SCP-765-PM その2

個体番号: SCP-765-PM-02


オブジェクトクラス: Euclid


特別収容プロトコル: SCP-765-PM-02の首輪には1.5mの長さの鎖をつけ、飼育檻の中心に繋いでください。鎖及び接合部は定期的に状態を確認し、必要であれば鎖の交換と接合部の補修を行ってください。

SCP-765-PM-02の収容には女性職員を当ててください。SCP-765-PM-02収容ユニット内への男性職員の進入は、収容違反発生時を除いて許可されません。

餌は小型動物向け栄養ペレットと水を与えてください。SCP-765-PM-02が嫌がった場合は電流を流して食べさせてください。
夜の給餌の前には、排泄物の処理とSCP-765-PM-02及びその衣服の洗浄を行ってください。
給餌及び洗浄は、麻酔を投与してSCP-765-PM-02が眠った状態で行うようにしてください。

収容違反が発生した場合の対処は、通常期と夏期で異なります。
SCP-765-PM-02の頭髪が金色である通常期は、SCP-765-PM-02に対して睡眠薬を混ぜた握り飯を投入して確保してください。
SCP-765-PM-02の頭髪が茶色である夏期は、エリア-81■■に所属する女性職員による無記名投票で選ばれた男性職員1名をSCP-765-PM-02確保に投入してください。

SCP-765-PM-02に関する実験は、エリア-81■■研究監査部の認可を受けた上で行ってください。


説明: SCP-765-PM-02は体長0.6■m、体重■■kgのSCP-765-PM-B群個体で、■■■プロダクションでは[データ削除済]と呼称されていました。腰元までの長さの金色の頭髪、緑色の瞳で、■■■プロダクション所属タレントの■■■■に外見が似ています。
児童向けウェクスラー式知能検査による全検査IQは58で、全個体中で4番目に低い結果でしたが、収容初期、洗浄中に「嘘泣き」をして職員を欺き、収容違反を引き起こすなど、検査には反映されない「ずる賢さ」を持っているものと思われます。
性格は非常に粗暴で、自身の意に沿わないことが起きると攻撃的な姿勢を見せます。
■■■プロダクションへの事情聴取によれば、握り飯が好物であるほか、基本的に食に関する欲求は強いとのことです。

SCP-765-PM-02は夏期になると頭髪が全て抜け落ち、代わりに肩までの長さの茶色い頭髪が生えます。この生え替わりはおよそ■■時間ほどで完了します。
この頭髪が茶色い時期、SCP-765-PM-02の鳴き声は変化し、一般的に外見が優れていると評価される男性に飛びつき甘える習性を見せるようになります。
この時、SCP-765-PM-02を引き剥がそうとすると鳴き声を上げて激しい抵抗をしますが、その時点で甘えている男性よりも外見が優れていると評価される男性が現れると、そちらへ飛びついて甘える対象を変えることが判明しています。
なお、女性であっても、その外見が男性的に優れていると評価される場合には甘えることがあります。


実験記録: 事前にエリア-81■■の全女性職員を対象に、外見が優れていると思う男性職員を選んでもらうアンケートを実施。1位から10位までを決定し、実験を行う。

内容 ―― 夏期状態のSCP-765-PM-02と10位の職員を同室に入れる。1分後、1位の職員を入室させる。
結果 ―― 10位の職員に抱きついていたSCP-765-PM-02は、1位の職員が入室すると同時に甘える対象を変更した。
備考 ―― 1位の職員に飛びつく際、それまで甘えていたはずの職員に噛みつきました。(■研究員)

内容 ―― 夏期状態のSCP-765-PM-02と10位の職員を同室に入れる。1分後、5位の職員を入室させる。
結果 ―― 10位の職員に抱きついていたSCP-765-PM-02は、5位の職員が入室すると同時に甘える対象を変更した。
備考 ―― それまで甘えていた男性に噛みつくのは習性のようです。(■研究員)

内容 ―― 夏期状態のSCP-765-PM-02と10位の職員を同室に入れる。1分後、9位の職員を入室させる。
結果 ―― 10位の職員に抱きついていたSCP-765-PM-02は、9位の職員が入室すると同時に甘える対象を変更した。
備考 ―― インシデントレポート「収容規範逸脱事案81■■-2■■■」を参照。(■■収容主任)

