765プロぷちどる対策委員会

『765プロ ぷちどる対策委員会』


P「ああもう!! 仕事の邪魔しないでくれ!!」

顔にしがみついてるあふぅを引きはがした。

あふぅ「ヤー!! ハニィ!! ハニィ!!」

P「……」

あふぅ「はぁぁにいぃ!! ハニィ、ハニィ、ハニィ?」


P(こいつらはいったいなんなんだ?)


美希を幼くしたような外見。

人間の言いつけは決して守らず、
事務所を好き勝手荒らしまくってる。

完全に獣なのか。それとも人に近い存在なのか。


P(正直言ってぶち殺したい……。でもあいつらも生物だ)

机の上にはぐしゃぐしゃにされた重要書類が並ぶ。

ゆきぽが淹れてくれてたお茶もこぼれてしまい、めちゃくちゃだ。

ただでさえ人手不足の零細事務所。

毎日日付が変わる時刻まで残業して疲れ果てていた。

発情中のあふぅは、そんな彼の気持ちも知らずに
四六時中求愛してくるのだった。


あふぅ「バニィ……ハニィィ……ハニィ……!!」

P「あー、分かったから泣くなって。おにぎり上げるから」

あふぅ「ナノ?」

P「ほら。一つだけだぞ?」

あふぅ「ナノッ!!」


ご機嫌を取るにはこれが一番だ。

どれだけ喧嘩しても、おにぎり一つで丸く収まる。

こういう時だけは単細胞で良かったとPは思ったのだった。

P「失礼しま…」


社長室の前で落とし穴のようなトラップにつまづく。

即座にゆきぽが掘った穴だったと分かった。


社長「……キミィ。凄い顔をしてるぞ?」

P「しゃれにならないくらいストレスがたまってますからね。
  たまに本気で殺意がわくんですよ」

社長「うむ。例の件だね。実は私の方でも対策を考えてるとこなのだ」


社長の話では、ぷちどるによる業務妨害が多発しており、
早急に対策を練る必要があるとのことだった。

先日、Pの車に勝手に入り込んだあふぅの
イタズラのせいで大事故につながるところだった。

Pは、あの時ほどぷちどるが憎いと思ったことはなかった。


社長「先週の話だが、律子君がこっそりあふぅを
    長野県の山中に放置してきたんだ」

P「え? そんなことしてたんですか!?」

社長「結果は現状を見ればわかると思うが、あふぅは自力で
    事務所に帰ってきた。わずか三日足らずでな」

P「ばかな……。ここから何キロ離れてると思ってるんだ……」

社長「眠った状態のまま獣のひしめく山に放置したんだがね、
    どうやら無駄だったらしい。もはや未知の生命体だよ」


ゆきぽやこあみ達にも同じ作戦を試したが、
いずれも一週間以内に戻って来てしまったらしい。

飼い主に捨てられたというのに、傷心した様子もなく平然と
毎日をすごしているのだ。人間の精神では有りえないことだ。

はるかさんにいたっては、火山の中に投棄しても
何もなかったかのように帰還したという。


P(あいつらにとってはピクニックにすぎなかったってのか?
  山を下るだけでもどれだけの体力が必要だと思ってるんだ)


