765プロぷちどる対策委員会 2部

~~ぷちますの生態を研究しよう~~


律子「先週はお疲れさまでした。遠くまで出かけて大変だったでしょ?」

P「俺にとってはちょっとした旅行気分だったかな。
  粛清ってのも気分転換にはちょうど良いよ」

やよい「うー。うー」

P「ん?」

やよい「うー」

P「構ってほしいのか?
  よし。十円玉を落としてあげよう」

やよい「うー!! うっうー!!」ペロペロ

十円玉を必死に舐めるのは、やよの習性だ。

音に敏感であり、隣室に落ちた硬化でも分かるほどだ。

たっぷり舐め終えてからべろちょろにしまい、すっかりご機嫌。

やよ「うー!! うー!!」 

P「ははは。可愛いな」

律子「甘やかしてどうするんですか」

P「良いんだよ。死ぬ前のほんの一時の安らぎじゃないか」ボソッ

ゆきぽだけは、その小声を聞き逃さなかった。

ゆきぽ「ぽ……ぽえ~……」ブルブル

P「どうしたゆきぽ?」

ゆきぽ「ぽえっ……ぽえ~……ぽえ~……」ブルブル

P(こいつ……)

P「もしかしてあふぅ達のことが気になってるのか?」

ゆきぽ「ぽえっ!! ぽえーっ!!」

P「そうかそうか。あいつらがどうなったか知りたいんだな?」

ゆきぽ「ぽえっ!」

P「じゃあついてきなさい。あつらのとこへ案内してあげるよ。
  やよも一緒においで?」

爽やかな青年の笑みにコロッと騙されたやよ。

何の疑いもなくPの腕に中に収まる。

P「ゆきぽは来ないのか?」

ゆきぽ「ぽぇ……ぽぇ……」

P「おい」

ゆきぽ「ぽぇ?」

P「来ないとやよを殺すぞ?」ボソッ

ゆきぽ「ぽえ~~~~!?」

P「他のバカが感づくから大声出すんじゃねえよ。
  逆らったらおまえも八つ裂きにしてやる。分かったか?」

ゆきぽ「ぽぇー……」ビクビク

余りの迫力に反抗する気力すら奪われてしまうのだった。

ゆきぽは気弱なせいで損してる性格だ。
それが分かってるからPは怖い口調で脅したのである。


社長室に入ると窓際にベッドが置いてあった。

伊織「さて。さっそく実験開始ね?」

チャリィン

五十円玉が落とされた瞬間、やよは衝動的に走り出した。

ドオッ!!

短い爆発音。やよの左足が吹き飛び、白い煙が充満した。


やよ「……うー?」

もうすぐ五十円玉にたどり着けるのに、なぜか転んでしまった。

起き上がろうとしても、思うように動けないことを不思議に思う。

すぐそばに左足だったものが落ちているのだが、
それよりも硬化を愛でたくて仕方なかった。

伊織(五十円玉の前に分かりやすく小型地雷が置いてあったのに。
    あいつの知能じゃやっぱり気づかなかったわね)