内容 ―― 夏期状態のSCP-765-PM-02と1位の職員を同室に入れる。1分後、2位の職員を入室させる。
結果 ―― 1位の職員に抱きついていたSCP-765-PM-02は、2位の職員が入室してもそのままだった。
備考 ―― 誰かが入ってくると甘える対象を変えるというわけではないようです。(■研究員)

内容 ―― 夏期状態のSCP-765-PM-02と3位の職員を同室に入れる。1分後、4位の職員を入室させる。
結果 ―― 3位の職員に抱きついていたSCP-765-PM-02は、4位の職員が入室すると同時に甘える対象を変更した。
備考 ―― SCP-765-PM-02には男性の好みがあるようです。(■研究員)



個体番号: SCP-765-PM-03


オブジェクトクラス: Euclid


特別収容プロトコル: SCP-765-PM-03の収容には男性職員を当ててください。SCP-765-PM-03収容ユニット内への女性職員の進入は、収容違反発生時を除いて許可されません。

餌は小型動物向け栄養ペレットと水を与えてください。SCP-765-PM-03が嫌がった場合は電流を流して食べさせてください。
夜の給餌の前には、排泄物の処理とSCP-765-PM-03及びその衣服の洗浄を行ってください。
給餌及び洗浄は、麻酔を投与してSCP-765-PM-03が眠った状態で行うようにしてください。

収容違反が発生した場合、警備犬を投入して確保してください。

SCP-765-PM-03に関する実験は、エリア-81■■研究監査部の認可を受けた上で行ってください。


追加特別収容プロトコル: CHY-シングイベントが発生した場合、電流を流して直ちにSCP-765-PM-03の「歌」を中止させるようにしてください。
「歌」に暴露した職員は速やかに職員要件検査を受け、基準値に満たない職員は記憶処理の上、SCP-765-PMの収容担当から外れなければなりません。


説明: SCP-765-PM-03は体長0.6■m、体重■■kgのSCP-765-PM-B群個体で、■■■プロダクションでは[データ削除済]と呼称されていました。地に着く長さの黒い頭髪、濃紺の瞳で、■■■プロダクション所属タレントの■■■■に外見が似ています。
児童向けウェクスラー式知能検査による全検査IQは59でした。
性格は攻撃的で、常に職員に対する敵対的な姿勢を見せます。特に[データ削除済]な女性に対しては著しい敵意を表します。
一方動物、特にイヌに対しては友好的です。■■■プロダクションへの事情聴取によれば、牛乳が好物、高所恐怖症、泳ぐことはできないとのことです。

SCP-765-PM-03は他のSCP-765-PM個体と比べて、特筆すべき能力を有していません。
後述する冬期の頭髪を除けば、SCP-765-PM-03の性質や行動は通常の物理学で解決できる程度に留まっており、SCP-765-PM個体の中では最も平均的な個体であると考えられています。

SCP-765-PM-03は冬期になると頭髪の量が通常時よりもおよそ10パーセントほど増えます。
冬期状態のSCP-765-PM-03はどれだけ頭髪を除去しても、睡眠中に元の状態に復帰します。頭髪が元に戻るメカニズムは判明していません。

SCP-765-PM-03は不定期にCHY-シングイベントを起こして「歌」と認識される鳴き声を上げます。
この歌は演歌調で特に異常性はありませんが、現在までに発表された如何なる歌曲ともメロディラインが一致しません。
歌の最中にこれを妨害する、あるいは歌が終了した後にこれを賛辞しない場合、SCP-765-PM-03は周囲の人間に対して強い敵意を示します。

収容違反事案81-1■■■■により、SCP-765-PM-03の「歌」はSCP-765-PMの異常性を認識しなくなる特異性を有することが判明しました。
この特異性は不可逆的なものであり、記憶処理による特異性の解消は失敗に終わっています。
また、当該特異性によってSCP-765-PMの異常性を認識しなくなった場合、SCP-765-PMの意思を妨げる行為に抵抗を覚えるようになります。
これは「歌」への暴露時間が長ければ長いほど深化していき、合計で■時間以上暴露した場合、通常の収容に対しても不快感を覚えることが判明しています。