怒りと絶望を通り越して頭がショートしそうだった。

床の修繕費、各備品の損害。営業車までぷちの被害にあった。

会社の経営は傾くばかりだ。

P「くそっ、ふざけんじゃねえ!! 
  このままじゃ他のアイドル達にも示しがつかないぞ!!」

社長「うむ。気持ちは痛いほどよく分かる……」


他の皆も同じ気持ちだった。最初は軽い気持ちで飼い始めたペットもどき。

家畜程度の知能しか持たず、食って寝て遊ぶを繰り返してる。

一度贅沢を覚えてからは、衣食住とも人間と同じ
ランクを求めてくるというずうずうしさ。

そのくせ下の世話すら自分ではこなせないのだから、
若いアイドル達のお荷物になるのは当然だった。

一番解せないのは、正体がわからぬこと。

奴らは何のために人間界に現れたのか。


P「あいつらを改心させるための方法を俺は提案します!!」

社長「なん……だと?」

数日後、765プロダクション、ぷちどる対策委員会が発足した。

目的はぷちどる達の管理し、職場の環境改善に努めること。

メンバーは下記のとおりである。


委員長      P

参謀及び諜報   高木社長

会計(用具係)    水瀬伊織

委員長輔佐    萩原雪歩 秋山律子


有志を募ったため、少人数になった。

他のアイドル達はぷちどるを忌み嫌っているので不参加だった。


委員会が発足したからには、さっそく行動開始である。

第一段階として体罰を伴う教育が実施された。

P「悪いなあふぅ。事務所の床にこっそり脱糞するのは禁止されてる」


後ろから髪の毛を掴み、壁に15回叩きつけた。


ガン ガン ガン ガン ガン ガン……


無限に続くかと思われた苦痛の時間。

髪の毛が千切れそうな痛みに加えて、滝の様に流れ出る鼻血。

なぜ自分が痛めつけられるのか。

知能の低いあふぅには理由が分からなかった。


あふぅ「ナ……ノォ……」ボロッ

P「どうだ? 人間の怒りを思い知ったか?
  おまえを教育しようと思えば、いつでもできたんだぞ?」


両手で鼻を押さえながら仰向けになってるあふぅを足で転がす。


P「人間界ではな、決まりごとは守らないといけないんだよ。
   これからは決められた場所でウンチしてくれるかな?」

あふぅ「……ナノォ」

P「おまえのせいで音無さんにどれだけ迷惑かけたと思ってるんだ。
   糞の始末なんて10代のアイドルに頼むわけにもいかないしな」

あふぅ「ハニィ……ハニィ……」ムクッ

P「あ?」

あふぅ「はぁぁぁぁにぃ!!」ガブッ

P「ぐぬぅああ!?」


ひざを思い切り噛まれ、さすがのPも動揺した。

こんな小さな生物に反撃されるとは夢にも思わなかった。

屈服させるどころか反抗心を育ててしまったらしい。

最終的にあふぅを黙らせるには拘束用のロープが必要だった。


律子「こら!! 二人ともイタズラばっかりしちゃ駄目じゃない!!」


こあみ「とかぁぁあ!?」

こまみ「ちー!!!」

ドアの隙間に黒板消しを挟もうとしてたところを律子に捕まり、
アイアンクローを食らわされていた。

じたばたと手足を動かしまくるが、宙吊りになってるので意味がない。

腕が短くて律子の手を押さえることすらできないのだから、
拷問と同じだった。

遠目に見ていたゆきぽやちひゃーがブルブル震えていた。


雪歩「あっ、怖がらなくていいよ?
    悪いことしなければ何もしないから」

ちひゃー「くくっ……」ビクビク

ゆきぽ「ぽえ……」ビクビク


ちひゃーは逃げ出し、ゆきぽはその場で穴掘りを始めた。


雪歩「あーっ!! 昨日スコップを取り上げたばっかりだったのに!!」

ゆきぽ「ぷえっ、ぷえっ!!」


怒られてるのに必死で床を掘り続けてる。

埋まれば安全だと思ってるのだろうが、逆効果だ。

ゆきぽの背中を掴みあげてスコップを奪おうとするが、
嫌だ嫌だと言いたげな顔で必死に抵抗してる。

カッとなった雪歩が腕を振り上げたが、


いお「もっ、もっ、もっ!!」ゲシゲシ

雪歩「痛いなぁ!! 今ゆきぽを叱ってるんだから邪魔しないでよ!!」


このように他のぷちが仲間をかばうこともあった。

苛立った雪歩はいおに往復ビンタを食らわせ、大泣きさせた。


愛の鞭をもって接しても効果はほとんどなかった。

