聖なる夜の二人の来訪者
スッ……
クリスマスイブの深夜、765プロ事務所に突然現れた、赤い衣装に白い長い髭を生やした老人。寝ているぷち達を見回し
「ああ、この子だね。今年、良い子でいた君にプレゼントだ。来年も良い子でいるんだよ。メリークリスマス」スッ
その老人はそう言って、ぴよぴよの枕元にプレゼントを置いた後、忽然と姿を消しました。
その数分後
スッ
先ほどの老人のように、またもや事務所に突然、誰かが現れました。こちらも老人。長い髭こそ先ほどの老人と一緒ですが、全体的に暗い感じの出で立ちです。
「こんなに悪い子が二人、一つ屋根の下にいるのはとても珍しいね。金髪の子の方が、とても悪い子だね。メリークリスマス」ドロッ……
その老人はあふぅが寝ている段ボールに、ドロッとした何かを袋から取り出し流し込みました。
あふぅ「zzz……ナァ……ノォ……」ウーン……
ひとたび寝てしまうとなかなか起きないあふぅですが、先ほど段ボールに流し込まれたモノの感触が不快なのか、顔をしかめています。
「さて、茶髪の子の方が、とてもとてもとても……とても悪い子か……『とても』が10以上つくような悪い子はヨーロッパには、いや、こんな子はいまだかつて見た事がない。……さて、始めるか」ギュッ
老人はそう言って、ゆきぽの両耳を掴みます。そしてその手を左右に引っ張り始めました。
ゆきぽ「zzz……ぷいぃ……ぅーん……」ムニャムニャ
ゆきぽもあふぅと同じく、ちょっとやそっとでは目を覚ましません。が……
グイグイ……グイグイ……
ゆきぽ「んぅ~……ぽ?」パチクリ
耳を引っ張られる感覚に目を覚ましたようです。しかし男は引っ張る力を微塵もゆるめません。そして
ゆきぽ「ぽぉえ~?!ぷぎぎぎ……ぃぎいいい……」イタイ……ナニ?!ナニ?!
起きたばかりで理解が追いつかない様子。しばらくされるがままのゆきぽでしたが、ようやく目の前の老人が自分の耳を引っ張っている事に気がつきました。老人の手を振りほどこうと手を伸ばします。
しかし、遅すぎました。
ビリビリビリ……ブチィッ!
ゆきぽ「ぽんがあああああああああああああああっ????!!!!」
「さて、この耳は、この子が何をやっても『可愛いから』で済ませてしまう緑の子にプレゼントだ。メリークリスマス」ポイッ ベチャ……
そう言って音無さんのデスクの上にゆきぽの両耳を投げつける老人。
ゆきぽ「ぽ?ぽっ!」スコップ スッ
ゆきぽは寝ているところをビックリさせられると、スコップを床に垂直に向け、体を回転させながら穴を掘り始めます。
ゆきぽ「ぷいぃぃぃーー!」ギュルギュルギュル!!
「おっと、待ちなさい。起きていきなり人の迷惑になる事をするなんて、本当に悪い子だ」ギュッ グイッ
ギュルギュルギュルギュル……ミチミチミチミチッ……ブチブチッ……!
ゆきぽ「ぷぎぃあっ!ひうーーーっ!!」イタイヨー!
老人はゆきぽの頭頂部の髪を掴んでいました。ゆきぽのスコップの先は床までとどきません。空しく空転するばかりのゆきぽの身体。掴まれていた髪は、ゆきぽの回転によって老人の手に巻きつき、嫌な音を立てます。一部の髪がねじ切れてしまったのでしょう。
「やれやれ、指に絡んでしまったな。それっ」グッ
ブチブチィ!
ゆきぽ「ぴぎぃぃぃぃぃいっ!ぁうあぁっ!」
老人が渾身の力で髪を引っ張ると、頭皮と一緒にサラサラだった髪がゴッソリと抜けました。
「さて、この髪は、この子に妙に甘い眼鏡の子にプレゼントだ。メリークリスマス」ポイッ ファサッ……
そう言って律子のデスクの上にゆきぽの抜けた髪を投げつける老人。
ゆきぽはパニック状態でした。この子はパニックになると、スコップを使い目の前の脅威を排除しようとします。両手にスコップを構え
ゆきぽ「ぽおえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえっ!!!!!」ダッ!
「コンクリートを破壊する力を誰かに向ける事が、どれだけ罪深い事か教えてあげよう」スッ
老人はあふぅの段ボールに流し込んだドロッとした何かを取り出した袋から、鉈を取り出しました。それをゆきぽの右肩に、一閃。
ゆきぽ「ぽおえぇぇぇ……ぽああっ?!」グラリ……ぺチャ
ゆきぽは左手側に転んでしまいました。立ち上がろうとしますが、いつもと何か勝手が違います。バランスが取れないのです。立ち上がろうとすると身体が左に傾き、まっすぐ立ち上がれません。
何か変だな、と思い、ゆきぽが右手を見ると……
右手の、肩から下がありませんでした。
ゆきぽ「ぽ、ぽひいぃぃぃぃぃぃぃぃいっ;;」ブルブル
気づいた瞬間、激痛と恐怖がゆきぽを襲います。
「それが、君が私にしようとした事だ。コンクリートを破壊する力を他人に向ける事は、その対象を不具にしようとする事と同義だ。君が何もしていない犬に先ほど私にしたようにスコップを構えた事は知っている。それがどれほど大それた真似か、その身をもって思い知るがいい。さて、あと、一本」
ゆきぽ「ぽひぃ……;;ぷひひぃ……;;」ズルズル……
ゆきぽにはもう、立ち向かう勇気などありませんでした。ズルズルと情けなく這いつくばりながら、老人から逃げようとします。しかし
ズバッ!