やよ「うー? うー?」

必死に手を伸ばすその姿。人に似た姿をした家畜の姿。

飽きれるのを通り越して哀れみすら感じさせる。


バッキュウウウウン


やよ「……?」

頭の回転が遅いやよは、自分が狙撃されたことにすら気づいてない。

弾は背中からお腹へと貫通したのだ。べろちょろにも風穴が空いてる。

どくどくと自分の身体から血が流れてるのを見て、初めて現実を知る。

やよ「ごほっ……!! ごほ……うー……!!」  

内臓が焼けるような痛みを感じ、何度も吐血した。

左足からの出血も手伝い、床に血がどんどん広がっていく。

銃をしまった伊織は、やよを乱暴に持ち上げてベッドに寝かせた。


ゆきぽ「ぽ、ぽえええぇ!!」スタタタタタッ

P「おおっと。途中退席は禁止だぞ?」

後ろから首根っこを掴まれ、簡単に持ち上げられる。

猫と同じ要領だ。ゆきぽは手足を空中で
ジタバタさせるだけで抵抗不可能だった。

ゆきぽ「ぽええぇ!! ぽえぇ!!」

P「ははは。ほーら。高い高ーい」

ゆきぽ「ぽーーー!! ぽええ!! ぽええっ!!」

P「……おまえさ。酷い目にあわされる理由を考えたことあんのか?
  おまえには散々床を壊された。修繕費だけで莫大な額だぞ?」

社長の話では、ゆきぽは会社の経営難を引き起こした一番の
原因らしく、特に力を入れて粛清するよう頼まれてある。

ビリッ ビリッ ビリッ

ゆきぽの服を破き始め、あっという間に裸にしてしまった。

頬を赤く染め、短い手で必死に身体を隠そうとする。

ゆきぽ「ぽぎぁぁ!? ぽぎぃっ/// ぽぎぃっ///」 

P「ははは。畜生のくせに恥ずかしがってんじゃねえよ。
  逆さまにして天井から吊るしてやろうか?」

ゆきぽ「ぷぃ~!! ぽぎっ!! ぽぎっ!!」

P「ほう。今日はやけに反抗的だな? 可愛げのないクズだ」

自分の背より高く持ち上げて首を絞める。

両手を使うのはもったいないので左手だけで。

ゆきぽ「ぷぃぃ~~……ぷ……いぃ~~~……」

P「ははは。あははははは!! 苦しいか!?」

ゆきぽ「ぷぃ……ぷいぃ……」ジタバタ

P「ざまあねえな。人間様に逆らうからこうなるんだよ。
  二度と逆らわないって誓えば止めてやるぞ?」

ゆきほ「ぽえっ!! ぽぇぇっ!!」コクリ コクリ

P「ほう。絶対だな?」

ゆきぽ「ぽえっ!!」

首絞めから解放されたゆきぽは大人しく手錠され、
椅子の上に座らされた。やよのベッドのすぐ近くだ。

伊織「やよの解剖実験を始めるわ」

雪歩「お腹にメスを入れるね?」

医者のような恰好をした乙女たちが、やよの内部を暴く。

銃弾が貫通した結果、どのように内部が損傷してるかなど、
調べることはたくさんあった。

社長「ふむ。実に興味深いね。しっかりメモ取らなくちゃ」←書記も担当


やよ「うーーーーーー!! うぅーーーーーー!!」


生きたまま内臓に触られるという想像を絶する苦痛に直面したやよ。

手足はきつめに縄で縛られてるので、抵抗など無意味。

唯一自由な頭を左右に振り見出し、叫ぶだけだった。

伊織「ふーん。心臓、肝臓、腸など人間と変わらないわね。
    未知の生物だから、どんなものかと思ってたけど」

雪歩「今心臓を取り出したけど、ドクンドクンって動いてる。
    内臓の配置も人間の小型版って感じだね」

P「人に似てるけど人とは違う生物ってとこだろうな。
  外見はそのままに理性が存在せず、知性が異常に低いのが特徴か」

やよ「うっ……うっ……うっ……」ピクピク

雪歩「それに頭部と瞳が異常に大きいですね。手足が短すぎますし、
    排泄も正しく行えないから悪臭が凄いですぅ」

伊織「そうなのよねぇ。半分人間で半分獣かしら?
    まあ育った環境にもよるんでしょうけど」

雪歩「この子たちってほとんど外国育ちなのかな?」

P「おそらくそうだろうな。身も心も野生の獣に近いんだよ」


やよ「うー……」ピクピク

今のがやよの発した最後の言葉だった。

内臓をめちゃくちゃにかき乱されても
すぐにショック死しなかったのは驚きだった。

即死を免れただけでも大した生命力である。

ゆきぽ「ぽえ……ぽえぇ……ぽぅぇぇ」シクシク

P「へえ。畜生のくせに仲間が死ぬと悲しいのか?
   てっきり共食するタイプのクズだと思ってたが」