ぷち達は人間を敵とみなすようになり、今まで贅沢させて
もらった恩などすっかり忘れて反抗的になってしまった。

罰として檻に閉じ込めたり、道具などを取りあげても、
他のぷちがイタズラしてすぐ元通り。

ぷち用に作った簡易トイレの使い方も覚えてくれなかった。

事務所の廊下にまで糞が落ちてるのは完全に異常だった。

こうなったら計画を第二段階へ移行せざるを得なかった。


P「ぷち達を粛清します」

社長「うむ。許可しよう」


相手は未知の生命体。その生命力は人間を超えている。

抹殺に必要な道具は、用具係の伊織がデータを参照にして集めた。


『ぷちどるに関する研究レポート』

?人語を理解するが、人間の幼児程度の知性しかない

?自ら意味のある言葉を話すことはできない

?驚異的な生命力をほこり、骨折程度なら数日で完治する

?排泄に関しては家畜と同様であり、衛生的な概念がない


伊織「あいつらを素手で抹殺するのは難しいと思うわ。
     念のためこれを持っていきましょう」


対戦車用ロケットランチャーだった。

初心者にも扱い安いタイプを選んだ。

その他にも軍人用の装備を各種用意した。


翌日。P、雪歩、伊織が粛清係として埼玉県の山岳地方へ向かった。

観光スポットから遠く離れた山を選んだ。

あふぅ、こあみ、こまみの三匹をピクニックに
連れていくと言って騙し、山の中腹まで連れてきた。

P達は軍服を着ているのに、ぷちたちは
怪しむことなく一緒に歩いていた。

伊織が肩から下げているアサルトライフルには、
こまみが面白がってぺたぺたと触っているだけだった。

雪歩は腰に巻いてる弾薬袋があふぅに奪われないよう
厳重に警戒しながら山を登った。

肝心のあふぅは、すっかり遊び気分で浮かれていたのが幸いだった。


P「日が暮れる前に終わらせよう。雪歩。
  あそこの木の枝にあふぅを縛り付けてくれ」

雪歩「了解しましたぁ」

素早い動作で縄を取りだしてあふぅを縛ろうとしたが、
さっそく逃げられた。野生のカンなのだろう。

雪歩は髪の毛を掴んで動きを止め、足で踏もうとした。


あふぅ「ナノォ!! ナノ!! ナノ!!」


振り向きざまに飛びかかり、雪歩の白い腕に噛みつくが、
ここまでは想定の範囲内だった。


雪歩「ちょっと本気出しちゃうね?」


ボコ ドカ ボコ ドカ

散々殴りつけ、しまいには巨大な眼球を狙う。

顔の大半が目なので、トントンと二本指で突くのは簡単だった。


あふぅ「ナノオォォォオォッォオ!?」


初めて味わう痛みに動揺し、転げまわる。

それでもすぐ復活し、雪歩の足に噛みついた。

あふぅ「ナノォ!!……ナノォォォ!!」

雪歩「……いてて。もうちょっと強くしちゃおうかな」


逆さまに持ち上げて地面に何度も叩きつけ、目を回させた。

あふぅの動きが遅くなった内に一気に縛り付けてしまう。


こあみ「とか……」

こまみ「ちー……」


こあみ達はただならぬ様子に震え始め、逃げ出そうとしたが、
伊織が用意した捕獲用の網で捕えられた。

それぞれの片足をナイフで傷つけられ、脱出防止とした。


こあみ「とか!! とか、とか、とかあ!!」

こまみ「ちいいいい!! ちいいい!!」

伊織「うるさいわね。そのまま大人しくしてなさい」

本格的に苦しめるのはまだこれから。斬り傷は最低限に抑えていおいた。

二匹は周りをきょろきょろ見渡し、助かる方法を考えている。

伊織はPと目配せし、予定通り作戦を実行するようアイコンタクトした。


あふぅ「ハニィ!! ハニィ!! ハーニィ!!」

P「おっし。準備オーケーだ」


片膝をつき、ロケットランチャーを肩に乗せるP。

あふぅは木の枝からぶら下がっており、手足は
縄でぐるぐる巻きにされていた。簀巻きに近い状態だ。


P「くたばれ、害虫め!!」


ピュウウウウウウウウウウウウ プシュウウウウ

風を切る甲高い音を鳴らしながら、砲弾が目標へ吸い込まれていく。


あふぅ「ナノ!? ナ……ナッノオオオオオオ!!」


あふぅを支えていたロープごと吹き飛ぶのだった。

爆発によって発生した煙が風で流されていき、
視界が次第にクリアになっていく。

P(ふぅ。初めて撃ったけど、ちゃんと命中したぜ)