ゆきぽ「ぽんぎゃああああああああああああああっ!!!!!」
残った左手も切断されました。
「さて、この両手とスコップは、アイドル達との軋轢を恐れてろくに躾をしようとしなかった、頭がPの子にプレゼントだ。メリークリスマス」ポイッ ドサッ……
そう言ってPのデスクの上にゆきぽの両腕及びスコップを投げつける老人。
ゆきぽ「はうー!はうーっ!はうーーっ!!」ズルズル……
両手を切断され、まるで尺取り虫のように老人から離れようとするゆきぽ。失禁してしまったようで、這ったあとはナメクジのように水の筋ができていました。
「やれやれ、悪い子が多すぎてプレゼントが足りないね。君をのさばらせている子があと12名いるが、君は12等分するにはいささか量が少なすぎる。そこで」スッ
老人は袋から、鉄の杭とハンマーを取り出しました。
ゆきぽ「ぽひぃ、ぷぃ~;;」
「どこへ行かれるのですか(ドミネ・クォ・ヴァディス)?」おまえは磔刑だーッ!! 」
老人はそう叫んで、ゆきぽの尻尾を掴んで逆さに持ち上げました。
「なるべく入ってすぐに目に入る位置にしようか。他の子には消えないトラウマを植え付ける事でプレゼントにかえさせて頂こう」カンッ カンッ カンッ
ゆきぽ「ぷぎぃ!ぱぅあっ!ひぃああ~っ!;;」イヤイヤ!
尻尾に三ヶ所杭を打ちこまれ、壁に逆さに固定されるゆきぽ。でかい頭を必死に振って、イヤイヤと老人に訴えますが、老人はお構い無しに、次に杭を打ち込む場所をどこにしようか考えていました。
「粗相をした下腹部にするか」カンッカンッ
ゆきぽ「ぽぎゃあっ!ぎっ!ぎっ!ぽごあっ!ぎゃあああああああああああっ!!!!!」
下腹部に杭が打ち込まれました。尻尾に打ち込まれた杭もそうですが、根元までしっかりと打ち込まれており、ちょっとやそっとでは抜けそうもありません。
「最期は一番悪い子の君へのプレゼントだ。君には激痛と恐怖と絶望と死をプレゼントしよう。杭を打ち込む場所は君に決めてもらおうか。どこがいいかね?ここかね?それともここかね?」スッ……スッ……
心臓、喉元と杭の先で指していく老人。眉間を指そうとした途中でゆきぽが一際激しく身をよじらせました。
ゆきぽ「ぽひぃっ!ぷやあっ!;;」
「なるほど、右の目玉をご所望のようだ」
ゆきぽ「ぷいぃぃぃぃぃぃぃぃぃいっ!ぽやっ!ぽやああっ!ひぃうーーーー!」イヤイヤ!ビービー!ガタガタ!
「さて、プレゼントといこうか、激痛と」カンッ
ゆきぽ「ぎッ!ぽぎゃあああああああああああああっ!!!!」ビクンビクンッ!
「恐怖と」カンッ
ゆきぽ「ひぃぎッ!ぷひぃぃぃぃぃぃぃ~っ!;;」ボロボロ
「絶望と」カンッ
ゆきぽ「ぎッ!ぎッ!……ぁ、ぁ……ぁ」ピクピク
「死を」カンッ
ゆきぽ「……!」ビクンッ!
「メリークリスマス」
ゆきぽ「」
ゆきぽの目に深々と杭を打ち込んだ後、老人は忽然と姿を消しました。
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「『ぷちどる いじめ・虐待専用スレ』のみんな、メリークリスマス!知っている子もいるかとは思うが、サンタクロースは二人いる。みんながご存知なのは良い子にプレゼントを渡す赤服のサンタクロースだと思うが、私は悪い子にお仕置きをするもう一人のサンタクロース、日本では『黒いサンタクロース』、ドイツでは『クネヒト・ループレヒト』などと呼ばれている。日本ではあまり馴染みはないと思うが、これを機会に是非覚えて頂ければ光栄だ。普段からこの邪悪な生き物を憎む良い子の君達へ、去年の赤服のサンタクロースに続き、今年は『黒いサンタクロース』の私から、ささやかなプレゼントをさせていただいたよ。去年は沢山の良い子達からの願い事があったものだが、今年は残念ながら願い事が少なくてね……赤服のサンタクロースと話し合った結果、私が今年の君達へのプレゼントを担当する事になった。もっとも、普段私は喜ばれるようなプレゼントを考える立場ではないので、去年の赤服のサンタクロースに比べたら、至らない点はあるとは思うが……日本にはまず行く機会がない私だが、今回のクリスマスは特別だよ。私が悪い子に渡すプレゼントは、石炭やジャガイモなど子どもが好まないもの、とても悪い子の寝ているベッドには豚の臓物をぶちまける。金髪の子の段ボールに流し込んだのは、豚の臓物だった訳だね。とてもとても悪い子は、サンタの袋に詰め込まれて連れ去る。しかし、『とても』が10以上つく、これほどまでの悪い子を粛清するのは初めてで、私にとっても貴重な経験になったし、君達にとっても良いクリスマスプレゼントになったのではと自負している。みんな、邪悪な生き物を憎む気持ちを、どうかいつまでも持ち続けて欲しい。それでは、メリークリスマス」
聖なる夜の二人の来訪者 終わり
- 最終更新:2015-12-18 02:45:00