ゆきぽ「ぽぇー……ぽぇー……ぽええっ……」シクシク

社長「今後の参考になる資料だよ。ぷちどるには仲間意識があると」メモメモ

殺された仲間のことを想うゆきぽを見て複雑な気分になるP。

犬畜生とはいえ、仲間を想う心までクズとは言い切れないのだ。

Pが優しく頭を撫でても、ちっとも泣き止んでくれないのだった。


ガラッ

伊織「誰?」

いお「もっ。もっ」

雪歩「わあ。いおちゃんですぅ」


挨拶代わりに雪歩に蹴り上げられ、天井から床へとバウンドする。

痛みで頭が混乱してるところ、眼前には鬼の形相の雪歩がいた。

いお「キ……キィィ……?」

雪歩「なんで勝手に入ってきたの?
    事務所から出ないように言ったよね?」

いお「キィィィ!? キィィィイィィ!?」

両手で挟むように頭を締め付けられ、
悶絶するほどの痛みと戦うことになった。

これでは話をするどころではない。

ゆきぽ「ぽえーっ!! ぽえーっ!! ぽえっ!!」

社長「……代わりに自分を痛めつけろだって?」

伊織「正義心が強いのは美徳ね。めずらしく殊勝な奴じゃない。
    つーか最終的に全員死ぬことが分かってないのかしら?」

P「まあそう言うな。どうせ運命は変わらないんだし、
  死ぬ前にご馳走でもふるまってやろうじゃないか」


あらかじめ用意していたお茶とたくあんを取りだす。

お茶はペットボトルだが、ゆきぽにとっては好物に違いない。

手錠されてるゆきぽに飲み口を近づけると……


ゆきぽ「ぽえぽえっ♪ ぽえっ♪」ズズー

P「ははは。こぼさないように気をつけろよ?」

ゆきぽ「ぽえぽえっ!!」

P「たくあんも食べたいだろ? はい、あーん」

ゆきぽ「ぽぽぽ!! ぽえっ!! ぽええ!!」ポリポリ

P「遠慮せずどんどん食べろよ?」

ゆきぽ「ぽえっ!! ……ぽ?」

P「……」

ゆきぽ「ぽっ!! ぷいぃっ!! ぽえーーーっ!!」

本来の目的を思い出し、騙されたことに怒ってるようだ。

一瞬でお茶とたくあんに心を奪われたあたりに、
生物としての限界を感じてしまうP。

わずかな時間とはいえ、拷問されてる仲間の命より
自分の好物を優先した。

本能のままに生きてることがよく分かる。

硬化に目がくらみ、あっけなく地雷を踏んだやよ。

色欲と食欲と怠惰の塊だったあふぅも同様。


理性という概念がない極めて低俗な生物。

文明社会では生きるに値しない存在。

淘汰されるべき運命にあるのだ。


P「おい」

ゆきぽ「ぽ、ぽえ?」

P「実はこんな書類があるんだが、おまえはどう思う?」

つ『ぷちどる粛清計画の具体案』

ゆきぽ「ぽぇぇっ……ぽぇ~~っ」ブルブル

P「やよを例にすると、生命力に優れるおまえらでも
  内臓が損傷すればすぐ死ぬらしいな?」

ゆきぽ「ぷぃっ?」

P「今その実験をしてるとこなんだ。最初に言っておくが、
  おまえのお仲間には全員死んでもらう」

ゆきぽ「ぷ……ぷぃ……」バタン

P「はは。気絶しちまったか。メンタルの弱い奴だ」


Pはゆきぽを抱きかかえ、やよが寝ていたベッドに寝かせた。

血だらけで凄まじい異臭がするが、
非文明社会で生きてきた生物にはぴったりの場所だ。

やよは伊織によって複数のパーツに分解されて串に刺された。
バーベキューにされ、他のぷちどる用の餌になるのだ。


雪歩「鉄の檻を用意しました。
    前面の扉がスライド式になってます」

まず扉を横方向にスライドし、いおをブチ込んで扉を閉める。

鍵をかければ内部からは絶対に開かない。

鑑賞用なので扉の中央部が頑丈なガラス素材だった。

その四角い枠の中から、いおの苦しむ姿を堪能できるのだ。


いお「もっ!? もっ、もっ」

雪歩「まだ自分の置かれた状態に気付いてないのかな?」

いお「もっ……もっ?」

檻の中を行ったり来たりしてる。

内部はいお四人分くらいの狭さ。

さすがに閉じ込められたことに気づいたいおは、暴れだした。


いお「キィィイイ!! キィィィィ!!」

雪歩「そうそう。その顔が見たかったんだよ?」

いお「キイィ!! キッ!!」

ガラス窓の外の雪歩へ向けてキックを連発。

いおの力では全然壊れそうになく、爪先が痛くなるだけだった。

いお「もっ」みょんみょんみょん

エネルギーを貯め、ビームを放つ。

いお「もっ!!」

