「お誘いは嬉しいですけど、今日はちっちゃんを連れて帰らないと。」

P「そうでしたね。俺も今日はぴよぴよ連れて帰らないといけないな。では、次回と言う事で…」

小鳥「はい、楽しみにしてますね。」

こうして765プロの一日が今日も終了しました。ぴよぴよはPが看病するみたいですね。薬を飲んだちっちゃんとぴよぴよも明日には元気いっぱいになって事務仕事に励んでくれるでしょう。頑張れ765プロの裏方一同。そう言えば事務所住まいのもう一匹は?

P「ゆきぽ?んなもんスコップ回収して頑丈な檻に入れて物置に放置してますよ。今日で絶食3日目かな?まぁあの害獣は出しても碌な事無いんで死ぬまで放置しておきますよ。」

ゆきぽ「ぷぇぇぇん…ぷぃぃぃぃ…」メソメソ

終わり


  • 最終更新:2014-06-10 06:43:27

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