収容違反事案81-1■■■■: 20■■/■■/■■、SCP-765-PM-03収容担当班の収容管理官1名、研究員1名、警備担当官2名が共謀し、SCP-765-PM-03の解放を図る収容違反事案が発生しました。
当該5名の行動を制止しようとした他の収容担当人員は、■■警備担当官と■■警備担当官によって射殺され、SCP-765-PM-03は■研究員によって収容ユニット外へ持ち出されました。
本件収容違反は■■収容管理官の偽装工作の影響で発生から約二時間で把握され、収容違反に関わった5名及びSCP-765-PM-03は■■市内で確保されました。
なお、当該収容違反中にSCP-765-PM-03と接触した民間人は■■名に及び、本件の事態収拾のために大規模な記憶処理とカバーストーリー「ドラマ撮影」の流布が行われました。

財団日本支部の収容違反調査委員会(J-IBCB)は当該事案をクラスAインシデントと認定。その調査の中で、SCP-765-PM-03が有する「歌」の異常性が確認されました。
J-IBCBは最終報告書の中で、以下の3点を収容違反発生の原因として指摘しています。

・研究員2名がSCP-765-PM-03の「歌」に関して、異常性の有無を調査しなかったこと。
・■■収容主任が、班員が明らかにSCP-765-PM-03に対して感情移入する発言をしていたにも関わらず、その原因調査を怠ったこと。
・エリア-81■■全体で、ずさんなセキュリティクリアランス管理が行われていたため、■■収容管理官の偽装工作を許したこと。

この報告を受け、財団日本支部は以下の懲戒処分を行いました。

・■■首席管理官に減給1年の懲戒処分。
・■■次席管理官に減給1年の懲戒処分。
・■■情報システム部長に停職1ヶ月の懲戒処分。
・■情報システム次長に停職1ヶ月の懲戒処分。
・■■収容管理官に停職3ヶ月の懲戒処分。
・■研究員にDクラス職員降任の懲戒処分。
・■■警備担当官にDクラス職員降任の懲戒処分。
・■■警備担当官にDクラス職員降任の懲戒処分。

J-IBCBの報告書全文、全映像記録及び全音声記録へのアクセスを希望する職員は、J-RAISAへお問い合わせください。



個体番号: SCP-765-PM-05


オブジェクトクラス: Euclid


特別収容プロトコル: SCP-765-PM-05の収容ユニットには収容違反発生時を除き、硬貨を持ち込まないでください。

餌は小型動物向け栄養ペレットと水を与えてください。SCP-765-PM-05が嫌がった場合は電流を流して食べさせてください。
夜の給餌の前には、排泄物の処理とSCP-765-PM-05及びその衣服の洗浄を行ってください。
給餌及び洗浄は、麻酔を投与してSCP-765-PM-05が眠った状態で行うようにしてください。

収容違反が発生した場合、硬貨を投げて確保してください。

SCP-765-PM-05に関する実験は、エリア-81■■研究監査部の認可を受けた上で行ってください。


説明: SCP-765-PM-05は体長0.6■m、体重■■kgのSCP-765-PM-B群個体で、■■■プロダクションでは[データ削除済]と呼称されていました。
伸縮性が異常に高く、体長の2倍ほどの長さの茶色い頭髪、緑色の瞳で、■■■プロダクション所属タレントの■■■■■に外見が似ています。
児童向けウェクスラー式知能検査による全検査IQは42で、全個体中で最も低い結果でした。
性格は比較的温厚ですが、硬貨や食品には強い執着を示し、時に攻撃的な様子を見せることもあります。
■■■プロダクションへの事情聴取によれば、身体能力が高く、素手で魚を捕ることができるとのことです。

SCP-765-PM-05は優れた聴覚及び嗅覚を持っています。
このためSCP-765-PM-05は捜索犬として活動可能な能力を有していると判断されていますが、実際にはSCP-765-PM-05は集中力が低く、捜索活動がしばしば中断されるため捜索犬として運用することは難しいと思われます。