雪歩「……」

いお「もっ!? もっ。もっ!!」

雪歩「あのさ。無駄な抵抗って言葉、知ってる?」

いお「もっ……」


さすがに諦めざるを得なかったのか、
くやしそうに震えてから泣き始めてしまった。

最終兵器のビームが通用しないのは初めてだったのだ。

『いお君のビームで壊された会社の備品の分、
  きっちり痛めつけてくれたまえ』

雪歩は社長からの通達を思い出し、心を鬼にする。

鉄の檻の天井部分には、丸い形をした穴が開いている。

穴といっても、いおが通り抜けるには小さすぎる穴だ。

社長「ホースはこれでいいかね? 
    事務所の水道に繋いでおいたよ」

雪歩「ありがとうございます。社長」


ザーーーーー

いお「もっ!?」

天井から水が流れ始め、いよいよ生命の危機が迫っていることを知る。

ガラス扉の前にくっつき、懇願するような目で人間を見ていた。

だが、誰ひとりいおと目を合わせようとしない。


ゆきぽ「ぷぃぃ……?」

ゆきぽを除いては。

急変した事態を察知し、目が覚めたところなのだ。

いつの間にか手錠が外されてたので檻の正面へ近づいた。

ゆきぽ「ぽえ~~。ぽええええっ」

いお「もっ!! もっ!! もーーっ!!」ゲシゲシ

ゆきぽ「ぽぽぽっ!! ぽえぽえっ!!」

雪歩「えへへ。助けたければ遠慮なくどうぞ?
    天井のホースをどければ、いおは助かるよ?」

ゆきぽ「ぷ、ぷぃ……」

雪歩「もしホースに少しでも触れたら
    内臓を全部えぐり出してあげるけどね?」ニコ

ゆきぽ「ぷぃ!?」

雪歩「えへへ」

ゆきぽ「……」

ゆきぽ「ぽー……」クルッ

いお「もっ!?」

背中を見せて去っていく同属。

ついに希望が立たれたことに絶望するいお。

すでに水は自分の腰の高さまで達している。

P「ははは。ゆきぽ? 勝手に助けようとしちゃ駄目じゃないか?」

ゆきぽ「ぽえ~」ウルウル

P「悪い子にはお仕置きが必要だよな? だから……」

――おまえがあのホースを持て。いおが死ぬまでな


ゆきぽ「ぽ……え……?」

もう後はなく、逆らえば絶対に殺されると直感した。

ゆきぽ「ぽえ~」コクリ

P「偉いぞゆきぽ。おまえならやってくれると思ったよ」

雪歩「じゃあゆきぽを檻の上に乗せてあげますね?」

ヒョイ。 

ゆきぽ「ぽ、ぽえ~」

雪歩「しっかりホースを持ってね?」

ゆきぽ「ぷぃ……」


あっという間に水は八割近く埋まり、いおは窒息寸前だった。

いお「もももももっ……」

空気を求めて天井の穴に近づくも、
ホースからは大量の水が流れ続けてる。

いお「もっ!!」ペタペタ

ガラス窓の外にはワイングラスで乾杯してる社長とPの姿。

助ける気など毛頭もないことが分かる。

ついに檻は水でいっぱいになり、水を飲んでしまういお。

いお「ヴぉっ!!」

貴重な空気が口から逃げていき、地獄の窒息タイムが始まった。

天井の穴にゆきぽが重しを置いたので完全に逃げられない。


ゆきぽ「ぷぃぃ」

いお「も!?」

ガラス窓の外には、申し訳なさそうな顔のゆきぽが張り付いてる。

何度もガラスを叩きながら、涙でぐしゃぐしゃになった顔を見せてる

謝罪したくてしょうがないのだろう

だが、生死の境をさまよってるいおには関係ない。

いお「……っ!!」ドンドン

ゆきぽ「ぽえっ!! ぽえっ!!」

いお「……」

ゆきぽ「ぽえーっ!! ぽえーーーっ!!」

いお「」

ゆきぽ「ぽ……え?」


一つの命が失われた瞬間だった。


社長「なるほど。水死するのは人と同じだね」カキカキ

P「一斉淘汰には水を使うのが有効かもしれませんね。
  内臓取り上げるのと違って手も汚れません」

雪歩「クリーンでスマートな処理方法ですねぇ」


今回の実験はこれで終わった。

情をみせたゆきぽは、貴重なサンプルとして生き延びることを許された。
ぷちどるの精神構造を把握するために必要なのだ。

この実験以降、事務所内ではぷちどるによる反人間同盟が
結ばれることになるのだが、それはまた次のお話で。

                            第二部 完


  • 最終更新:2014-02-20 15:55:34

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