ハンカチで汗をふくP。

実は緊張で汗びっしょりだったのだ。

数メートル先へ飛ばされた、あふぅの死骸を見に行ったのだが、


あふぅ「あにィ……ハぁ……ニィ……ハァニィ……」ボロッ

P「ばかな………直撃を食らってもまだ息があるのか……」

雪歩「やっぱりこいつらは地球外生命体ですよ……」

P「……予定変更だ。心臓を直接狙うぞ」


雪歩からハンドガンを借り、あふぅを見下ろしながら3発撃った。

バン バン バン

重苦しい雰囲気の中、銃声が山に響いた。


あふぅ「ハ……ニ……ィ……」

口から血を流しながらも、被弾した胸元を手で押さえてる。

ドクドクと面白いくらいに血があふれ出ており、
時々苦しそうに吐血するのだった。


あふぅ「ごぷっ……」


口の周りは赤黒い色で染まっている。

髪の毛はお化けみたいに散り散りになり、左手は千切れかかってる。

顔は唇まで焦げており、恨みのこもった眼で人間を見上げるあふぅ。

Pは頭部に銃を押し当て、引き金を引いてとどめを刺した。


こあみ「とか~~~!!」

こまみ「ち~~!!!」


網を噛み砕いて全速力で逃げ始めた。

心の通じ合った2匹だからこそできた連携プレイであろう。

それにしても、一度ナイフで刺されてるのに走れること自体が脅威である。


伊織「こらぁ!! 待ちなさぁい!!」

こあみ「とかぁぁ!?」


足が遅いのですぐ追いついた。

こあみの首根っこをつかんで自分の胸の高さ持ち上げた。

傷のある足をもう一度ナイフでえぐる。

鮮血が伊織の腕にかかるが、かまわず斬り続ける。


こあみ「とかぁぁぁ!? とか!! とか!! とかぁあぁ!!」


こあみは必死で抵抗するが、伊織に背を向けた
体制なのでどうしようもにない。

足からどんどん血が滴り落ちる。


伊織「ほら見なさい? こまみが戻ってこないと、
    こいつがどうなると思う?」

こまみ「ちー……」ウルウル

こあみ「とかとか!! とか!! とかぁ!!」

伊織「早く戻ってきなさい? そしたらこあみを介抱してあげるわ」

こまみ「ち、ち、ちぃ……」ウルウル

伊織「ほら早くしなさい? このままこあみを見殺しにするつもり?」

こあみ「とかあ!! とっかぁぁぁ!!」

こまみ「ちーー!! ちぃぃい!!」


私に構わず逃げろと言われてるのに、姉妹のことが放っておけないこまみ。

痛む足に構わずジャンプして伊織の太ももに噛みついた。


こまみ「ちいいぃぃ!!」

伊織「へえ。勇気あるじゃない?」


米国製のアーミーナイフが怪しく光る。

こまみの背中に力強く刺し、盛大な悲鳴を上げさせる。


こまみ「ちいぃぃぃ!?」


反射的に弓なりにのけぞり、倒れそうになったが踏ん張った。

熱い血液が背中を伝って落ちていくが、まだ諦めない。


こまみ「ちいぃぃ!! ちい!! ちーーー!!」ガブガブ

伊織「いっ、いたっ、けっこうタフね」

こまみ「ちーーー!! ちーーー!!」

雪歩「私に任せてください♪」

こまみ「ち……!?」


こまみを伊織から引きはがし、背中に小さなリュックを背負わせた。

リュックの中にはモロトフ火炎手榴弾が入っていた。


こまみ「ちいいい!!」

雪歩「邪魔だからどいてね?」


数メートル先まで蹴飛ばした。

こまみが起き上がろうとしたところでまた蹴飛ばす。

ボールの様に飛んでいくが、さらに追いかける。

雪歩「よいしょっと」


ライフルの先端に銃剣を装着する。

こまみの両足をまんべんなく刺してあげたのだった。


グサッ グサッ ブシュ グサッ ブシュ


こまみ「ちいぃ!? ちぃ!! ちぃぃ!! ちぃ!!」

雪歩「あはは。これでもう動けないよね?」

こまみ「ちぃぃ……!! ちぃ……びえええええええん!!」


ナイフとはケタ違いの痛みに耐えきれず、ついに泣き始めた。

雪歩はこまみから距離を取とって火炎放射器を構えた。

狙うのはこまみのリュック。


ゴオオオオオオオオオオオ……


独特の音を奏でながら炎が直進し、こまみを一瞬で火だるまにした。

ボッ、ボオッ、ボオオオオオオオオオオン!! ボオオオオオオオオ!!