SCP-765-PM-05には、硬貨が落ちる音を聞くと時速80km以上と推定される速度で硬貨の方向へ走り出し、硬貨を舐めるという習性があり、拾得した硬貨を取り上げられることに強い抵抗を示します。
拾得した硬貨はSCP-765-PM-05が首に提げている小さいポシェットに貯め込まれており、硬貨を拾得できない場合にはこのポシェットに貯め込んだ硬貨を舐めることが確認されています。
また、このポシェットに対しても執着する様子を見せており、SCP-765-PM-05の激しい抵抗のためにポシェットを回収する試みは失敗しています。

SCP-765-PM-05は5月から6月上旬にかけて、頭部にマダケ(Phyllostachys bambusoides)の若芽を生やします。
マダケの若芽はSCP-765-PM-05の頭蓋骨から生えていることがX線検査によって判明していますが、頭蓋骨自体に異常性はなく、何故マダケの若芽が生えるのかは分かっていません。
また、当該時期のSCP-765-PM-05は常にマダケの若芽が生えた状態を維持することが確認されており、若芽を採取しても同じ大きさの若芽が生えてきます。
採取した若芽は通常のものと同様に食用とすることが可能ですが、皮ごと煮込むと若芽が溶融し、未知の強い毒性を発するようになります。
この毒はおよそ■■グラムで一般的な成人男性の致死量となることが分かっています。
また、冬期になると頭髪の量が増え、除去しても睡眠中に元の状態に復帰するようになります。


補遺: 20■■/■■/■■現在、SCP-765-PM-05の収容に際する収容規範逸脱事案の発生件数は■■■件に達しており、精神汚染能力を有するSCP-765-PM-01を除けば、SCP-765-PM個体の中でも群を抜いた発生率となっています。
特に20■■年、収容規範逸脱事案による負傷で治療用収容容器で収容されていた期間は、計216日間に及んでいます。
財団日本支部理事会はSCP-765-PM-05損失の可能性が非常に高いとして、20■■/■■/■■付でSCP-765-PM-05を危機オブジェクトに指定しました。



個体番号: SCP-765-PM-07, SCP-765-PM-08


オブジェクトクラス: Euclid


特別収容プロトコル: SCP-765-PM-07及びSCP-765-PM-08は同一の収容ユニット内に、適当な距離を空けて標準生物用中型飼育檻を設置して収容してください。

餌は小型動物向け栄養ペレットと水を与えてください。SCP-765-PM-07及びSCP-765-PM-08が嫌がった場合は電流を流して食べさせてください。
夜の給餌の前には、排泄物の処理とSCP-765-PM-07及びSCP-765-PM-08並びにその衣服の洗浄を行ってください。
給餌及び洗浄は、麻酔を投与してSCP-765-PM-07及びSCP-765-PM-08が眠った状態で行うようにしてください。


説明: SCP-765-PM-07及びSCP-765-PM-08は体長0.6■m、体重■■kgのSCP-765-PM-B群個体で、■■■プロダクションでは[データ削除済]及び[データ削除済]と呼称されていました。肩までの長さの茶色い頭髪、茶色い瞳で、■■■プロダクション所属タレントの■■■■・■■に外見が似ています。
児童向けウェクスラー式知能検査による全検査IQは両個体とも50でした。
性格は比較的温厚ですが、しばしば職員に対して稚拙な攻撃を行うことがあります。
■■■プロダクションへの事情聴取によれば、悪戯好きとのことであり、職員に対する稚拙な攻撃は悪戯である可能性もあります。

SCP-765-PM-07及びSCP-765-PM-08は鳴き声を除けば、生物学上では完全に同一の個体です。財団で実施した各種検査においても、鳴き声以外の相違点を確認することができませんでした。
その一方、クロステストの結果から、他SCP-765-PM個体は鳴き声が出せない状態でも両個体を識別できることが判明しており、検査では分からない何らかの違いが存在する可能性が提言されています。

補遺: SCP-765-PM-07及びSCP-765-PM-08の異常性及び危険性の低さからAnomalousへのオブジェクトクラス変更が提議されています。
議論の詳細については、J-RAISAへお問い合わせください。


  • 最終更新:2018-06-11 05:54:44

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