背中の手榴弾に引火し、炎がさらに燃え広がった。

轟音と煙のコンボ。余りの火力に雪歩ですら戦慄した。


こまみ「ちーーーー!? ちいい!? ちいい!? ちい!!」


遠くから見ると、巨大な火柱がゆっくりと動いてるようだった。

正確には火だるまになったこまみが
苦痛から逃れようとほふく前進してるのだが。


こまみ「ちいっ……!? ちいっ……? ちいっ?」


目が焼かれ、視界はゼロ。進むべき方向も分からない。

自分の周りには文字通り炎しか存在しないのだ。


こまみ「ちー、ちいい!! ちっ!! ちっ!! ちっ……!!」


次第に動きが遅くなっていき、ぺたんと倒れてしまう。

こあみ「とか!! とっかぁああ!! とかあ!!」


目の前で姉妹の死ぬ姿を見せられ、半狂乱になって泣き続けていた。

仲間意識が強いことの証だ。

家畜程度の存在にも、情という概念があるのだろうか。

冷静に観察していた伊織は、あることを試したくなった。


伊織「あんたには死体処理を頼もうかしら?」

こあみ「とか……?」


モロトフ火炎手榴弾を見せつけ、それをリュックに入れて
こあみに背負ってもらう。

もちろん途中で嫌がったのでうつ伏せに押さえつけた。


伊織「いい? よく聞きなさい? あんたはこれからあふぅと
    こまみのお墓を掘るの。この超小型スコップを使ってね」

こあみ「とか!! とか!! とかあ!!」ブンブン

伊織「そんなこと言っても駄目よ? 逆らったらあんたの
    リュックに火をつけるけど、それでも良いの?」

こあみ「とか……」

伊織「そうよね。仲間の死は哀しいわよね。もし立派なお墓が
    掘れたら、あんただけは助けてあげてるのに」

こあみ「とかっ?」

伊織「もちろんほんとよ? あたしは嘘つかない主義なの」

こあみ「とかっ、とかっ!!」パアッ


嬉々としてスコップを受け取り、いそいそと穴を掘ろうとする。

しかし……


こあみ「と……かぁ」ズキズキ


伊織に散々痛めつけられた足が言う事を聞かない。

スコップを持ちあげるだけで激痛が走り、冷や汗が止まらなかった。


P「辛そうだな? 少し手伝ってやるよ」

こあみ「にーちゃ?」

Pが自分のスコップでざくざくと穴を掘っていく。

長方形に近い形で綺麗に掘っていき、
あっという間に即席の墓が出来上がった。


伊織「じゃあ死体を入れるわね?」


ドサッ ドサッ

2対の焼死体が無残にも投げ込まれる。

P達のぷちの死体に対する扱いなどその程度であった。


こあみ「とか……」

ズキッと心が痛んだが、文句を言ったら殺されるので黙った。

ぷちどるにしては聞き分けの良い方なのかもしれない。

ある意味白状ともいえるが。

雪歩が穴の中を興味深そうに眺めていた。


伊織「準備は良いかしら?」

P「おうよ」

雪歩「おっけーです」

伊織「こあみ。この穴はもう一匹入れそうよ?」


ドカ。無情にも蹴落とされ、P達3人が一斉にスコップで穴を埋め始める。


こあみ「とかあ!! とかっ!! とかああ!!」


約束が違うじゃないかと吠えるこあみ。

穴から這い上がろうとするが、1メートル以上の深さがある。

しかも長方形に掘られた穴は、斜面が急すぎてつかめそうな所もない。


こあみ「とかああああ!! とか……とかああ!!」

P「ほらほら。せいぜい頑張れよー?」

こあみ「とかかあ!! とかああああああああ!!」

伊織「あたしの約束? あれは人間限定の話なのよ。ごめんなさいね」

こあみ「と……かっ……び、びえええええん!! びえええええん!!」

雪歩「うるさいのでどんどん埋めちゃうね?」

こあみの顔にも容赦なく泥をぶつけられ、口の中まで汚れた。

土をはたいてる内にもどんどん穴が埋まっていくので余計に焦る。

登ろうとしては途中で滑り落ち、上からシャワーのように土が降り注ぐ。


P「埋めるのってけっこう楽しいな」

伊織「土も柔らかいしね。良い運動になるわ」


次第にこあみの頭だけが見えるようになり、抵抗が止まる。


こあみ「とっかぁ……」


P達はかまわず土を盛り続け、ついにこあみは完全に埋まったのだった。

もう不愉快な声は聞こえない。

念入りに土踏みをして生きて出られないようにした。


数分してP達は満足げな顔をして立ち去って行く。

いっぽう、息のあるこあみは、なんとか地上へ這い上がろうとしていた。

わずかでもいい。ほんのわずかでも、手足が動くなら。


芋虫のような努力が実ったのか、地上に頭を出すことに成功した。

野生動物の底力は人間の想像を超えてるのだ。

綺麗な空気をたっぷり吸うと、さらに力が湧いてきた。

数分もすると腕が地上へ伸び、ついに背中や腰も這い上がった。

あとは両足が自由になれば……


P「残念でした」


バッキュウウウウン


こあみ「とか?」

凄い銃声がしたと思った次の瞬間には、背中のリュックが打ち抜かれていた。

モロトフカクテルが燃え盛り、こあみの身体が炎で包まれる。


こあみ「ちい!? ちいいいいいっ!! ちっ、ちっ、ちぃぃぃぃぃ!!」ジタバタ

太陽が間近にあるかのような灼熱地獄。

手を必死で振り回すが、自然の風を受けた火はさらに燃え続ける。

とにかく熱くて苦しくて、一滴で良いから水が欲しかった。


P「ふむ」


スナイパーライフルを肩にかついだPは、こあみの受難をよく観察していた。

今後の研究のためにも、一匹ごとの死にざまをよく覚えておく必要があるのだ。

10分くらいで火が消え、真っ黒にペイントされたこあみが残された。

うつ伏せに倒れているが、手足がわずかに震えてる。


こあみ「と……か……と……かぁ……」

ひゅーひゅーと不思議な息を吐いているが、間違いなく生きていた。


伊織(やっぱり研究の必要があるわね)

P(完敗だよ。生物兵器並みの耐久力だな)


サンプルとして捕獲する必要があったのだが、
あいにく生きの良い個体は事務所にたくさんいる。

雪歩「そーれ♪」

こあみ「とかぁ!?」


こあみの腕を引っ張り、無理やり地上へ引きずり出した。

そして別の穴を掘り、通常の手榴弾7発と一緒にこあみを放り込んだ。

もちろん手榴弾のピンは抜いてある。P達は伏せた状態で起爆を待った。


ドッ!! シュウウウウウウウウン!! ヒュン!!


一瞬の爆発のあと、空気を震わせながら破片が飛び散る。

もっとも、穴の中なので飛び散ったのはほとんど真上だが。


こあみ「」

さすがに死んでいた。右手と左足が根本から千切れており、
胸や首筋にも破片がいくつも刺さっている。

焼けただれた皮膚の奥にある筋肉まで丸見え。

今も大量の血液が流れ続けており、
煙の臭いに交じって鉄臭い匂いが充満していた。
733 :('A`)[sage]投稿日:2013/03/22(金) 05:33:35.30 0
Pは、念のためナイフでこあみの眼球を突いた。


P「ふぅ。やっとくたばったか」

伊織「えらい手間がかかったわね。さっさと埋めましょう」


土を埋めて帰路につく3人。

事務所で社長に成功の胸を報告すると、
臨時のボーナスを約束されたのだった。



                        第一部 完


  • 最終更新:2014-02-20 15:54:18

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